熊本県の熊本港or三池港からフェリーで1時間〜1時間半、長崎から私鉄「島原鉄道」を利用して2時間半、島鉄本社前で下車すれば、島原旅のスタートです。フェリーで来た場合は、島原外港に車を止めて電車を利用して回るようにしてくださいね。湧水ポイントを含めて、島原の町を巡るには、車では小回りがききにくく不便だからです。
写真:土庄 雄平
地図を見るまず向かうのは、水の都「島原」らしい湧水スポットです。実は、この島原には60箇所以上の湧水点があり、それらがまとめて日本の名水百選に選ばれています。島鉄本社駅から南に徒歩5分ほど、何ということのない町の中を歩いていけば、いきなり物珍しい構造物が現れます。
写真:土庄 雄平
地図を見る実はこれが島原を代表する湧水スポットの「浜の川湧水」です。雲仙普賢岳の手前に位置する「眉山」の山体崩壊により陸地になったこの場所から水が湧くようになったと言われています。
そんなこの湧水が人々の日常に定着し、いかに大切かを物語る資料が、この「浜の川湧水」でもあります。象徴的なのは、この写真の四つに分かれた区画でしょう!実は区画ごとに食品・食器・衣服と洗うものが区別され、例えば綺麗な食品を洗った水でそのまま衣服を洗うというように、同じ水で4回洗えるようにしているのです。
貴重な湧水を無駄遣いしないようにこの地の人々が考案した知恵と言えるでしょう。
<浜の川湧水の基本情報>
住所: 長崎県島原市白土桃山2-1097
アクセス:島原鉄道「島鉄本社前駅」から徒歩5分
写真:土庄 雄平
地図を見る「浜の川湧水」から北へ徒歩10分ほど歩けば、島原のメインストリートに至ります。いわゆる「鯉の泳ぐまち」景観です。この辺りが情緒ある水路と街並みが広がっており見応えがありますよ。その中でひときわ存在感を放つのが「湧水庭園 四明荘」という建物です。その名の通り、湧水をそのまま庭園に活用した珍しい風景が見られます。
写真:土庄 雄平
地図を見る近くにある「清流亭 鯉の泳ぐまち観光交流センター」で入場券を購入すると見学できます。趣ある門をくぐってその邸宅へと足を踏み入れれば、見事な建築と美しい庭園との調和に、思わずうっとりと眺めてしまうことでしょう。
1日3千トンもの湧き出る水を溜めた池を俯瞰するように、建物の縁が張り出しています。驚くほどの水の透明度で、その中には島原のトレードマークである錦鯉が悠々自適に泳いでいます。さらに、その池を取り囲む緑もとても生き生きしており、見れば見るほど癒される唯一無二の風景です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな四明亭では嬉しいサービスもあります。なんと見学するときに、湧水を使った水出し緑茶を頂くことができるほか、着物を着た名物女将がこの四明荘および島原のことを楽しくレクチャーしてくれます。この地に湧水が豊富な理由から、この四明荘でベストショットの撮れる構図までとても詳しいので何でも聞いてみましょう!
<湧水庭園 四明荘の基本情報>
住所:長崎県島原市新町2丁目
電話番号:0957-63-1121
アクセス:島原鉄道「島鉄本社前駅」・浜の川湧水から徒歩10分
備考:「鯉の泳ぐまち観光交流センター清流亭」で300円払って入場券を購入が必要です。年中無休で営業時間は9:00~18:00。午前中が比較的空いています。
写真:土庄 雄平
地図を見る四明荘でゆっくりしたらランチにしましょう。徒歩5分ほど歩いたところにある老舗料理屋さん「姫松屋」がおすすめ!島原名物の「具雑煮」の元祖と言われており、これが本当に絶品なのです。
13種類もの厳選した山と海の幸と一緒に、お餅が秘伝の出汁で煮込まれて提供される一品は、思わずホッとする美味しさ!口に入れた瞬間に「あぁ、うめえ〜」と声が漏れてしまうことでしょう。
そんなこの具雑煮の起源は、実はあの有名な「島原天草一揆」にあるというのも雑学ネタ!籠城戦を乗り切るために考案されたアイデアメニューがこの具雑煮だったのです。
写真:土庄 雄平
地図を見るまた島原名物の「かんざらし」も一緒に頂くのも良いでしょう。「かんざらし」とは湧水を使って作られたモチモチの白玉をシロップに浸けた島原のご当地スイーツです。シンプルですが上品な甘さと白玉がとてもマッチングして美味!
