近未来とノスタルジーが交錯する舟旅へ!大阪「夜ドボククルーズ」

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近未来とノスタルジーが交錯する舟旅へ!大阪「夜ドボククルーズ」

近未来とノスタルジーが交錯する舟旅へ!大阪「夜ドボククルーズ」

更新日:2019/08/14 15:18

小々石 曲允子のプロフィール写真 小々石 曲允子 レトロ旅ライター、パワスポ・ナビゲーター

「水都」の異名を持つ大阪。市内中心部は世界でも稀な水の回廊のような地形となっており、その環境を生かしたクルーズ観光が近年は大人気です。

大阪城や道頓堀などの観光地を巡るコースも楽しいですが、一押しはベイエリアを中心にした水門や橋梁、工場、JCTなどの土木遺産を鑑賞するコース。レトロな建築物が大半のはずなのに、船上から見える景色はどこかファンタジックな近未来世界のよう!非日常感が格別です。

なんばの船着場から、小さな舟で旅に出る

なんばの船着場から、小さな舟で旅に出る

写真:小々石 曲允子

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クルーズ船観光が盛んな大阪市内の河川には数カ所の船着場があり、その中のひとつが難波の道頓堀川沿いにある湊町船着場です。

船着場の南には、カフェやレストラン、ライブホールなどが入る「湊町リバープレイス」が、川を挟んで北側にはオープンテラスのあるオシャレなレストランがあり、川べりには遊歩道「とんぼりリバーウォーク」が整備されています。
とんぼりリバーウォークを東に少し歩けば、あのグリコの巨大看板などで知られる戎橋界隈にも出られるということで、人気のウォーターフロントとして賑わう場所です。

なんばの船着場から、小さな舟で旅に出る

写真:小々石 曲允子

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今回ご紹介する「夜ドボククルーズ」を行う「御舟 かもめ」の舟は、川を行き交う観光船の中でも小さな定員10名の舟。
元々は、熊本県の天草の海で真珠の養殖作業用に使われていた小舟です。

「御舟 かもめ」では2009年からこうした川沿い・ベイエリアの建築遺産を鑑賞するクルーズを催行しています。
今回ご紹介するのは夜のクルーズですが、昼間に行われる「ドボククルーズ」もあります。昼間のドボククルーズは一年中催行されていますが、夜ドボククルーズは4〜11月のみの催行です。

なんばの船着場から、小さな舟で旅に出る

写真:小々石 曲允子

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なお「御舟 かもめ」ではこれ以外にも様々なクルーズを行っておられますので、ご興味がある方は関連MEMOよりHPをご覧ください。
(写真は乗船客がいただけるお茶。昔の国鉄(現JR)で販売されていたお茶の容器を模した形がレトロで可愛い!)

大阪にしかないレトロなアーチ型水門、見るなら今のうち!

大阪にしかないレトロなアーチ型水門、見るなら今のうち!

写真:小々石 曲允子

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さて、まずは夜ドボククルーズの中でメインの見所のひとつとなっている「水門」からご紹介していきましょう。

クルーズ中で最初に出会う水門が、「道頓堀川水門」です。
道頓堀川水門は道頓堀川と木津川の合流点に設けられ、このコースにある土木遺産の中では比較的新しい2001(平成13)年に建設されたもの。

こちらでは、水門を開閉する様子を間近で見られるという珍しい体験ができます。
水門の前後で水面の高さが異なる時に水位の調整を行って船舶を航行させることができるという閘門(こうもん)機能付きの水門で、航行が許可された船が通る時間以外は閉められた状態になっています。
SF映画に登場しそうなメタリックなルックスも魅力的です!

大阪にしかないレトロなアーチ型水門、見るなら今のうち!

写真:小々石 曲允子

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大正区の尻無川にかかる「尻無川水門」は、アーチ型という形自体が国内ではこちらの水門を含め3基しかない稀少なもので、これらは全て大阪に存在しています。

3基のアーチ型水門はいずれも1970(昭和45)年から稼働している古い水門ですが、2018(平成30)年には関西を襲った超大型台風による高潮の遡上を食い止め、大阪市街を水没の危機から守りました。
しかし、さらなる大津波にも対応した水門の建設計画が現在進んでおり、アーチ型水門は近い将来に姿を消すことになっています。

大阪にしかないレトロなアーチ型水門、見るなら今のうち!

写真:小々石 曲允子

途中で現れる「木津川水門」も尻無川水門と同じくアーチ型水門で、これらのダイナミックなフォルムには技術力の高さのみならず、その時代の志向性とどこかレトロな趣が感じられます。是非、貴重な土木遺産を今のうちに見ておきましょう。

(上の写真は、木津川水門とは別の水門です)

橋梁、高速JCTの土木美とレトロフューチャーに萌える!

橋梁、高速JCTの土木美とレトロフューチャーに萌える!

写真:小々石 曲允子

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普段車やバスなどで通行する道路や橋を、陸上では見ることができないアングルから鑑賞することができるという楽しみがクルーズツアーにはあります。

1973 (昭和48)年竣工の「千本松大橋」は螺旋部分が特徴的な巨大なループ橋で、橋の両端にある螺旋が空からは眼鏡のように見えることから、通称「めがね橋」とも呼ばれています。

夜の闇の中、照明によって浮かび上がる近未来風のフォルムはいわゆる「レトロフューチャー」の世界そのもの。これもまさに、建設された時代の空気感を伝え続けている土木遺産と言えますね。

橋梁、高速JCTの土木美とレトロフューチャーに萌える!

