「NIPPONIA 楢山集落」は、JR野沢駅から車で20〜30分のところにある、地元では秘境と呼ばれる楢山(ならやま)集落にあります。
歴史的建造物や古民家の再生・活用で名高いNIPPONIAと、海外でランドスケープアーキテクトとして活躍していた、この集落の19代目である矢部佳宏さんとのコラボレーションによって、築120〜130年の蔵と納屋が、宿泊棟にリノベーションされました。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る宿泊棟は3つあり、いずれも独立したコテージ型。蔵の宿泊棟は最大4人、納屋は建物内で2棟に別れていて、それぞれ最大4人が宿泊可能です。
3つの宿泊棟には、楢山集落にちなんだ名が付いています。
蔵は『高陽-KAYA-』(楢山集落の背後にそびえる守り神の高陽山(かやさん)が由来)。
納屋は手前の棟が『聖-HIJIRI-』、奥が『十五夜-MITSUKINO-』(いずれも集落近くの沢の名が由来)。各棟の間取りやマテリアルが異なるほか、それぞれの棟の名を連想させる室礼が素晴らしく、3棟すべて泊まり心地を味わいたくなります。
「NIPPONIA 楢山集落」に一歩足を踏み入れると、大胆に残された土壁や古材が、ここまで雅趣に富んだ美しい空間を創り出すものかと、驚きます。
上の画像は、納屋・奥側の棟『十五夜-MITSUKINO-』のリビング。吹き抜けの天井まで風化した土壁と柱がむき出しで、日本建築ならでは表情を見せています。現代の無機質な壁に慣れている私たちにとっては、むしろ新鮮。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る『十五夜-MITSUKINO-』2階は、ドーンと立派な梁をそのまま残した寝室。セミダブルサイズの清潔なベッドは寝心地バツグンで、山の風景を望める横長の窓から、朝夕の光や鳥の声が届きます。備え付けの浴衣、羽織に着替えて、のんびりうたた寝するも良し。
写真:なおぢ はるみ
地図を見るパウダールームも土壁で、洗面器は何と蔵で眠っていた “にがり”桶。栗の丸木が彫られた古木の桶で、豆腐の原料となる”にがり”を溜めるために使っていたそう(『十五夜-MITSUKINO-』のみ)。
自然を活用すると、こんなに素敵な空間になるんだなあと、体感できますよ。アメニティーも充実していて、ホスピタリティーの行き届いた宿であることが伝わります。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る納屋・手前の棟『聖-HIJIRI-』は、かつて山伏が修行したであろう岩窟をイメージして瞑想の小部屋を設えてあり、陰翳礼讃の厳かな雰囲気が漂います。旅の一人時間を大事にしたい時は、ここへ。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る『聖-HIJIRI-』の2階には、山の景色を見ながら、読書や創作に没頭できそうなワークカウンターがあります。子供連れの旅行者なら、キッズルームにしても良さそうですよ。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る3棟すべてにキッチンがあり、調理器具、食器類はもちろんのこと、貸し出してもらえる調味料は塩や醤油などの他、ビネガーや味噌、ハチミツまで揃って、かなり充実しています。野沢駅近くの道の駅“よりっせ”でミネラル豊富な西会津の食材を調達しておけば、自分の好みにサッと調理して食べられますね。
長期滞在の旅行者を想定した宿というのも、納得。“暮らすように泊まれる”というコンセプトが伝わってきます。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る「NIPPONIA楢山集落」の納屋2棟は、裏山の間伐や択伐した木々などを熱源にした薪ボイラーでお風呂の湯を沸かしてくれます。桧の香りがするお風呂で、薪で沸かした体の芯まで温まる湯に浸かって、窓からの景色をゆったりと眺める至福の時を過ごしましょう。
運が良ければ、雲海や夕焼け、満点の星空を眺めながら、ゆったりとくつろぐことができます。空との近さを感じる楢山集落の幻想的な景色を目の前に、守り神・高陽山(かやさん)の麓に建つこの旅宿で、心が洗われていくのを感じます。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る「NIPPONIA 楢山集落」は、西会津の芸術作品を間近にして泊まれる事も高ポイントです。
例えば、上画像の襖は、和紙を使ったアート作品を展開しながら、西会津の伝統和紙である「出ケ原和紙」の再生に取り組んでいる滝澤徹也さんと、矢部さんが協力して制作したもの。宿の裏にある池の水で漉いたという、まさにこの地の個性を写し取ったアートです。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る各棟のダイニングテーブルと椅子は、西会津町のストーリーや資源を活かすものづくりを行っている木工職人・間瀬央也さんの作品。楢山集落にあった古材をアップサイクルした重厚感のある家具が、宿にしっくりと馴染んでいます。
写真:なおぢ はるみ
地図を見る蔵の宿泊棟『高陽-KAYA-』にあるのは、陶芸家・須藤圭太さんのランプシェード。楢山集落から見える山並みや雪景色をイメージした光の模様が美しい作品です(注文購入可)。そのほかに、楢山集落の土で焼いた洗面器や食器など、須藤圭太さんの作品が散りばめられています。
これらクリエイターが「楢山プラネラタリー・ヴィレッジ」に関わっているのは、宿近くにある西会津国際芸術村というクリエイティブセンターが縁。旧中学校の木造校舎を活用した西会津国際芸術村には、日本のみならず国外からもアーティストやクリエイターが集い、質の高い企画展やワークショップなどが開催されています。西会津に旅したら、ここはマストで訪れるべき! ぜひチェックを!
日本の原風景の圧倒的な美と、自然が人にもたらす癒しの力を、飽くことなく享受できる貴重な宿「NIPPONIA 楢山集落」。虫や鳥たちの声、風が運ぶ葉音、満天の星空‥‥ 山の神様が祀られたここへ、ぜひ、旅してください。
忙しく追われるような日常から抜け出して、自分を取り戻したいと感じている人には、特にお勧めのお宿です。
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(2024/10/6更新)
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