奇岩の渓谷！メキシコ「サンタ・マリア・レグラ玄武岩プリスムス」

更新日：2019/07/16 13:46

スズキミズエグラフィックデザイナー、一人旅女子ライター、世界の民族＆お祭りマニア、火山と洞窟マニア

メキシコは実は火山大国。今でも噴火している火山もあります。何百万年も前に地下でマグマが柱状に固まり、現在ではそれが渓谷をなしているのが、今回ご紹介する「サンタ・マリア・レグラ玄武岩プリスムス」です。渓谷の間にかかる橋からも、降りて間近で奇岩を見ることができる場所。多角形の長い岩が連なっている姿は、まるで束ねた鉛筆！

メキシコシティからも遠くない、奇岩の渓谷を見に行ってみませんか？

山を越えた先にある渓谷

写真：スズキミズエ

地図を見る

「サンタ・マリア・レグラ玄武岩プリスムス」がある場所はメキシコ中部、イダルゴ州。イダルゴ州の州都パチューカが拠点となります。パチューカはサッカーの本田圭佑選手が所属していたサッカーチームがある場所で日本でも有名になりました。

写真：スズキミズエ

地図を見る

パチューカは周囲を山に囲まれた盆地で、主に鉱山加工で栄えた町。「玄武岩プリスムス」があるサンタ・マリア・レグラも金・銀が採掘された場所で、採掘された金・銀はパチューカで加工され、スペインへと輸出されていました。今でも銀の他に、鉛や亜鉛などが採掘されています。

写真は「玄武岩プリスムス」にある精製所跡。

写真：スズキミズエ

地図を見る

そんなパチューカから山を越えた東に約31キロ行った場所にサンタ・マリア・レグラ村があります。週末にはパチューカから直行のバスもありますが、平日は途中のウアスカ村でタクシーに乗り換えて「サンタ・マリア・レグラ玄武岩プリスムス」へ向かいます。

マグマがつくった奇岩の世界

写真：スズキミズエ

地図を見る

プリスムスとは角柱のことで、「サンタ・マリア・レグラ玄武岩プリスムス」では角柱となった玄武岩がつくる奇岩の渓谷を見ることができます。日本でも福井県の東尋坊も同じプリスムスですが、ここではそれが渓谷となって、下からも見ることができる場所になっています。

写真：スズキミズエ

地図を見る

何百万年も前、地下に溜まったマグマに水が入り込み、急激に冷やされて、柱状に固まったもの。均一に内側から外側へと固まったため、五角形から六角形という面白い形の柱になりました。

写真：スズキミズエ

地図を見る

地下で角柱となって固まった岩に、さらに水が入り込み、角柱の岩が削られ、奇岩の渓谷ができました。私たちが見ることができる箇所は一部ですが、この渓谷は実に8キロにも及びます。

揺れる吊り橋で上からも

写真：スズキミズエ

地図を見る

渓谷の間は縄と板だけのシンプルな吊り橋で渡ることができます。揺れる吊り橋からの眺めは、スリル満点。その高さはおよそ30メートル。板と板との間の隙間からも下の岩が見えて、さらに恐怖を煽るかもしれません！

橋の中腹からは、渓谷に水が流れ込む景色、反対側にはその水が川となって渓谷の間を流れていく姿が見れます。