地獄温泉「青風荘.」すずめの湯が熊本地震から奇跡の復活!

地獄温泉「青風荘.」すずめの湯が熊本地震から奇跡の復活!

更新日:2019/07/11 17:00

権丈 俊宏のプロフィール写真 権丈 俊宏 一級建築士
地獄温泉(熊本県南阿蘇村)は、近隣の垂玉温泉と共に南阿蘇を代表する名湯。熊本地震と豪雨災害の影響で休業中でしたが、2019年4月から三年ぶりに営業を再開しました。気持ちを一新し、屋号は「清風荘」から「青風荘.」へ変更。しかし混浴のすずめの湯は、変わらず健在です。

復活した地獄温泉「青風荘.」の今を、旧施設との比較を交えながらご紹介。以前と異なるアクセスや、旅館部の再建情報も、詳細に解説します!

復活「すずめの湯」は変わらぬ足元湧出

復活「すずめの湯」は変わらぬ足元湧出

写真:権丈 俊宏

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地獄温泉「清風荘」は、2016年4月に発生した熊本地震、さらにその後の豪雨災害により、長期休業を余儀なくされました。しかし大規模な復旧工事を経て、2019年4月16日に「すずめの湯」の日帰り入浴が復活!

復活した「すずめの湯」で大きく変わったのは、水着もしくは湯浴み着を着用しての混浴である点。“誰しもが気軽に入れる温泉”を目指し、老若男女の隔てなく、安心して入浴を楽しめるようになりました。

復活「すずめの湯」は変わらぬ足元湧出

写真:権丈 俊宏

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「すずめの湯」は震災前と変わらず、浴槽の足元からコンコンと温泉が湧出。泉質も全く変わらず、灰白濁の濃厚な硫黄泉が、源泉かけ流し状態で浴槽に満たされています。災害の規模を考えると、奇跡だと言わざるを得ません!

屋根は新しくなりましたが、柱や梁などの主要な部分は以前のものを使用。一度仮に解体され、大工職人の手によって丁寧に復旧されました。

上の写真は、ぬるめの湯。以前有った浴槽内の仕切りは撤去され、一段と広々しています。お湯は以前と変わらず40度前後の適温ややぬる目で、じっくりと名湯を楽しめますよ!

復活「すずめの湯」は変わらぬ足元湧出

写真:権丈 俊宏

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写真は、熱めの湯。こちらも、以前有った浴槽内の仕切りは撤去されました。熱い源泉が足元から湧出。別源泉の冷鉱泉を使って温度管理することで、42〜3度と適温に調整されています。

なお、湯船に浮かべられた桶には、温泉から湧出された泥が満たされています。以前は浴槽の底からすくって顔などに塗っていましたが、現在は簡単に泥パックできるように配慮。泥パックは、中々取れない毛穴の汚れや皮脂を取り除く効果があるとされています。

新登場の冷泉!交互浴でリフレッシュ

新登場の冷泉!交互浴でリフレッシュ

写真:権丈 俊宏

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今回のリニューアルでは、すずめの湯の横(男性浴場入口前)に、冷泉浴槽が新登場! 無色透明無味無臭で温度は18度程ですが、法律上ではれっきとした温泉(メタケイ酸規定の冷鉱泉)。源泉100%かけ流しで利用されています。

新登場の冷泉!交互浴でリフレッシュ

写真:権丈 俊宏

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18度といえば、銭湯にあるサウナ併設の水風呂と同程度の温度。すずめの湯でしっかり温まり交互浴することで、心身ともにリフレッシュ! 施設側も推奨する入浴方法です。

新旧の融合美!内湯と脱衣室・休憩室

新旧の融合美!内湯と脱衣室・休憩室

写真:権丈 俊宏

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以前有ったすずめの湯併設の内湯は、解体されずに増改築されました。旧施設の和の趣と、新しいモダンな感性が融合した建物へと変貌! 入口部分は鉄筋コンクリートで増築。木造部分も、一部鉄筋コンクリートで地震に耐えられるように補強されています。

上の写真は女性用脱衣室。男性用脱衣室も同様の造りです。全体的には、真新しい木の温もりを大切にした内装。また鍵付きのロッカーも設置され、セキュリティ面も安心ですよ!

