百鬼夜行とは、平安時代の京都で幾度となく起こった怪現象。今よりも闇が色濃い平安の夜、様々な化け物が徒党を組んで京の都を練り歩いたと言われています。
その中でも特に有名なのが一条通りの大行列。化け物たちは美しく飾り立て船岡山から一条通を東へ進んだと言う。その様子は『付喪神絵巻』に記されています。そんな一条通りを西大路通り付近から東に向けて歩いてみましょう。
写真:旅人間
地図を見る付喪神(つくもがみ)とは、長い年月を経て古道具に魂が宿り、様々な形に変化して現れる古道具の妖怪のこと。
古来より日本では「道具は百年経つと化けて人間に悪さをする」と言う俗信があり、古い道具は九十九年で捨てるという考えもあったようです。捨てられた古道具は無念に感じた事でしょう。百年に1年足りない九十九も「つくも」と呼びます。
写真:旅人間
地図を見る百鬼夜行は季節の変わり目の節分の夜に出没したと言われています。季節の変わり目は陰と陽の気が入り乱れるタイミング。そのどさくさに紛れて古道具の妖怪たちは「俺たちはまだ使えるぞ」なんて叫びながら京の都を練り歩いたのかもしれません。
何だか憎めない妖怪たち。この妖怪ストリートでは、一つ目小僧や三つ目の夜行童子の可愛らしい飛び出し坊やが所々にあり、この通りは歩くだけで楽しめます。
写真:旅人間
地図を見る京都市の北に位置する一条通に約400mの長さに渡って商店が並ぶ大将軍商店街(一条妖怪ストリート)では、毎年秋になると妖怪仮装行列「一条百鬼夜行」、また妖怪アートフリマ「モノノケ市が開催され盛り上がります。
そんな大将軍商店街では、所々に妖怪が出没します。子供がみても怖くない可愛らしさで、手作り感いっぱいのユルイ感じの妖怪たちです。
写真:旅人間
地図を見る商店街で見かける妖怪たちは、河童や一つ目小僧と言った誰もが知っている妖怪ばかりでなく、今まで出会った事のない個性豊かな妖怪たちの姿も…。
写真:旅人間
地図を見るそして何気にお店の営業を手伝っているように見える姿も、妖怪ストリートならではの風景と言えるでしょう。
写真:旅人間
地図を見る妖怪ストリートを散策する時、食べ歩きに欠かせないのが「山田コロッケ店」で販売しているコロッケです。
この店での一番人気は国産和牛の「ビーフコロッケ」ですが、とにかく種類が豊富。例えば、トマトチャーハンにチーズの入った「ライスコロッケ」、「カマンベールチーズコロッケ」「松茸コロッケ」など。
写真:旅人間
地図を見るその中でも注目したいのが「妖怪コロッケ」です。漆黒の衣が特徴で中は緑色をした抹茶味、赤いキムチ味、黄色いカレー&チーズ味の3種類。
注文してから目の前で揚げてくれるので、アツアツでホクホク。食べ歩きの際はコロッケ1つだけではなく2〜3個買うのがおすすめです。
<山田コロッケ店の基本情報>
住所:京都市上京区一条御前西入ル大上ノ町65
電話番号:075-461-6665
営業時間:10時〜19時
定休日:日曜・祝日
※詳細は下部MEMOより公式サイトにてご確認下さい
写真:旅人間
地図を見るもし百鬼夜行に興味が出て来たら、大将軍コミュニティホールの2階にある「百鬼夜行資料館」に行ってみましょう。
開館時間は10時から17時まで。入館は無料。館内に入ると「これだけ?」と感じてしまうほど小さいスペースですが、面白い事が色々書かれています。
写真:旅人間
地図を見る例えば、付喪神と言えば古道具の妖怪。彼らが船岡山に籠ったと言われる近隣には北野天満宮があります。今でも毎月25日に開催されている天神市。この起源は「手持ちの古道具が妖怪変化する前に転売しよう」と持ち寄ったのが始まりだとか。
現代の私たちには気が付かないけど、実は色んな事が繋がっているのかもしれませんね。
写真:旅人間
地図を見るそして色々な妖怪たちの姿や特徴も紹介されています。
<大将軍コミュニティホールの基本情報>
住所:京都市上京区一条通御前通西入二丁目 大上之町75 2F
電話番号:075-461-2520
営業時間:10時〜17時
定休日:基本的になし
※詳細は下部MEMOより公式サイトにてご確認下さい
写真:旅人間
地図を見るこの妖怪ストリートを散策する際、絶対に立ち寄っておきたい店と言えば「お食事処 いのうえ」でしょう。店主の井上さんは大将軍商店街振興組合の理事長。ここで食事をしながら商店街の情報収集も出来ます。
店の横には提灯お化けがブラブラと揺れ、看板メニューには妖怪ラーメン、妖怪に関する案内もあり、周囲に溶け込んだ妖気を感じる食堂です。
写真:旅人間
地図を見るお店の中に入ると、ごく普通の食堂の風景。少し違うのは本棚には妖怪に関する書籍が沢山並び、所々に妖怪のイラストがある事でしょうか。よく見ると店主の井上さんも三つ目の妖怪になっています。
実はこのイラストは映画『バイオレンス ボイジャー』の監督、宇治茶さんが学生時代に描いたもの。さりげなく飾られていますが、かなりレアな作品です。
写真:旅人間
地図を見る名物の「妖怪ラーメン」は、真っ黒なスープに、紫色の中華麺、そして見るからに辛そうな赤い色。その下には目玉のようなピータンも。思わず「えっ、マジ…」と警戒心がピーンとなるほど見た目はゲテモノ系。
恐る恐るスープを飲んでみると、味は風味豊かな醤油系。唐辛子のように見えた赤はパプリカ、紫の麺はクチナシの色素、黒いスープは竹炭と言う。見た目からは全く想像出来ないほど食べやすい。このギャップもまた妖怪変化。なかなかの一品です。
<お食事処 いのうえの基本情報>
住所:京都市上京区一条通天神道東入大上之町73
電話番号:075-461-7019
営業時間:11時〜14時30分/17時30分〜21時
定休日:火曜日
写真:旅人間
地図を見る日本各地には様々な妖怪伝説があり、怖さよりも不思議と親しみも感じます。特に一条通りを大行進した百鬼夜行の正体は主に古道具の妖怪と言われる付喪神。
この大将軍商店街を散策し、色々な妖怪を目にする事で、物や道具への考え方を見直し大切に扱えるようになると良いですね。
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/9/16更新)
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