サグラダ・ファミリア スペインを代表する人気観光スポットの昼と夜

サグラダ・ファミリア スペインを代表する人気観光スポットの昼と夜

更新日:2019/07/07 17:30

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
バルセロナのシンボルとも言えるサグラダ・ファミリア。天才建築家ガウディの代表作として今も尚建設が進められていますが、かつてはいつ完成するのか判らないと言われていました。しかし近年の観光客増による拝観料収入増や建設工法の進歩によって、ガウディの没後100年の2026年完成が見込まれています。
サグラダ・ファミリアに入場出来るのは日中だけですが、今回は夜間にライトアップされた素敵な姿もご紹介致します。

生誕のファサード

生誕のファサード

写真:大竹 進

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アントニ・ガウディの手掛けたものの中で最も有名なサグラダ・ファミリアは、今やマドリッドのプラド美術館、グラナダのアルハンブラ宮殿を上回り、スペイン第一の観光スポットとなっています。
写真は東側にあるガウディ広場の池越しに見た光景ですが、4本の塔(鐘楼)のある部分が「生誕のファサード」と呼ばれ、地下礼拝堂と共にガウディが生前自ら指揮をして完成した部分で、世界遺産になっています。
写真左側に現在建築中なのが聖堂の正面になる南側部分で、「栄光のファサード」がここに造られます。
2026年に予定されている完成時には18本の塔(鐘楼)が聳え、中央の塔はケルンの大聖堂を上回る世界最高の高さ170mになる見込みです。
生誕のファサードは東側に面しているので、訪れる際は午前がお薦めです。特に写真を撮る場合、午後は逆光になってしまいますからご注意下さい。

生誕のファサード

写真:大竹 進

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生誕のファサードはイエスの誕生から初めての説教を行うまでの逸話が彫刻によって表現されています。
このファサードには3つの門があり、左側がイエスの養父聖ヨセフを象徴する「希望の門」、中央がイエスを象徴する「慈愛の門」、右側が聖母マリアを象徴する「信仰の門」です。

生誕のファサード

写真:大竹 進

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イエスを象徴する「慈愛の門」上部には、生まれたばかりのイエスを抱え上げる聖母マリアと、それを優しく見守る聖ヨセフ、そしてイエスの誕生を祝う天使の合唱隊の像があります。
合唱隊や楽器を奏でる天使の像はスペイン内戦で損傷を受けましたが、日本人彫刻家外尾悦郎氏によって修復されました。

聖堂内部

聖堂内部

写真:大竹 進

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サグラダ・ファミリアの内部は樹木が枝分かれする様な他に類を見ない独特のデザインの柱が天井へと伸び、主祭壇にはキリスト像が天蓋と共に中空に浮かんでいます。

聖堂内部

写真:大竹 進

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主祭壇から南に延びる身廊の先は現在工事中なので白いカバーで覆われていますが、ここにサグラダ・ファミリアの正面になる「栄光のファサード」が造られます。
青く光るのが「生誕のファサード」のある東側、赤く光るのが「受難のファサード」のある西側です。これはそれぞれの面にあるステンドグラスによるものです。
天井を見上げると何か大きな森の中に居る様な気分になります。

聖堂内部

写真:大竹 進

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一般的な教会に見られるステンドグラスはイエスや聖母マリア、諸聖人を描くものが多いのですが、サグラダ・ファミリアのステンドグラスは全て抽象的なデザインで、光の教会を目指したガウディの意図が表されています。
朝日の射す東側は青や緑を基調とした寒色系で作られているのに対し、西側は暖色系の赤やオレンジを基調とし、夕日を浴びれば更にその色を増す事でしょう。

受難のファサード

受難のファサード

写真:大竹 進

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伝統的な彫刻の施された「生誕のファサード」に対し、西側にある「受難のファサード」は現代的なデザインで、最後の晩餐から磔刑、昇天までイエスの受難にまつわる有名な場面が彫刻されていますが、東側とは随分雰囲気が違います。

