神戸「竹中大工道具館」職人技が生みだす美を感じる博物館

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神戸「竹中大工道具館」職人技が生みだす美を感じる博物館

神戸「竹中大工道具館」職人技が生みだす美を感じる博物館

更新日:2019/08/01 15:38

潮 佳澄のプロフィール写真 潮 佳澄 司書

日本で唯一の大工道具の博物館「竹中大工道具館」は、五感に響く展示で職人の技とそこから生みだされる美を目にすることができる。ものづくりの体験もでき、大工の仕事が身近に感じられる博物館で日本の職人の姿を知り、技によって生みだされる美を感じてみてはいかが?
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伝統的建築を見る「目」が変わる展示

伝統的建築を見る「目」が変わる展示

写真:潮 佳澄

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大工道具を全国から集めて保存する日本で唯一の大工道具専門の博物館「竹中大工道具館」。大工道具と言うとあまり馴染みがないようだが、展示を見るだけではなく五感で体験ができ、日本の職人技が身近に感じられるようになっている。

木の香りが漂う一階を抜け、地下へ進むと目に飛び込んでくる大きな屋根。奈良県・唐招提寺金堂の実物大模型は、迫力と組まれた木の美しさに圧倒される。地下1階は、大工道具の歴史や種類、しくみと棟梁の仕事を通してものづくりの心を知ることができるフロアだ。

伝統的建築を見る「目」が変わる展示

写真:潮 佳澄

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歴史的な建造物を訪れる人は多いが、建築に関わった職人たちの仕事と道具にはなかなか目が向かないのではないだろうか。

大工道具の歴史を辿る展示では伝統的な寺社建築を"見る目が変わる"展示に注目したい。釿(ちょうな)とヤリガンナでの仕上げの違いはわかりやすく、仕上がった木材に触れて確かめられる。規則的な凹凸のある釿での仕上げに対して、ヤリガンナではつるりとした手触りの違いが感じられる。展示されている木材は道具での仕上げだけで加工はされていない。大工道具を通していかに木の姿が変わるかを体感でき、現代に遺された寺社建築を訪れた時にも、建立された時代によって仕上げの違いがあるので、まさに建築を見る「目」が変わる展示だ。

伝統的建築を見る「目」が変わる展示

写真:潮 佳澄

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江戸時代に記された大工技術書に書かれた大工の心得、京都・桃山天満宮を建てる際に使われた道具の展示を見ると、現代まで受け継がれる伝統的建築が人によって作られ、磨き上げられた技術の賜物だということがわかる。奈良斑鳩の堂宮大工として有名な西岡常一棟梁が語る宮大工の口伝を肉声で聞くこともでき、竹中大工道具館を訪れた後には寺社仏閣のような伝統的建築の見方が変わるはずだ。

刀剣づくりから受け継がれた大工道具・手仕事の美を感じる

刀剣づくりから受け継がれた大工道具・手仕事の美を感じる

写真:潮 佳澄

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地下2階のフロアでは、手仕事や道具の美が見られる。茶室のスケルトン模型は靴を脱いで座敷にあがることができ、大きな窓から差し込む日の光とあわさって落ち着いた心持ちになる和の伝統美が感じられる空間だ。

京都・大徳寺の茶室がベースとされた原寸の模型は、完成された建物では見ることのできない土壁の下地部分と目に見える造りとなる木の違いから、いかに多くの種類の木が用いられているか、高い技術を近くで見て、さわって、確かめられるようになっている。

刀剣づくりから受け継がれた大工道具・手仕事の美を感じる

写真:潮 佳澄

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日本建築独自の陰影の美が感じられる障子。組子障子は色付けされていない木の色味の違いだけで絵が浮かび上がる。見る角度で見え方も変わり、繊細な職人技で生みだされた美しさがある。

