写真:浅井 みら野
地図を見るフランクフルトから電車で西に向かうこと約1時間。高層ビル群から景色は一変し、緩やかな丘一面に敷き詰められたブドウ畑が見渡す限りに広がります。日光が当たる向きによってブドウの列が縦、横とエリアごとに区切られ、パッチワークのようです。
まるで中世の時代から時が止まったかのような風景はユネスコ世界文化遺産“ライン渓谷中流上部”としても登録。その玄関口にあたるリューデスハイムの駅前にラインヴァインヴェルトがあります。
写真:浅井 みら野
地図を見る落ち着いた町の景観に溶け込むよう看板も控え目ですが、入口に掲げられたワインボトルを加工したオブジェにきっとワイン好きなら反応してしまうはずです。
写真:浅井 みら野
地図を見る建物内部に入ってみると白い壁に配管が露出していて無機質な印象。優雅なワインとは結び付かなさそうですが、それもそのはず。実はこの建物は100年以上前に工場として建設されました。ドイツを代表するブランデー“アスバッハ(Asbach)”の蒸留所だった場所がワインショップに生まれ変わったのです。
建物の大まかな構造に変化は加えず、壁や床などの一部を現代風にアレンジ。大小さまざまな部屋にワインが並び、建物を見学しながらワインも一通り見て回れます。
写真:浅井 みら野
地図を見る気になるワインを見つけたら、早速ティスティングを。まずは入口でグラスを受け取り、コインを購入。カジノで使用されそうなコインですが、これはオーナーのペラボさんがこだわったもの。
たくさんのワインから自分好みの1本を探すのは、まさに当たりと外れが生じる賭けと同じ。その様子をカジノにいるように楽しんでもらいたいという想いがあり、遊び心を込めてコインを起用したのです。
写真:浅井 みら野
地図を見る各部屋にはティスティング用の機械が設置されています。コインを投入し、気になるワインのボタンを押すと、そのままグラスにワインが注がれるという仕組みです。
写真:浅井 みら野
地図を見る部屋にはテイスティングしたワインとワイナリーに関する情報もパネルで展示。リューデスハイム含む38kmに及ぶライン川沿いの地域はラインガウと呼ばれ、日照時間が多く、雨も少ないことからブドウ作りの歴史はローマ帝国時代まで遡ります。
ブドウ畑の総面積は3,000ヘクタールとドイツ国内では小規模に留まりますが、約380名がワイン造りに従事し、点在するワイナリーを巡るのも至難の業。そこでペラボさんがワイナリーを一つひとつ訪れ、ラインヴァインヴェルトにワインを置かせてもらえるよう話をし、80のワイナリーから160種類のワインが並ぶようになりました。
写真:浅井 みら野
地図を見るペラボさんの働きのおかげでラインガウに加え、さらに遠方のライン川沿いの町ニーアシュタイン(Nierstein)からケーニッヒスヴィンター(Konigswinter)までのワインも味わうことができます。
まさに店名のラインヴァインヴェルトの通り、ここに訪れれば “ライン川のワインの世界”を満喫できるのです。パネル下にはそのワイナリーで作られたワインが置かれ、気に入ったものをそのまま購入できます。
写真:浅井 みら野
地図を見るワインのほか、町に欠かせなかったアスバッハの史跡と現代デザインの新旧を掛けた内装も、ここでしか見られないもの。写真が飾られている廊下はギャラリーのようです。
写真:浅井 みら野
地図を見るリューデスハイムを代表する銘品となったアスバッハの痕跡は、建物の大切な一部として今でも保存。機械を操作したスイッチ盤からは、年月の長さによって培われた渋さが染みついています。
写真:浅井 みら野
地図を見る気軽に休めるよう空いたスペースには椅子やテーブルが並びます。よく見るとワイン樽で作られた机やコルクを敷き詰めた椅子など、ワインショップらしいインテリアが置かれています。
写真:浅井 みら野
地図を見るラインヴァインヴェルトにはワインラウンジと呼ばれる飲食スペースがあり、チーズや生ハムなどワインとの相性抜群なメニューはもちろん、地元の名産品や旬な食材を堪能できるため、ティスティング以上に長居してしまう空間になっています。
写真:浅井 みら野
地図を見るワインラウンジにはワイン関連グッズやおつまみも販売していて、おみやげにぴったりです。
お気に入りのワインにコインを賭けて楽しむラインヴァインヴェルトは、同時にラインガウのワイナリーとワイン好きを架け渡す場所でもあります。ぜひ訪れた際は、ペラボさんの情熱を懸けた場所で運命の1本を探し当ててみてはいかがでしょうか。
住所:Rottland 6, 65385 Ruedesheim am Rhein
電話番号:+49-6722-9440277
営業時間:日曜-木曜11:00〜20:00、金・土曜11:00〜22:00
定休日:なし
アクセス:鉄道リューデスハイム駅より徒歩約1分
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
浅井 みら野
イタリア生まれ、ドイツ育ちの日本人です。まだまだ知られていないけど、魅力的な土地を世界、国内問わず紹介しています。ヨーロッパ、アメリカ方面が多いですが、呼ばれればどこへでも。冬はゲレンデに出没すること…
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索