受難のファサード

写真:大竹 進

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「受難のファサード」の入口である「福音の扉」の前には、鞭打の刑を受けるイエスの彫刻があります。

受難のファサード

写真:大竹 進

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「受難のファサード」にはイエスの受難にまつわる有名な場面が彫刻されていますが、写真は上部がイエスの磔刑、下部が十字架を背負いながらゴルゴダの丘への道を行くイエスと、イエスの顔を拭ったところイエスの顔が浮かび上がった聖布を持つ聖ヴェロニカです。

ライトアップされた生誕のファサード

ライトアップされた生誕のファサード

写真:大竹 進

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サグラダ・ファミリアの素晴らしさは言うまでもありませんが、それは昼間だけではありません。夜間のライトアップも一見に値する光景が見られます。東側にあるガウディ公園の池がまるで鏡の様にサグラダ・ファミリアを映している姿は将に幻想的。

ライトアップされた生誕のファサード

写真:大竹 進

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ライトアップされ、夜空に浮かび上がるサグラダ・ファミリアは昼間とは一味違う雰囲気です。特に漆黒の闇に聳える塔(鐘楼)は印象的!
完成時には18本となる塔(鐘楼)の内、現在「生誕のファサード」と「受難のファサード」のそれぞれ4本の塔が完成し、残り10本の塔の建設が進められていますが、写真右端に見える工事中の塔は聖母マリアの塔で、最も高いイエス・キリストの塔の170mに次ぐ、140mの高さになります。
「生誕のファサード」内側2本の塔が107m、外側2本の塔が98.4mですからかなりの高さです。

ライトアップされた生誕のファサード

写真:大竹 進

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「生誕のファサード」の上部にあるのが「生命の木」です。糸杉は永遠の命、鳩は神のもとに集まる信者と聖霊を表しています。

ライトアップされた受難のファサード

ライトアップされた受難のファサード

写真:大竹 進

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現代彫刻でイエスの受難が表現されている西側の「受難のファサード」は、ライトアップされるとコントラストが更に増し、夜の闇に幻想的に浮かび上がっています。

ライトアップされた受難のファサード

写真:大竹 進

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塔(鐘楼)を結ぶ梁の上に佇んでいるのは昇天したイエスです。地上からかなり高い所にあるので、日中ではちょっと見落としがちですが、ライトアップされていると良く判ります。

ライトアップされた受難のファサード

写真:大竹 進

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サグラダ・ファミリアの塔(鐘楼)のオブジェ。塔の先端はピナクルと呼ばれますが、漆黒の闇に浮かび上がる他に例を見ないこの様なデザインを発想したガウディに感嘆します。

バルセロナを訪れたら誰もが必ず足を運ぶサグラダ・ファミリアですが、ライトアップされた夜間も素晴らしい所ですから、どうぞ昼と夜両方のサグラダ・ファミリアをご堪能下さい。

サグラダ・ファミリアの基本情報

拝観時間:4〜9月9:00〜20:00、3・10月9:00〜19:00、11〜2月9:00〜18:00、1/1、1/6、12/25、12/26は9:00〜14:00

ライトアップ時間:1月18:30〜22:00、2月19:00〜23:00、3月19:30〜23:00、4・9月21:00〜24:00、5・8月21:30〜24:00、6・7月22:00〜24:00、10月20:00〜23:00、11月18:30〜22:00、12月18:00〜22:00

休業日:無休
アクセス:地下鉄2・5号線、サグラダ・ファミリア駅から徒歩1分

※尚サグラダ・ファミリアは非常に混みあうため、公式サイトから事前に予約して行かれる事をお薦めします。窓口で長時間並ぶ事が無く料金もお得です。チケットには教会のみの入場や塔への入場など様々な種類がありますので、皆様の好みに応じてお選び下さい。

2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/02/14 訪問

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