大量の温泉が湧き出る「湯畑(ゆばたけ)」は、まさに草津温泉のシンボル。明治時代まで決まった名前はなく、湯池などと呼ばれていたそうです。
やがて「湯樋(ゆどい)」が造られ、湯の花が採れるようになったことから、湯畑と呼ばれるようになりました。現在の形になったのは1975年。「芸術は爆発だ!」の岡本太郎が、町の依頼で湯畑全体をデザインし直しました。
湯畑は3つのエリアに分かれます。はじめは、「御汲み上げの湯」と呼ばれる温泉が湧く熱湯の池。次は、沸いたお湯を7本の湯樋に流して冷す冷却ゾーン。最後は崖下の池に落とす「湯滝」です。
写真:湯川 カオル子
地図を見る「御汲み上げの湯」と呼ばれる池から湧く「湯畑源泉」は、草津にある主要6源泉のうちのひとつです。
池の中に組まれた四角い枠は、1726年、8代将軍徳川吉宗のためにお湯を汲み上げた場所で、ここから江戸城へと運ばれました。木枠自体も、御汲み上げのために組まれた300年前のものと言われます。
湯畑から湧くお湯は毎分4,400リットル。千年以上にわたって湯の花が沈み、池の底は真っ白です。源泉温度55.7度のお湯は、pH2.08の強酸性。それでも湯畑源泉は、草津でもっとも肌触りのいいお湯と評判です。
写真:湯川 カオル子
地図を見る湯畑から湧き出たお湯は、熱すぎて入浴不可。そこで昔の人は空気に触れさせ冷ますため、湯樋を考えつきました。そのうえ水を加えないから成分も薄まらない。草津温泉ならではの高い効能は、人の知恵が守っています。
樋は樹齢80年の岩手県産赤松製。油分を含む松は腐食に強く、釘は強酸性のお湯に溶けてしまうので、木材を組んで造られます。現在の樋は、2010年に全面改修されたものです。
写真:湯川 カオル子
地図を見るちょっと不思議な光景が、湯滝の崖の上に立つ「湯滝の燈篭」。なぜ、こんなところに燈篭が?
江戸時代晩期の1830年、代表者をお伊勢参りさせるため、共同でお金を積み立てた太々講と呼ばれる人々により寄進されました。表面は温泉成分で真っ黒ですが、夜には今も明りが灯り、ひっそりと存在をアピールします。
写真:湯川 カオル子
地図を見る湯滝の池は2つに仕切られています。滝壷のお湯は、腐食に強いチタン製のポンプで汲み上げ、草津に100軒以上ある温泉宿のうち、50軒ほどに配湯されます。
いっぽうエメラルドグリーンの池のお湯は捨てられる運命。自然湧出量日本一を誇る草津だから可能な「無駄遣い」です。
時代によっては最大17本もの湯滝があり、崖の下に設けられた湯小屋で、湯治客が滝に打たれていたそうです。今も湯滝の前に立てば、滝壷から巻き上がる湯気につつまれ、温泉パワーを実感します。
かねてより高い殺菌作用があると知られる草津の湯。群馬大学の研究で、湯畑のお湯は新型コロナウイルス (COVID-19)を、たった1分で99パーセント死滅させると発表されました。
そこで、2021年2月に出来たばかりの最新設備が、湯畑のホテル一井側にある「手洗乃湯」。ほんわか心地よい40度ほどのお湯は、湯畑源泉100%。温泉街を食べ歩きする前に、ここで手を洗っておくのが草津のニュートレンドです!
写真:湯川 カオル子
地図を見る江戸時代中ごろの1755年以前には、すでに草津に足湯がありました。そして現代の湯畑にもふたつの足湯、湯樋横の「湯けむり亭」と2017年にできた湯滝前の「滝の湯」があります。
湯けむり亭はその昔、共同浴場「松の湯」があった場所。ふたつとも湯畑のすぐ横なので、湧き立ての足湯を楽しめます。
写真:湯川 カオル子
地図を見る湯畑を囲む石の柵の柱には「草津に歩みし百人」の著名人が名を連ねます。まさに草津の歴史。ところが現在は101名。しかも架空の人物です。それが、ローマ帝国の浴場技師ルシウス・モデストゥス(2千年前の人)。温泉マンガ「テルマエ・ロマエ」の主人公です。
草津温泉で映画の撮影が行われたことを記念して、恐れ多くも草津を発見したとされる源頼朝公の隣にその名を残します。草津旅が決まったら「テルマエ・ロマエU」を観ておきましょう。旅行の前から盛り上がれますよ!
写真:湯川 カオル子
地図を見る湯樋の中や池にたまった白い物質が、湯の花。温泉成分が結晶化したもので、天然の入浴剤として人気が高く、売り切れ必至。欲しい人は見つけたら即ゲットです。
写真:湯川 カオル子
地図を見るこの湯の花。放っておくと配管を詰まらせたり、湯樋の流れを悪くします。そこで湯畑では、2か月に1度、4代続く職人さんの手により湯の花採取が行われます。
湯の花採取が始まると、湯畑源泉を引く宿や共同浴場のお風呂が白濁します。採取がいつ行われるかは非公開。その日に当たったら超ラッキー。時間がたつと元の透明に戻るので、湯畑源泉のレアなにごり湯に入るには、すぐにお風呂へゴー。
もし泊る宿に湯畑源泉が引かれていないなら、無料の共同浴場「千代の湯」がオススメ。タオルをお忘れなく。
採取された湯の花は、町の工場で1か月ほど自然乾燥させ、容器に詰めて、町内のお土産物店や一部の旅館で販売されます。ただし強い酸性成分が金属やメッキを溶かすので、使用方法は事前に確認してください。
写真:湯川 カオル子
地図を見る夜は湯畑がライトアップされ、昼とは違う景色を楽しめます。
手掛けたのは、赤レンガの東京駅や六本木ヒルズのライティングをおこなった照明デザイナー面出薫氏。立ち昇る湯けむりに照明を当てる斬新な発想で、幻想的かつダイナミックな夜の湯畑が見られます。
写真:湯川 カオル子
地図を見る湯滝付近のお湯が流れる斜面に、青緑色の藻のようなものを発見。これは「イデユコゴメ」という不思議な藻。pH1.0から3.0という強酸性で、なおかつ35度から55度のお湯の中に生息する極限環境微生物です。
宿によっては、お風呂場でも見られるので、探してみてください。草津のお湯で一生涯「湯治」する、なんともうらやましい存在です。
写真:湯川 カオル子
地図を見る草津温泉に来たら必ず行きたい湯畑。湯樋や湯滝で写真を撮る観光客も多いですが、実はいろいろなものが詰まっているんですね。湯畑まわりの歩道には、タイルに草津節の一説が書かれています。
手湯や足湯を試したり、噴き上がる湯けむりを全身で受けたりと、見どころ満載。来草したら、湯畑のまわりをよぉーく観察してみましょう。楽しい発見、ありますよ!
問い合せ先:草津温泉観光協会
住所:群馬県吾妻郡草津町草津
電話番号:0279-88-0800
アクセス:草津温泉バスターミナルから徒歩5分
2021年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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