写真:小々石 曲允子

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2003(平成15)年開通の「千歳橋」は大正内港に架かる橋で、土木学会田中賞を受賞した構造的にもデザイン的にも優れた橋。

千本松大橋も海面からの高さが相当ある橋ですが、この千歳橋も同様で、橋の上からベイエリアの夜景が一望できます。

橋梁、高速JCTの土木美とレトロフューチャーに萌える!

写真:小々石 曲允子

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さらに、船上からは「天保山ジャンクション」も見えます。

天保山JCTは、阪神高速4号湾岸線・5号湾岸線・16号大阪港線をつなぐ出入口併設型のJCTで、こちらも特徴的なループ型の形状をしています。
天保山JCTと道路の真下を舟が通過する時間もあり、頭上に広がる大迫力の土木景観を堪能することができますよ!

夜ドボククルーズで見ることができる数々の橋梁や道路は、陸上から鑑賞する愛好家も以前から多い人気の建築遺産ばかりですので、ご興味がある方は水陸両方から楽しむのもアリかと思います。ちなみに、千本松大橋と千歳橋は徒歩でも渡れる橋です。

ブレードランナーの世界?!工場夜景の魅力再発見

ブレードランナーの世界?!工場夜景の魅力再発見

写真:小々石 曲允子

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河川の沿岸に建つ工場群の佇まいも、夜ドボククルーズにおいては大変印象的です。
中でも特に印象的なのが「中山製鋼所」と「サノヤス造船所」。

中山製鋼所船町工場は1919(大正8)年創業の国内屈指の製鋼工場で、かつては大規模な高炉、また転炉工場を有していました。
1989(平成元)年公開の映画「ブラック・レイン」のロケ地としても知られ、煙を上げる工場の様子がオープニングの空撮映像で登場するほか、劇中でも工場内部が登場しています。

「ブラック・レイン」のリドリー・スコット監督はSFの名作「ブレードランナー」の監督でもありますが、闇夜にうっすらと浮かび上がる工場群は、映画で描かれるサイバーパンクな近未来世界の雰囲気を彷彿とさせます。
昔稼働していたタンクの跡と思われる筒状の骨組みも、独特の雰囲気を醸し出しています。

ブレードランナーの世界?!工場夜景の魅力再発見

写真:小々石 曲允子

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サノヤス造船所は木津川河口付近に集中する造船所群のひとつで、船の修繕や改造、エンジン整備工事などがここで行われています。
有名な大型船がドック入りしている光景も日によっては見られるかも?!

また、こうした造船所の船以外にも、ひっそりと川岸で停泊して翌日の出番を待つ遊覧船の姿などもクルーズ中に見かけることがありますので、実は船舶好きの方にも非常にオススメのコースと言えます。

ブレードランナーの世界?!工場夜景の魅力再発見

写真:小々石 曲允子

名前を挙げた工場以外にも、幻想的な雰囲気を醸し出す魅力的な工場が沿岸にたくさんありますので、船上から是非発見してご堪能下さいね!

幻想的な夜景は、まだ他にも

幻想的な夜景は、まだ他にも

写真:小々石 曲允子

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夜ドボククルーズでは、これまでにご紹介した水門、橋梁や道路、工場以外にも目を奪われるクールで幻想的な夜景がコース途中に次々と出現します。

近未来的な曲線フォルムの京セラドームと隣接する球体のガスタンクの光景、様々な色に変化する天保山ハーバービレッジの大観覧車など、撮影せずにはいられないポイントが盛りだくさん!
カメラやスマホは常にスタンバイ状態にしておきましょう。

幻想的な夜景は、まだ他にも

写真:小々石 曲允子

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さて、「御舟 かもめ」さん主催の夜ドボククルーズをご紹介してまいりましたが、いかがでしたか?

鑑賞ポイントが本当に盛りだくさんで、2時間のツアーが半分程度の時間に感じられるほど充実感のあるディープなクルーズツアーとなっています。

前書きにも書きましたが、船上から見える巨大建造物はその多くが何十年も前に造られたものなのに、SF映画に出てきそうなどこかクールで近未来的な趣が感じられるところが魅力でもあります。

近未来とノスタルジー、幻想と現実とが不思議に交錯するウォーターフロントで、ありきたりなコテコテ路線とはひと味違う大阪を存分に満喫しましょう!
海から吹く風の心地良さも格別ですよ!

御舟 かもめ 夜ドボククルーズの基本情報

運航日時:4月〜11月の水・土・祝日 19:20発(集合 19:10)約2時間
(こちらは2019年9月までの予定であり、また水・土・祝日でも運行しない場合があります。詳細な運行スケジュールは「御舟 かもめ」のホームページでご確認下さい)
発着場所:なんば・湊町船着場
発着場所までのアクセス:大阪メトロなんば駅・近鉄難波駅26-C出口より徒歩3分
料金:大人4,400円 子供(6〜12歳)2,200円(税込/お茶付き・飲食物持ち込み可)

※ただし、水門の工事や潮位の都合により開催日によってコース、発着場所が異なる場合がありますのでご注意下さい。
また、天候によっては運行自体が中止となる場合もあります。

2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/07/27 訪問

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