久米島空港から車で約5分、島の西部にある鍾乳洞「ヤジャーガマ」。沖縄の鍾乳洞といえば沖縄本島南部の「玉泉洞」や離島では「石垣島鍾乳洞」などが人気ですが、これらはそれぞれ整備された鍾乳洞で観光地化されています。しかしここ久米島の「ヤジャーガマ」は少し雰囲気が異なっています。
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地図を見る整備されているのは鍾乳洞までの歩道くらいで、内部に関しては照明などが設置されておらず真っ暗でほぼ原形のまま。もちろん常駐している人もいません。初見で何の知識もないまま行くと危険を伴うという注意喚起が入口に掲示されています。
それゆえにオススメするのは現地ガイドと一緒にヤジャーガマを探検するツアーへの参加。ウンチク話などを聞きながら楽しく安全に洞窟探検もできますし、何よりも旅先で地元の人との触れ合うことは貴重な体験です。
今回は久米島町観光協会の主催するツアーをご紹介。久米島生まれ、久米島育ちの名物ガイド・保久村 昌欣さんの軽妙なトークと共に出発です。
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地図を見るそもそも久米島町がヤジヤーガマの存在を大きく広め始めたのは近年のこと。その全長は約800m、貝塚や土器などが出土している遺跡であるのですが、戦時中は防空壕としても活用された鍾乳洞でもあります。
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地図を見るそれだけでなく、久米島にとってヤジヤーガマは神聖な場所でもあります。沖縄では古来から風葬が行われてきおり、ここ久米島も明治の頃まで続いてきたのだとか。実はこのヤジヤーガマは風葬の地、墓所でもあったのです。主洞の入口付近にはおびただしい数の瓶があり、中には人骨が納められています。
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地図を見るそんな洞窟だったがゆえに、観光洞窟化せずに本来の姿を残していたともいえるヤジヤーガマですが、内部をよく知る現地ガイドといくツアーなら安心。ヘルメットや懐中電灯のレンタルも込みとなるので手ぶらで参加OKです。
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地図を見るヤジャーガマ内部はリアルな暗闇の世界。視界を遮るような巨大な鍾乳石が行く手を阻み、予想以上に探検気分を味わえます。
道中では一度灯りを消して「真の暗闇」を体験してみるのもいいかも。暗闇に押しつぶされる、そんな感覚を味わえますし戦時中ここで息を潜めていた人たちの気持ちに触れられるかもしれません。
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地図を見るヤジヤーガマ内部は単調な真っ暗な世界ではありません。懐中電灯を照らせばキラキラと光る鍾乳石など、思わず声が出てしまうような美しさにも出会えます。
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地図を見るまるで世界遺産・九寨溝のリムストーンプールのミニチュア版!とでもいいたくなるような「マイクログール(マイクログーアとも)」も白く輝き、その美しさに見入ってしまうほど。洞内でいくつか見ることができます。
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地図を見るさらに鍾乳石以外にも貴重な動物が洞内には生息。久米島や沖縄本島などに分布するクメカマドウマやオオゲジには高確率で遭遇できます。さらには絶滅危惧種のオキナワコキクガシラコウモリも生息していますが、周辺の森林伐採などの影響で生息数は激減しているそうです。
これらはガイドと共に歩むからこそ理解できること。何も知らずに足を踏み入れれば、貴重な自然を壊しかねないということを認識したいですね。
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地図を見る長く続いた闇を抜けて開口部へと辿り着けば、そこはヤジャーガマの終着点。まるで別の世界へ来たかのような感覚、そして光があることへの喜びを感じるとともに、自然の作り出すその造形美に圧倒されることでしょう。
そしてやはりここも風葬の地となっていますが、不思議と不気味さなどはありません。むしろ古くから自然と共存してきた沖縄と、その独特な死生観を垣間見ることができる貴重な場所であるようにも思え、何かしらのパワーを感じることができるかもしれません。
久米島は「ハテの浜」に代表されるように美しい海に目が行きますが、ここヤジャーガマのようなミステリアスなスポットもまた魅力。なかなか日常では味わえない、ちょっとした探検気分を味わうべく訪れてみてはどうでしょうか?
住所:沖縄県島尻郡久米島町仲地
アクセス:久米島空港から車で約5分
<久米島旅遊び「神秘の洞窟ヤジヤーガマ探検」の基本情報>
時間:午前の部10:00〜12:00、午後の部14:00〜16:00
料金:1名4320円(1名で参加の場合は2160円UP)
電話番号:098-896-7010(久米島町観光協会 島の学校)
2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/20更新)
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