あべのハルカス美術館「ギュスターヴ・モロー展」で運命の女に出会う

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あべのハルカス美術館「ギュスターヴ・モロー展」で運命の女に出会う

あべのハルカス美術館「ギュスターヴ・モロー展」で運命の女に出会う

更新日:2019/07/29 16:40

Sige pandaのプロフィール写真 Sige panda パンダライター、パンダスポット探検家
「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」が、2019年9月23日(祝)まで、大阪・あべのハルカス美術館で開催されます。19世紀末フランスで活躍した象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー。

神話や聖書などのエピソードをモチーフとした、神秘的な女性像や直筆のメモ、恋人を描いた素描など、謎に包まれたモローの素顔に触れる内容となっています。数多くの「ファム・ファタル(運命の女)」に出会える展示です。
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神秘的な妖女サロメ

神秘的な妖女サロメ

写真:Sige panda

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『サロメ ヘルデ王の前で踊るサロメのための習作』 鉛筆、インク/紙

今回の「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」では、パリのギュスターヴ・モロー美術館全面協力のもとに、素描なども含む約100点が公開されています。

その代表作、展示会のメインビジュアルにもなっている「出現」も間近に見ることができます。モローの画題として度々登場するサロメ。会場には踊るサロメや作品の為の秀作など、様々なサロメが展示されています。

神秘的な妖女サロメ

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『出現』 1876年頃 油彩/カンヴァス

新約聖書に登場するユダヤの王女 サロメが、自身の踊りへの褒美として、洗礼者ヨハネの首を王にねだったというエピソードを元に描かれた「出現」。当初サロメは、実母の王妃ヘロデヤにそそのかされた小娘として描かれていましたが、19世紀頃には官能的な妖女として表現されるようになりました。

「出現」でもヨハネに恋い焦がれながらも想い報われず、生首となったヨハネを手に入れる、妖艶な女性として描かれています。モロー晩年に描き加えられたという背景の細かな装飾は、図録の表紙でも立体的にしっかり再現されています。これは欲しくなりますよ。

この作品では、サロメだけに見える幻影のヨハネが描かれています。光り輝くヨハネの首に、しっかりと視線を合わすサロメ。画面に漂うなんとも言えない緊張感を、ぜひ現地で体感してください。

神秘的な妖女サロメ

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この「出現」は、最初に水彩画がサロンに出品され、後に油彩画が描かれました。サロメの幻視を主題として描いたのは、モローが初めて。サロンでも大きな話題となったと言われています。会場では、モロー美術館のものを再現した窓越しに「出現」を眺めることもできます。

この作品に関わる多くの素描や習作も展示されているので、画家の制作のプロセスをたどりながら鑑賞してみてくださいね。

モローと3人のファム・ファタル

モローと3人のファム・ファタル

写真:Sige panda

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『カミーユ・モロー』 鉛筆/バラ色の紙

モローは生涯独身で、家にこもって絵を描き続けた、謎の多い画家とされています。その運命は3人の女性によって動かされました。

一人目は、妹のカミーユ。彼女が13歳で早世したことから、両親、とくに母親はモローのことを、過保護な位にかわいがりました。「モローの描く女性像の中には、妹カミーユの面影がある」という説もあるほど、モローも妹を深く愛しました。会場には、バラ色の紙に描かれたカミーユの肖像が飾られています。

モローと3人のファム・ファタル

写真:Sige panda

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左:『ポーリーヌ・モロー』 鉛筆/クリーム色の紙
右:『自画像』 鉛筆/紙

二人目は、母ポーリーヌ。カミーユを亡くした喪失感を埋めるように、一心にモローに尽くしました。モローもまた母を「世界一大切な存在」とし、ポーリーヌを描いた肖像画が40点近く残っています。写真はモローの自画像と一緒に額装されたポーリーヌの肖像画。他にも母親の素描が出展されています。

ポーリーヌの影響力は、モローの画家としての創作活動にも及んでいたとされています。耳が遠くなった母の為に書いた、絵画のアイデアを説明した直筆のメモも残っています。貴重な直筆メモは、会場にも展示されているので、ぜひご覧くださいね。

モローと3人のファム・ファタル

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三人目は恋人のアレクサンドリーヌ・デュルー。モローの10歳年下で、思慮深く、聖女を思わせるような、おだやかな女性だったと伝えられています。結婚という形こそとらなかったものの、彼女が亡くなるまでの30年以上、ふたりの付き合いは続きました。

