メサヴェルデ国立公園は、コロラド州南西部にあります。アクセスは決して恵まれておらず、州都デンバーから最寄りのコルテスやデュランゴなどに飛んでレンタカーを借りるのが一つの方法です。
メサヴェルデ国立公園は、グランドキャニオンをはじめ、アメリカが誇る雄大な国立公園が多く集まる「グランド・サークル」の一角をなしており、特にアーチーズ国立公園やモニュメントバレーなどは比較的近くにあるため、実際にはこれらと組み合わせて訪れることになるのではないでしょうか。
写真:ジュマペル ヤマモト
地図を見る国道160号線を標示に従って脇にそれるとすぐにビジターセンターがあります。後述のレンジャー付きツアーには、ここで申し込みます。なお、基本的には全て現地当日申し込みで事前予約などはできません。ハイシーズンの夏休みには、人気のツアーは早い段階で定員が埋まるので、時間に余裕をもって現地に着くことをお奨めします。
写真:ジュマペル ヤマモト
地図を見るそもそもメサヴェルデ国立公園とは何であるのか?
現在の北米大陸を「新大陸発見」と称してヨーロッパ人による植民が始まったのが16世紀です。しかしこの広大な大陸には、それ以前から人類が住み高度な文明を築いていました。その「遺跡」がメサヴェルデ国立公園です。
園内のチェイパンメサ博物館には、壷やカゴなどの出土品、並びに当時の生活の様子を再現した模型などもあり見ごたえがあります。多くの貴重な遺跡が、西部開拓時代に破壊されましたが、標高2000mの隔離された台地にあったことも幸いして、つい百数十年前まで人目に触れることなく当時の状態を保つことができたのです。その重要性から、1978年には栄えある世界遺産第1号の一つとして登録されたのも納得です。
実際、ビジターセンターからは、つづら折りの峠道をさらに30kmも登って、やっとこの貴重な遺跡のある台地の上にたどり着くことができるのです。
写真:ジュマペル ヤマモト
地図を見る紀元1世紀頃からこの地に定住した民族をアナサジ族と呼んできました。しかし、文字を持たなかった彼らが自らをどう称してしいたのか、今となっては知るすべもありません。「アナサジ族」は、後世につけられた名前で、やや差別的な意味合いがあるため、現在では「先プエブロ族」と呼ぶのが一般的です。
写真:ジュマペル ヤマモト
地図を見る彼らが築いた遺跡を見るために、園内にはいくつか展望スペースが設けられています。台地状の谷間の直下には、雨露をしのぐのにちょうど良さそうな窪みがあり、そこに日干し煉瓦で築かれた建造物を見ることができます。「どうしてこんなところに集落が...」と絶句するような場所です。現在では、乾燥しきった土地で、水も食べ物を決して豊富であるようには思えませんが、千数百年前にはもう少し湿潤であったと考えられています。
写真:ジュマペル ヤマモト
地図を見るこれらの遺跡に足を踏み入れるには、知識・経験ともに豊富なレンジャー同行のツアーに参加する必要があります。その一つ「バルコニーハウス」ツアーでは、冒頭に陽気なレンジャーから安全に関するガイダンスがあります。所々に、垂直に近いようなハシゴや、チェーンをつたっての崖登りなど、少し体力も要求される1時間程度のツアーとなります。
写真:ジュマペル ヤマモト
地図を見る先プエブロ族は、この乾燥した岩場の裂け目に定住の可能性を見出し、いくつもの集落を築き、最大4階建ての建物も確認されています。彼らは集落の随所に「キヴァ」と呼ばれる円柱状の「集会所」あるいは「祈祷所」を設け、当時の彼らにとって最も大切なものの一つ「水」を求め雨乞いの儀式などをしたと考えられています。
しかし彼らは、白人が北米大陸に到達する以前の14世紀までに、自らの意思でこの地を立ち去ります。その理由は未だに定かではありませんが、乾燥の進行による水や食べ物の不足という説が有力です。
写真:ジュマペル ヤマモト
地図を見るなお、ツアーに参加しなくても自由に遺跡の中まで入れたため最も人気が高かった「スプルスツリーハウス」は、落石の危険があるため数年前から継続的に閉鎖されています。
写真:ジュマペル ヤマモト
地図を見る住所:PO Box 8 Mesa Verde National Park, CO 81330
電話番号:+1-970-529-4465
アクセス:最寄りの空港はDurangoまたはCortez。コロラド州州都デンバーから一日数便あり。
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/7更新)
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