ヒオス島はアテネから飛行機で約50分。東エーゲ海に浮かぶ島で、オスマン帝国の影響を強く受けた歴史があり、ビザンティン建築が数多く残っています。
ヒオス空港から北へ約4キロメートルの「ヒオス・タウン」は、海岸沿いにカフェやレストランが並び、多くの人で賑わうヒオス島最大の港町です。
港の北側には中世の要塞「Castle of Chios」があり、要塞の内側には古い町並みが残っています。
要塞内には、18世紀にイスラム教徒向けの公共施設として建てられた「トルコ風呂(Turkish Bath)」もあり、オスマン帝国の影響を感じられます。
<トルコ風呂の基本情報>
住所:821 00 Chios
そんなヒオス島の最大の特徴が、2014年にユネスコの無形文化遺産に登録された「マスティック(マスティハ)」です。
マスティックとは、ヒオス島南部でしか育たないハーブ(ウルシ科の木から採れる樹液)。
抗ピロリ菌や殺菌作用があるとされていて、今迄は料理に使われていました。現在はその効用が注目され、医薬品や化粧品、歯磨き粉や石鹸など、幅広い製品づくりに活用されています。
このマスティックは、欧州連合(EU)の原産地名称保護(PDO)製品にも認定されています。
原産地名称保護(PDO = Protected Designation of Origin):食料や農産物などが特定の製法で生産・加工・調整された地域原産品であることが求められる。この厳しい基準を満たしていない場合は、その名を名乗ってはいけない制度。
2016年にはヒオス島南部に「ヒオス島マスティック博物館(The Chios Mastic Museum)」が開館しました。
敷地内にはマスティックの木々を直に見ることができる広々としたエリアもあります。
マスティック博物館内には、様々な展示物があり、伝統的なマスティックの栽培方法やヒオス島南部での発展の歴史、マスティック製品の広がりを紹介しています。
マスティックは昔から変わらない伝統的な手作業で丁寧に生産されています。なんと樹液から採取したマスティックは精製するのに約1年もかかるんです!
館内にはマスティック・ショップも併設されています。マスティックを使ったガムやジャム、塩やコーヒーなど、豊富な品揃えなので、ぜひ気になった商品を試してみて下さいね。
<ヒオス島マスティック博物館の基本情報>
住所:Rachi Site (Tepeki), 82 102 Chios
電話番号:+30-2271-072212
営業時間:(夏)10:00〜18:00、(冬)10:00〜17:00
定休日:火曜
入館料:4ユーロ
ヒオス・タウンから25キロメートル程南下すると、「Mastic village」と呼ばれ、マスティックを生業とする村々が20個ほど存在します。
その内の1つ「ピルギ(Pyrgi)」は、住人1,200人程で中世の町並みが残る村です。
村の四隅には要塞が建てられ、海賊やトルコからの攻撃に備えつつ、マスティックの栽培が続けられていました。
細い路地が多く、隣り合わせになった家々が壁のようになっているのも、外部からの侵略に備える為に考えられた町造りです。
ピルギ村は「クシスタ(Xysta)」と呼ばれる独特の幾何学模様の装飾が特徴。これは、灰色の壁に白い漆喰を塗り、その後幾何学模様を削っていき、白と灰色の模様を創り出しているのです。
色々な幾何学模様のデザインがあるので、町歩きが楽しめます。
ヒオス島はマスティックと共に歴史を刻んできた島です。ぜひマスティック博物館やピルギ村を訪問して、マスティックの歴史を感じてみて下さいね。
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/19更新)
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