台湾の離島澎湖(ポンフー)の文化が丸わかり「生活博物館」

台湾の離島澎湖(ポンフー)の文化が丸わかり「生活博物館」

更新日:2019/10/31 12:14

宮坂 大智のプロフィール写真 宮坂 大智 村おこしNPO法人ECOFF代表理事、日本島嶼学会会員、国際島嶼学会会員、東京農業大学探検部OB
離島でありながらも、台湾本土より早くから発展してきた澎湖(ポンフー)。外国人にはまだまだ知られていない場所ですが、この島には台湾よりもはるかに長い歴史と、台湾とは大きく異なる独特の生活様式が今でも受け継がれています。そこで今回は、澎湖の人々の生活を垣間見ることができる澎湖最大の博物館「澎湖生活博物館」をご紹介します。

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澎湖(ポンフー)観光の前に!より楽しい旅にできる博物館

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写真:宮坂 大智

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澎湖生活博物館は3階建てになっており、それぞれにテーマが分かれています。1階は定期的に内容が変わる特設展示場で、2019年10月の時点では澎湖で行われている宗教儀式の説明が分かりやすく紹介されています。なお、特設展の説明は中国語のみとなっていますが、常設展である2階と3階では中国語・英語・日本語の3ヶ国語の説明があります。

澎湖は小さな島だと思われがちですが、その小ささからは想像できないほどに深い歴史と文化があります。澎湖生活博物館には日本語の説明もありますので、観光の前にここでしっかりと学んでおくと、澎湖の旅行をより楽しむことができますよ。

2階は展示エリアが最も広く、石器時代から日本時代までの資料が展示されています。3階は近代の澎湖の生活を知ることができるエリアになっています。それでは、2階と3階の常設展についてご紹介します。

4000年前から日本時代までの澎湖(ポンフー)を時間旅行

4000年前から日本時代までの澎湖(ポンフー)を時間旅行

写真:宮坂 大智

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澎湖の人々の笑顔が飾られた柱があるホールから2階に上がるエスカレーターでは、鳥のさえずりが聞こえてきます。頭上を見上げてみると無数の鳥のモビールが。これは澎湖の県の鳥である「澎湖小雲雀(ポンフーヒバリ)」です。鳥のさえずりは、そう、この澎湖小雲雀のものだったんです。

澎湖小雲雀は、その名の通り澎湖固有のヒバリで、澎湖では一年を通してよく見かけます。大きさはスズメくらいですが、ヒバリとスズメは歩き方を見れば簡単に区別することができます。スズメは地面を歩く時にはピョンピョンと両足で飛び跳ねますが、ヒバリは足を交互に動かします。もし澎湖で足を交互に動かして歩いているスズメのような小鳥を見かけたら、それはきっと澎湖小雲雀です。

さて、エスカレーターを上がり切ると澎湖の歴史を展示するコーナーに到着します。そこではまず、4000年も前に石器工場があったという説明や、オランダ人による澎湖の発見、沈没船から発見された交易品の紹介などがあります。

4000年前から日本時代までの澎湖(ポンフー)を時間旅行

写真:宮坂 大智

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なかでも目を引くのは、実際に乗り込むこともできる巨大な帆船の模型。これは福建省から伝わった技術で作られた当時最新式の船です。さすがに実物大とまではいきませんが、中に入ると当時の航海の様子を体感できるほど細かに仕上げられています。

更に奥へ進むとより細かく澎湖の歴史を学べるコーナーがあります。8〜9世紀に大陸から澎湖への移民が少しずつ始まったという説明から、日本統治時代の町並みのミニチュア模型や当時の写真などが展示されています。日本統治時代のモノクロ写真のなかには現存する建物も写っているので、ここで写真を見て実際の建物を見ると澎湖がかつては日本だったのだという実感が湧いてきます。