新旧の融合美!内湯と脱衣室・休憩室

写真:権丈 俊宏

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上の写真は男性浴室(女性浴室は左右対称で、ほぼ同じ造り)。温泉は、すずめの湯の熱めの源泉から引いています。引き湯される間にお湯がこなれ、若干マイルドな感触に。お風呂から出る前の上り湯として適しています。

新旧の融合美!内湯と脱衣室・休憩室

写真:権丈 俊宏

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リニューアルにより、立派な休憩室が新たに設置されました。無料の飲料用冷水も用意され、入浴中の小休憩にピッタリです!

このように復活した「すずめの湯」では、温泉をゆったりと楽しめるような配慮が随所に感じられます。九州屈指ともいわれる名湯を、じっくりと堪能しましょう!

要注意!地獄温泉へのアクセスが変更に

要注意!地獄温泉へのアクセスが変更に

写真:権丈 俊宏

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地獄温泉への行き方は、今までは国道325号線から北上する一本道(喜多垂玉線)がメインルートでした。しかし2019年6月末からの豪雨で、道路が通行止めになっています。
※2019年7月9日現在、喜多垂玉線は土日祝日の8:30〜18:00のみ通行可能になりました。

ここでは、喜多垂玉線を使わないルートをご説明します。アクセスは主に、阿蘇市方面から南下するルートと、熊本市方面から東進するルートがあります。いずれもナビで、カーナビの目的地に「南阿蘇村池の窪ふれあい交流館」、と入力すると分かりやすいです。

阿蘇市方面から行く場合、県道111号線を南下。草千里(上の写真)など、阿蘇ならではの雄大な景色を抜けて進みます。

要注意!地獄温泉へのアクセスが変更に

写真:権丈 俊宏

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カーナビで入力した「南阿蘇村池の窪ふれあい交流館」付近に、写真にあるような鋭角に右へ曲がるカーブがあります。そこを右折して下さい。(右折した角に“地獄温泉”と書いた看板があります)。

この角から3kmほどで到着しますが、ここから先の道中は道幅が狭く、舗装道路でありながらも路面は所々痛みがち。徐行運転が望ましいでしょう。

※写真右下の「地図を見る」をタップすると、撮影場所の地図が表示されます。現地へ行く際には是非参考にされてください。

要注意!地獄温泉へのアクセスが変更に

写真:権丈 俊宏

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熊本市方面から向かう場合は、国道57号線〜国道325号線を経由し、県道111号線を北上。すると「南阿蘇村池の窪ふれあい交流館」付近に、斜め左に曲がる道(写真)がありますので、これを左折。(先の阿蘇市方面から向かう曲がり角と同じ場所です。)

道路状況は、刻一刻と変わります。「地獄温泉 青風荘.」の公式サイトや公式SNSに最新のアクセス情報が掲載されていますので、現地に行かれる際はご確認ください。(記事最後の「関連MEMO」内にリンクあり)

地獄温泉「青風荘.」更なる復興への道のり

地獄温泉「青風荘.」更なる復興への道のり

写真:権丈 俊宏

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地獄温泉「青風荘.」では、2019年7月現在、すずめの湯の日帰り入浴しか営業されていません。しかし、旅館の復旧作業は現在も継続。以前、旅館内にあった内湯や露天風呂も再建中。2019年9月から、こちらも日帰り入浴できるようになる予定です。

※写真は、地獄温泉「清風荘」旧施設の玄関です。

地獄温泉「青風荘.」更なる復興への道のり

提供元:地獄温泉 青風荘

http://jigoku-onsen.co.jp/地図を見る

宿泊施設は、2020年春の再開に向けて復旧作業が続いています。旧「清風荘」は、食事にも定評があった宿。名物料理である「いろり焼き」も、復活する予定です。

地獄温泉「青風荘.」は、万人向けの名湯

このように地獄温泉「青風荘.」は、以前のレトロな湯治場風情から、誰にでも温泉をゆったり楽しめる施設へと進化しています。しかし足元湧出の名湯「すずめの湯」は変わらず健在。万人向けの温泉と言えるでしょう。

昔からの地獄温泉のファン方はもちろん、温泉好きの方なら、ぜひ一度は足を運んでみてください!

2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/09/04−2019/07/06 訪問

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