写真:島塚 渓
地図を見る天赦園は、伊達家宇和島藩7代藩主の伊達宗紀(だてむねただ)が慶応2年(1866年)に築庭した大名庭園。伊達宗紀は百歳長寿の大名として知られ、隠居後の住まいとして建造された「潜淵館(せんえんかん)」の庭園として、天赦園が整備されました。
写真:島塚 渓
地図を見る天赦園という名称は、独眼竜の異名で知られる伊達政宗が、晩年に詠んだ漢詩に因んでいます。その一節には、「残躯(ざんく)は天の赦(ゆる)す所 楽しまずして是を如何(いかん)せん」とあり、残された人生を十分に楽しみたいという思いが込められています。まさに、これから隠居生活を送ろうとしていた伊達宗紀に、ピッタリの心境だと言えますね。
写真:島塚 渓
地図を見る天赦園では、面積の三分の一を占める池の周囲に、東屋などの建物や石組みが配置されています。これは「池泉廻遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)」と呼ばれ、園内を歩きまわり、様々な位置から風景を鑑賞できるのが、大きな利点です。
江戸時代には、このような広大な敷地を持つ庭園が、各地の大名たちによって造営されました。
写真:島塚 渓
地図を見る季節ごとに様々な植物を鑑賞できるのが、天赦園の大きなポイント。桜、藤、菖蒲などが、園内の風景と相まって、とても素敵な雰囲気を演出してくれます。
伊達宗紀が、屋内で書をしたためたとされる「春雨亭」を眺めながら、鑑賞する紫色のカキツバタも、また格別。手前の池には、たくさんの鯉が泳いでおり、家族連れでも十分楽しめるスポットになっていますよ。
写真:島塚 渓
地図を見る豊富な種類の植物を鑑賞できる天赦園でも、目立って数が多いのが、竹と藤です。
藤が尊重されるのは、伊達家の先祖をたどっていくと、藤原氏にたどりつくから。
園内には、数か所の藤棚が設置されており、紫色で豊かな房をつける「野田藤(のだふじ)」と呼ばれる種類が多く植栽されています。特に入口付近の野田藤は、樹齢が300年近くにもなる古木なんです。
天赦園は、藤の名所としても知られる観光地なので、4月の中頃からゴールデンウィークにかけては、特に多くの人が訪れますよ。
写真:島塚 渓
地図を見るそして、天赦園ならではの光景が、池の上にかかる太鼓橋状の藤棚です。これは「白玉藤」という種類で、その名の通り真っ白な花をつけるのが特徴。開花の時期は、さきほど紹介した野田藤より早く、4月の初旬ごろから咲き始め、中旬ごろに見ごろを迎えます。
写真:島塚 渓
地図を見るまた、伊達家の家紋「竹に雀」にちなみ、園内には約20種類もの竹や笹が栽培されています。写真の「蘇枋竹(すほうちく)」は、中国原産で、日本には観賞用として持ち込まれたもの。黄色の幹に緑の筋が入ったオシャレな柄が特徴となっており、こだわりの強い伊達宗紀らしさを感じることができます。
住所:愛媛県宇和島市天赦公園
営業時間:8:30〜16:30(4月〜6月は17:00まで)
料金:大人300円、中学生100円、小学生50円
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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