日本時代の澎湖の中心地「馬公市街」の地図の横にある親子の像の前では、冬の間出稼ぎに行く夫との別れの悲しみを唄った「褒歌(バオグー)」という28文字で作る伝統的な歌を聴くことができます。褒歌は日本で言えば短歌のようなものです。澎湖の代表的な観光地であるアーカン(二カン※カンは山冠の左下に土、右下に欠)では伝統的な町並みだけでなく褒歌の文化も保護しているので、いたるところで見かけることができます。

澎湖(ポンフー)の年中行事を疑似体験できるフロアも

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写真:宮坂 大智

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澎湖の歴史を学んだ後に現れるのは、澎湖生活博物館の名前にふさわしい、人々の生活に根ざした文化の紹介です。ここでは現在も行われている年中行事を忠実に再現してあります。具体的には、お正月の元宵節(ランタンフェスティバル)、6月6日の補運(ブーユン)、7月15日の中元節など澎湖の人々にとって欠かすことのできない行事が紹介されています。

澎湖(ポンフー)の年中行事を疑似体験できるフロアも

写真:宮坂 大智

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展示エリアの中央には澎湖の離島「望安(ワンアン)」の村落のジオラマがあり、今も残されている古民家の町並みを手にとるように眺めることができます。ちなみにこのジオラマの上は吹き抜けになっており、3階に用意されている双眼鏡で見下ろすこともできます。

澎湖(ポンフー)の年中行事を疑似体験できるフロアも

写真:宮坂 大智

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その奥には澎湖ならではのサンゴ石や玄武岩で作られた石垣で囲まれた畑「菜宅(ツァイザイ)」や、魚を捕まえるための石垣「石滬(スーフー)」のほぼ実物大の模型があり、その作りや仕組みを実感できるようになっています。

伝統家屋のなかで澎湖(ポンフー)の人の人生に触れる

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写真:宮坂 大智

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そこを過ぎると3階へのエスカレーターに続きます。2階へ続くエスカレーターには澎湖小雲雀が飛んでいましたが、こちらにはなんとソーメンが天井からぶら下がっています! 実は澎湖ではソーメンも作られており、観光地ではこのソーメンを使った「イカにゅうめん」がご当地グルメとして人気を誇っています。

3階に到着してまず目に入るのは、澎湖の古民家を模した展示エリア。ここには、玄武岩やサンゴ石で作られた「三合院」という伝統的な家屋の実物大に近い模型があり、その作りや飾りの意味を知ることができます。中に入ってみると近代から現代までの澎湖の人々の暮らしを再現した展示があり、結婚〜出産〜子育てなど人の一生の間にどのような行事があるのかを学べます。

さて、三合院の展示エリアを出て更に進むと、現在でも活躍している魔除けの「石敢當」や「石塔」の紹介があり、昔の寺子屋や、子どもの昔遊びなどの説明コーナーがあります。円形のシアターの中には4方向にスクリーンがあり、澎湖の紹介ムービーを鑑賞できます。シアターの外側には澎湖の年表があり、いつどのような出来事があったのかを一覧できるようになっています。

このように、澎湖生活博物館では、澎湖の生活に根ざした文化や歴史を学ぶことができます。澎湖にやってきたらいきなり観光に行くより、一度ここを訪れる時間を作った方がより旅行を楽しめること間違いなしです。もちろん、雨の日に行くのも良いでしょう。

今回は特に目立つ展示についてピックアップしてご紹介しましたが、他にもたくさんの展示があります。しかもその多くが実物大に近いモデルで紹介されていたり、メディアをふんだんに使っているため、ただ説明を読むよりもはるかに頭に入ってくる仕掛けがたくさんあります。ほぼすべての解説が日本語に翻訳されていますので、言葉が分からなくても安心です。まあ、多少変な日本語になってはいますが…、それはご愛嬌ということで。

澎湖生活博物館の基本情報

住所:880澎湖縣馬公市新生路327號
電話番号:+886-6-921-0405 または +886-6-921-0438
アクセス:馬公市中心部の中正路から県道205号線を澎湖空港方面に進み約6分
入館料:80台湾元(6歳以下と65歳以下は無料)

2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/10/05 訪問

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