島原の歴史に、湧水という風土。この場所だからこそ出来上がったご当地グルメが沢山揃っているのが、島原の特徴とも言えるでしょう。
<姫松屋 新町店の基本情報>
住所:長崎県島原市新町1-220
電話番号:0957-62-3775
アクセス:湧水庭園 四明荘から徒歩5分
※水曜定休日、それ以外10:00〜19:00まで通し営業
写真:土庄 雄平
地図を見る実は島原のグルメ巡りはまだ終わらないのですが(笑)
さすがに連続ではお腹が苦しくなってしまうので、足湯で一息置きましょう。姫松屋から5分ほど歩けば「ゆとろぎ足湯」に辿り着きます。広々としてくつろげる場所です。
実はこの島原、「雲仙地獄」などで知られるように良質なお湯が湧く温泉地としても知られています。トロッとしたお湯がとても気持ちよく、いつまででも足をつけて入られそうです。さてそんな足の魅力こそ、やはり地元のコミュニケーションの場となっているということ。地元の空気感に浸る時間は、まさに旅らしい時間ですね。
<ゆとろぎ足湯の基本情報>
住所:長崎県島原市堀町171
アクセス:姫松屋から徒歩5分
※24時間営業
写真:土庄 雄平
地図を見るそして少し腹ごなしができたら、早速二つ目のグルメの「ガンバ寿司」を食べに向かいましょう。先ほど訪れた「湧水庭園 四明荘」のほぼ隣に位置する老舗料理屋さん「ほうじゅう」です。なおこのお店は、お昼の11時から深夜0時まで通し営業をしているので、お腹が空いたタイミングで行くのがポイント!
さて「ガンバ寿司」とはフグの押し寿司を指し、島原の郷土料理。「フグ」に「寿司」と言われると、いかにも高価な寿司だと思ってしまいますが1000円ちょっとで手軽に食べられます。
この「ほうじゅう」のガンバ寿司は、酢飯の間に挟まれたシソと梅干がアクセントになり、さっと湯通しした歯ごたえの良いフグと相性抜群!噛めば噛むほど美味しさが広がる絶品です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして、この「ほうじゅう」は、実はお店の内観が面白いのもポイントだったりします。実は、店の中に湧水が流れているのです(笑)まさしく、あらゆるところから水が湧く島原らしさが全開ですね!見ても食べても面白いお店なので、ぜひ島原へ来た際は立ち寄ってみてください。
<ほうじゅうの基本情報>
住所:長崎県島原市新町2-243
電話番号:0957-64-2795
アクセス:ゆとろぎ足湯から徒歩5分、湧水庭園 四明荘から徒歩1分
※年中無休、10:00〜0:00まで通し営業
前述した4スポットは押さえつつ、あとは自由に街を歩いてみましょう!至る所に「島原」らしさが溢れていて、どこか宝探しをするようで楽しいです。「鯉が泳ぐまち」の風景、威風堂々と佇む白亜の「島原城」、そして霧の中佇む「眉山」の山容などなど。味のある風景が根付いています。
写真:土庄 雄平
地図を見るだからこそカメラを持って、ぶらぶらするのがとても楽しいですよ。自分なりの旅の一枚を探してみてくださいね。きっと味のある旅を形作ってくれるはず!
「鯉の泳ぐまち」として知られる長崎県島原市を訪れてみると、実に多様な要素が息づいていることに気づくでしょう。独特の景観や食文化そして歴史など。そして島原を深く知るほどに「湧水」という存在が、その立役者になっていることが分かってきます。この島原の特徴こそが、日本の他のどの場所にもない空気感を作っており、それがとても心地良いです。ぜひ素朴だけれど、趣に溢れた「島原」を訪れてみてくださいね。
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/4更新)
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