ネルハはマラガ県の地中海沿岸で1番東側、グラナダ寄りの小さな白い村です。写真はネルハと言えばお約束の景色です。今でこそ観光で成り立ち、ヨーロッパの人々に大人気の村ですが、元々は小さな漁村でした。
アンダルシアの小さな漁村だったネルハを一躍有名にしたのは一昔前、1981〜1982年の「ベラーノ・アスル Verano Azul」、日本語で言えば青い夏というTVドラマです。夏のバカンスでネルハを訪れたファミリーの子供達と地元民の恋と青春とふれあいの話です。今でもスペイン人はネルハと聞くとこのドラマを思い出す人が多いようです。
ネルハが注目され始めたのにはそんな経緯が有りますが、ネルハの歴史は古く旧石器時代まで遡ることが出来ます。そんな太古の時代を象徴するのが「ネルハの洞窟」。
ネルハ洞窟へはグラナダからネルハに着く少し手前を海とは反対側、北に入ります。
ネルハからはバスも出ていますので、一旦ネルハに行った後でバスで行くことも可能です。オンラインでチケットを購入しておくと、待たずに済む上に少し割り引きもありますよ。
ネルハは地中海沿岸沿いの村ですので年中比較的穏やかな気候ですが、やはりTVドラマの舞台にもなった夏が一番賑わっておりおススメの季節。
ネルハではゆったり過ごすのがおススメですが、夏なら例えば朝一番で洞窟に行って、その後海へ行くか村散策。昼ごはんを食べて少し休憩してからまた海へ行き、夕方には村散策、夕日を見てからご飯を食べて、と1日ネルハで楽しく過ごせるでしょう。合間にはパラドールやカフェテリアでお茶やカクテル、アイスクリームなどを楽しむことも。
何となくイメージできますか?
ネルハ洞窟はまずその規模にビックリさせられます。観光所要時間45分、洞窟内では400段の上がったり下がったりの階段。料金には音声ガイドが含まれており、日本語もあります。事前予約をしてない人は当日券を買いましょう。(季節により料金は変動します)
洞窟に入場してすぐに先ず写真撮影があります。観光が終わって出てきたら写真が出来上がっています。欲しい方は1枚7ユーロでどうぞ。
1959年に発見されたネルハ洞窟は、厳密にはネルハではなくマロに位置します。元々はコウモリを捕まえようとしての偶然の発見だったようです。18000〜20000年前の旧石器時代マドレーヌ期の鍾乳洞で、観光客は見ることができなり貴重な壁画もあります。
洞窟は非常に広く、そして高低差も相当有り、ジブリの世界をモノクロで表現したようなグロテスクさ。鍾乳洞というと普通は上から垂れ下がる鍾乳石を想像するでしょうが、下からもムーミンのキノコのような鍾乳石がニョキニョキ。そんな鍾乳洞の中の階段を、ガイドさんの後について上がったり下がったりしながら進みます。差し詰めジェットコースターかお化け屋敷のようなドキドキさです。
ネルハ洞窟は表面積35万平方メートル以上と言われていますが、現時点で観光客が入れるのはその中でもほんの一部の9千平方メートル強。それでも45分かかるという事はいかに大きいか想像できますよね。でも実際は息もつかせぬ驚きと興奮の連続で、45分があっという間なんですけどね。鍾乳洞というと上から水が落ちてきたり水たまりがあるイメージですが、ここにはそれがないのが不思議です。
宮崎駿やガウディのちょっと過剰でグロテスクな世界を思い起こさせるような、自然の作り出したスペクタクルな世界です。
ネルハの観光はヨーロッパのバルコニー(Balcon de Europa)付近が中心です。ネルハで一番有名なのは、写真の植木鉢が飾られた白い連続アーチと、アーチの奥に見える景色。真直ぐ進むと半円状に海の上に突き出しています。アーチの向かい側はホテルのカフェテラス。この界隈がネルハでは一番の観光地で「ヨーロッパのバルコニー」と呼ばれています。
ヨーロッパのバルコニーの後ろ側にはお店が沢山並んでいます。ショッピングやレストランゾーンに行く前に観光案内書でマップをもらってもいいですね。
白いアーチを教会と反対側に進むとお土産物、ショッピング、レストランなどが沢山あります。