彼らの日常を彷彿とさせるような、親密な素描も多く残っています。「雲の上を歩くアレクサンドリーヌ・デュルーとギュスターヴ・モロー」は、雲の上を歩く二人の姿が、なんとも可愛らしいタッチで描かれた作品。ミュージアムグッズにもなっています。病床の彼女を描いた素描や、彼女の為のお墓のデザインなどの貴重な作品も展示されています。

神話の女性達

神話の女性達

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『セイレーン』 油彩/カンヴァス

聖書や神話をテーマにしたモローの作品には、数多くの「ファム・ファタル(宿命の女たち)」とも言える女性達が登場します。男を誘惑して、破滅に導くというファム・ファタル。神秘的な女性達を描いた絵画と、その物語を解説したパネルが展示されています。

ホメロスの叙事詩に登場する、海の魔物セイレーンを描いた「セイレーン」。美しいセイレーンと夕陽に目を奪われますが、その足下には犠牲者と思われる男性の姿があります。しかもセイレーンの尾らしきが巻き付いています。よ〜く見ると怖い絵ですね。

神話の女性達

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『エウロペの誘惑』 1868年 油彩/カンヴァス

ヨーロッパの語源となったとも言われる、王女エウロペ。「エウロペの誘拐」は、花摘みをしていたエウロペを見初めたゼウスが、牡牛に姿を変え、彼女をクレタ島に連れ去る場面を描いています。モローは牡牛の頭部をゼウスそのものに描く事で、その偉大性や神聖さを表しました。

近くにはこの作品のために、頭部の角度やゼウスの表情を研究した、習作も展示されています。ゼウスの背に身を寄せ、少しうっとりしているようにも見えるエウロペの表情。略奪というよりは、神と人との聖なる婚姻を表した作品となっています。

神話の女性達

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『デリラ』油彩/カンヴァス

旧約聖書に登場する、妖女デリラの姿も。英雄サムソンを裏切り、力の源である髪の毛をそり落とした女性です。煌びやかな宝飾品を身にまとって微笑むデリラ。色香によって英雄サムソンを惑わし、後に裏切るデリラ。まさに男を破滅に導くファム・ファタルですね。サムソンを裏切ったことにより、デリラは多くの報酬を得て、サムソンは悲劇的な死を迎えます。

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一角獣と乙女たち

一角獣と乙女たち

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『一角獣』 1885年頃 油彩/カンヴァス

美女を描いた作品は、まだまだ続きます。パリのクリュニー中世美術館の6枚の連作タピスリー「貴婦人と一角獣」に刺激を受けて、一角獣を描きはじめたというモロー。純潔の乙女のみが捕獲できるという幻獣、一角獣と美しい乙女達が描かれています。

一角獣と乙女たち

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『一角獣(部分)』 1885年頃 油彩/カンヴァス

アトリエで作品を見た、コレクターのエミール・シュトラウスが「今までで最も美しいものを見た!」と書き残したモローの「一角獣」。サインがありながらも未完成だというこの作品。うっとりしたような表情の一角獣とは対照的に、クールなまなざしの乙女が印象的です。

大阪展の醍醐味

大阪展の醍醐味

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『サロメ』 木炭、黒チョーク/紙

制作のプロセスを知ることができる、素描も多数展示されています。素描に関しては1点につき1館しか展示できないという縛りがあり、大阪展のみで展示される作品もたくさんあります。

大阪展の醍醐味

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『人類の生(第2作)贖い主キリスト』 1886年 油彩/板

大阪展のみの造作が、この「人類の生(第2作)贖い主キリスト」。モロー美術館から借り受けた額装の絵を、荘厳な祭壇に飾り付けました。この祭壇は大阪オリジナル。9枚の絵画とキリストからなる、人類の生や運命に対するモローの考え方を表したという難解な作品です。

大阪展の醍醐味

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日本一高いビルにある、あべのハルカス美術館。美術館がある16階には庭園もあり、そこからの眺めも最高です。美術館の外側や入り口辺りなど、展示の造作も見所のひとつ。毎回とても凝っているんです。

運命の女たちに出会うのにふさわしい場所。あべのハルカス美術館でモローの幻想の世界に浸ってみませんか。

「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」の基本情報

期間:2019年7月13日(土)〜9月23日(祝)
休館日:7月22、29日、8月5日 
時間:10:00〜20:00(月土日祝は〜18:00)
※入館は閉館30分前まで 

会場:あべのハルカス美術館
住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F
料金:一般 1,500円、大高生 1,100円、中小生 500円

2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/07/12 訪問

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