刀剣づくりから受け継がれた大工道具・手仕事の美を感じる

写真:潮 佳澄

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「大工道具はこんなに美しいのか」と思わされる"名工の輝き"のコーナーでは、歴史に名を刻み、名工と称えられた鍛冶たちによって作られた道具が並ぶ。明治の廃刀令以降、日本刀づくりを許されなくなった刀鍛冶たちの技術は刃物づくりへと受け継がれていったため、大工道具にも実用を備えた美が凝縮されている。

名工品と呼ばれる道具は当然ながら使われることが前提のため、現代に残されている物が少ない。"用の美"を備えた道具は、他では目にすることのできない美しさに引き込まれる展示だ。

五感に響く展示と人気のものづくり体験の魅力

五感に響く展示と人気のものづくり体験の魅力

写真:潮 佳澄

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竹中大工道具館の魅力の一つと言えるのが、展示のわかりやすさ。実際に木に触れたり、香りを確かめてみたり、タッチパネルや動画で見てわかりやすい展示も多い。地下2階の"木を生かす"では、杉・ひのき・赤松・ヒバなど8種類の木の香りを比べてみることもできる。

五感に響く展示と人気のものづくり体験の魅力

写真:潮 佳澄

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木組のミニチュア模型はパズル感覚で遊べる展示。大人でも難しそうだが、ぴったりはまった時の気持ちよさはなんとも言えないのでチャレンジしてみて。

五感に響く展示と人気のものづくり体験の魅力

写真:潮 佳澄

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地下2階の木工室では、工作や体験ができるイベントが催される。工作は非常に人気で朝からすぐに満席になることも多いので、水曜開催の日が狙い目。また、鉋削りなどの体験であれば、混雑時でも少ない待ち時間で参加できる。イベントは常時開催ではなく、事前申込み制のものもあるので公式HPで詳細をチェックするのがいい。

刃物を使う体験だが、スタッフの方が丁寧に教えてくれるので子供でも安心して体験できるようになっている。木が紙のように薄くなるカンナがけはなかなか経験する機会のない体験だ。

のんびりと木のぬくもり・美が感じられる博物館

のんびりと木のぬくもり・美が感じられる博物館

写真:潮 佳澄

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「竹中大工道具館」へは新神戸駅から歩いて徒歩3分ほど。地上1階、地下2階建ての緑の木々に囲まれた建物は自然の中に溶け込むよう設計されている。

博物館の名前にあるように、竹中大工道具館は竹中工務店によって設立されたミュージアムだ。企業ミュージアムは自社製品の紹介が主になるが、竹中大工道具館は大工道具を民族遺産として収集・保存し、研究や展示を通じて後世に伝えていくことが目的とされ、広く伝統のものづくりが知ることができる博物館となっている。竹中工務店によって設計された館内には熟練の職人たちの技が隠されているのも注目のポイント。

のんびりと木のぬくもり・美が感じられる博物館

写真:潮 佳澄

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館内の椅子にも秘密がある。一つ一つ家具職人の手によるもので、1階ロビーや館内にあるものは座り心地もかなり異なるので座って確かめてみてほしい。

別棟にある日本庭園に面した休憩室は余韻をゆっくりと堪能するのにおすすめ。自販機があり、持ち込みで飲食もできるので、博物館を見た後に1階のミュージアムショップでグッズや図録を手に入れてからのんびり一息つくのにもいい。

職人が生みだす日本の伝統美を感じられる竹中大工道具館で、他にはない非日常の体験をじっくり堪能してはどうだろう。

竹中大工道具館の基本情報

住所:兵庫県神戸市中央区熊内町7-5-1
電話番号:078-242-0216
アクセス:山陽新幹線・神戸市営地下鉄「新神戸駅」より徒歩約3分。生田川I.Cから約5分、京橋ICから約6分。

入館料:一般500円/大学生・高校生300円/中学生以下無料
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
駐車場:無料。6台(普通車5台、障がい者用1台)

2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/07/10 訪問

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