一番手前の何もなさそうな道を進むと、最近インスタグラムでも人気の水玉の家があります。その左には鳥やネコを飾った可愛い家もありますが個人宅です。もう少し先に進むと、左手にはいつも人で賑わうピザ屋さん、右手には海辺を見渡せる展望台があります。すぐ近くのヨーロッパのバルコニーとは比べ物にならないくらい静かですが、こちらも花が咲き乱れていて綺麗です。下に下りることもできますよ。この道を更に進むとパラドールの方へと出て行きます。
ヨーロッパのバルコニーも下に下りられますよ。白いアーチを越えてすぐの石畳の緩い階段を下りていきます。この階段は上から見るとお隣のフリヒリアナの村を彷彿とさせるようで、石畳のデザインがとても可愛いのです。
ここのビーチと海、周辺の山々はネルハのポストカードで必ず登場する景色です。
階段を一番下まで下りるとビーチです。小さいビーチの隅っこの岩山の下に小さな青い扉の家があり、ここも人気の写真スポット。ヨーロッパのバルコニーの下はグルっと周ることができますが、ここに漁師の銅像があります。この銅像はスペイン人なら誰でも知っている、ネルハを一躍有名にしたTVドラマ「ベラノ・アスル(青い夏)」に登場する漁師のチャンケテなんですよ。
ネルハでリゾート気分を味わいたければパラドール〜ブリアナというビーチ周辺。同じくベラーノ・アスールに登場する景色です。
パラドールはお茶やカクテルだけでもOKですので、リゾート気分を味わいたければぜひどうぞ。海辺のパラドールだけあって芝生スペースや海を見下ろし、水着姿の宿泊客を見るだけでも気分が高揚します。
ブリアナのビーチはネルハの中では海岸線が長く開けたビーチで、チリンギートというスペイン人の大好きな海辺のバルが沢山あります。勿論カフェもできますよ。
海沿いの地域で絶対におススメなのがエスペトという鰯(サルディナ)や蛸(プルポ)などの串に刺した炭火焼。たいてい古くなったボートに炭をいっぱい入れてそこで煙をもうもうとたてながら焼いています。
基本的に漁船は日曜日は出ませんので月曜日はエスペトも無いことがありますが、気になる方は聞いてみましょう。
ネルハで夕日を見るならヨーロッパのバルコニーがおススメ。
海に向かって右の後ろ側に夕日は沈みます。黄色い空が見たければ右側、薄ピンク〜薄紫に染まる空が見たければ左側です。
夕日の時間にはもう飲食店も大賑わい。
バルコニーから繁華街に向かう時に3つ股に分かれる真ん中の道にあるEl Pulguilla。人気店でちょっと敷居が高いですが魚介がとても美味しい。バルゾーンは注文するのも一苦労ですが、バルの奥にはレストランもあります。ゆっくり食べたければレストランの方がおススメ。
郵便局のあるAlmirante Ferrandiz通りには飲食店が沢山あります。ネルハは英語圏の住人も多いのでそれほど英語には困らないはず。美味しいアイスクリームやクレープもありますので小腹が空いたらどうぞ。
如何でしたか?ネルハに行ってみたくなりましたか?
ネルハへはグラナダやマラガからALSA社のバスで簡単に行けます。所要時間はグラナダから2時間程度、マラガから1時間半程度です。料金や所要時間は曜日や日程、バスの時間によって異なります。
ネルハには大きな荷物を預ける所は残念ながらありません。宿泊をしないなら近辺の街から日帰りがおススメ。グラナダからマラガへの移動のついでに行きたいな、という方には日本語情報センターのタクシーツアーを利用するのも手。
ネルハ洞窟へ行くバスはリンクの「ネルハ バス」内のNerja/Cuevasをご参照ください。またフリヒリアナへのバスのダイヤも載っています。
夏はぜひビーチも満喫してもらいたいですが、それ以外の季節なら近くの村「フリヒリアナ」へも足を伸ばしてみる価値大ですよ。
フリヒリアナのことは別の記事(お伽噺の世界!スペインの「白い村」フリヒリアナとネルハはカップリングで)に詳しく書いていますのでリンクをご参照ください。
2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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