写真:Mayumi Kawai
地図を見るスロバキア東部、のどかな緑の高原地帯に威風堂々とそびえ立つのが、標高634m、中央ヨーロッパ最大規模といわれる中世の山城・スピシュ城(英語ではSpis Castle、スロバキア語ではSpissky hrad、あるいはスピシュスキー城ともいう)です。
12世紀初頭に要塞として築かれるも地盤の緩みで崩壊、その後13世紀初頭に蒙古(タタール人)襲来に備えて再建され、以降、ロマネスク様式からルネサンス、バロック様式と中世のさまざまな建築様式を取り入れながら、城下町(スピーシュキェー・ポドフラドニェSpisske Podhradieとスピーシュスカー・カピトゥラSpisska Kapitulaなど)ともに交通や文化の要衝として栄えていました。
しかし、1780年に城は大規模な火災に見舞われ焼失、廃墟と化します。採石場として利用された時代もありますが、20世紀後半の調査研究が行われるまでは荒廃の一途をたどります。1970年代ごろから徐々に復元作業が行われ、現在では城内の一部を博物館として開放しています。
そして1993年には、中世東ヨーロッパの様子を伝える重要な文化財として、城とその一帯を含む「スピシュスキー城及びその関連する文化財」としてユネスコ世界文化遺産に登録、2009年にはさらにレヴォチャ地方の旧市街の街並み「レヴォチャ歴史地区」が追加されました。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る敷地面積は東京ドーム1個分ほど、小高い山の上に遺された崩れかけた石造りの城塞や塔、それを覆うようにはびこる芝の草原…その哀愁を帯びた姿は、まさにあの「天空の城ラピュタ」の世界。時代に翻弄され、次々に国や城主が移り変わり、最後には火災で焼失という悲劇で幕を閉じた廃城の歴史もまたノスタルジックな気分を盛り上げます。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る王宮の前庭はよく手入れをされた芝生が広がり、来館者の中にはピクニック気分でお弁当を広げる人やただのんびり過ごす人、城壁に沿って渡された遊歩道で散策を楽しむ人など思い思いにくつろぐことができます。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る庭の芝生をよーく見るとまるっとしたかわいらしいリスがちょこまかと動いています。ぜひ探してみてくださいね。
スピシュ城内は博物館になっており、当時のキッチンの様子や衣装、甲冑、大砲などが展示され、また地下には地下牢や拷問部屋などが生々しく展示されています。なんだか恐ろしいですね。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るスピシュ城内にはちょっとしたお土産屋さんと軽食を扱うカフェがあるのみで周囲には何もありません。そのため、ランチなど飲食物は事前に購入して持ち込むことをおすすめします。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る天空の城スピシュ城は時々刻々とその表情を変え、美しい姿を見せてくれます。こちらは夕暮れ時の姿です。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るスピシュ城は日が沈むころから夜間ライトアップがはじまります。その姿がまた幻想的で悠久の時を感じさせます。さらにライトアップが終わる夜更けの空には満天の星が広がります。白夜でうっすら影を落とした古城とまたたく星のコラボは最強ですよ。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る博物館員の方から「これが最高の絶景だよ」とおすすめされたのは暁の夜明け。なだらかな峰々の向こうからゆっくりと朝日が昇り、城一帯を赤く染めるさまは実に荘厳で思わず言葉を失います。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る天空の城スピシュ城の全体像を写真に収めるとき、たいていの旅行者は麓の村スピーシュキェー・ポドフラドニェ(Spisske Podhradie)から撮影するのが一般的。しかし、今回おすすめしたいのが、正面ゲート側に位置する駐車場内の丘の上から。お城からも近く、程よい高さでほぼ正面に位置しているため撮影にはベストポジションなのです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る加えていえば、その丘の上はかわいらしい野の花が咲き誇っており、まるでラピュタの主人公たちが一番最初に降り立った庭園のような雰囲気。思わずヒタキの巣を探してしまいます。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る実は、城の反対側に広がるこの田園風景もまた絶景。春から夏にかけては緑のベルベッドの草原や田畑のパッチワークが広がり、スロバキアらしい美しい田舎の風景を堪能することができます。
城マニアだけでなくジブリファンをも虜にするスピシュ城。訪れるには若干不便ですが、訪れる価値のある古城です。スロバキアあるいは東欧を訪れた際にはぜひちょっと足を伸ばして古城散策をお楽しみください。
住所:Kosicky kraj, okres Spisska Nova Ves, Zehra, Slovakia
電話番号:+421-53-4541336(SNM-Spisske muzeum直通)
営業時間:5月〜9月は9:00〜19:00(最終入場18:00)、10月は9:00〜17:00(最終入場16:00)、11月〜3月は冬季休業、4月は9:00〜17:00(ただし一部変則的)
※毎年時節によって営業時間が変更されるため、関連メモにある公式ホームページにて要確認
アクセス:公共交通機関を利用する場合、最寄りの町ポプラド(Poprad)、レボチャ(Levoca)、プレショフ(Presov)、コシツェ(Kosice)のいずれかまで鉄道あるいはバスで向かい、そこからローカルバスに乗り換えスピシュ城下の村スピーシュキェー・ポドフラドニェ(Spisske Podhradie)で下車。そこから城まで徒歩約1時間
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2023/11/29更新)
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