“千畳敷カール”は花々の宝石箱!中央アルプス「木曽駒ヶ岳」

“千畳敷カール”は花々の宝石箱!中央アルプス「木曽駒ヶ岳」

更新日:2019/08/03 12:01

土庄 雄平のプロフィール写真 土庄 雄平 山岳自転車旅ライター・フォトグラファー
酷暑に見舞われる夏には、冷涼な山の上へ避暑するのがおすすめ!特に、中央アルプス「木曽駒ヶ岳」は標高3000m近くでありながらロープウェイで楽々にアクセスでき、真夏でも気温15℃程と快適です。それに加え、この時期には様々な花々が”千畳敷カール”を彩り、まるでそこは高山植物の宝石箱!カールの尖った岩肌も相まって、高山独自の荒々しくも美しい荘厳な雰囲気を醸し出し、言葉にならない絶景で迎えてくれます。

日本一アクセスしやすいアルプス!?木曽駒ヶ岳まで楽にワープしよう

日本一アクセスしやすいアルプス!?木曽駒ヶ岳まで楽にワープしよう

写真:土庄 雄平

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日本アルプスに含まれる山は、その大半が標高2000m後半から3000m前半。よってアクセスが大変という先入観を持ってしまうかもしれませんが、一概にそういう訳ではありません。

実は、ロープウェイやバスで標高を稼げる山が幾つかあり、今回紹介する「木曽駒ヶ岳」はその中でも一番楽だという呼び声も高いのです。なんと標高900mから1600mはバス、1600mから2600mはロープウェイで移動することが可能!体力が心配な方でも、アルプスの世界へ簡単に足を踏み入れられるのは最大の利点でしょう。

但し、バスの発着場となる菅の平バスターミナルではバス待ちの行列ができるので、駐車場ヘはできるだけ早く到着するのがベスト!

日本一アクセスしやすいアルプス!?木曽駒ヶ岳まで楽にワープしよう

写真:土庄 雄平

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バス30分、ロープウェイ7分半で千畳敷駅(標高2600m)へと到着!実に、40分程で標高差1700mを移動できます。まさに”ワープ“と言っても差し支えない早さですね。また、この「駒ヶ岳ロープウェイ」、実は日本で最初に運航開始したロープウェイであり、千畳敷駅は日本で最も高い標高の駅を誇っています。束の間の移動時間で、快適な空中散歩を満喫しましょう!

「千畳敷カール」は別世界!天国の涼しさと迫力ある地形美

「千畳敷カール」は別世界!天国の涼しさと迫力ある地形美

写真:土庄 雄平

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千畳敷駅へと到着したら、その気温変化にまず気づくでしょう。先ほどまでムシムシしていた気温が、サラッと涼やかに変わり、山上の快適さが身を以て分かるはず!というのも山の気温は100m毎に0.6℃下がると言われており、出発場所である菅の平より10℃以上変わるからです。まさに暑い夏には、天国と言うべき心地良さ。

「千畳敷カール」は別世界!天国の涼しさと迫力ある地形美

写真:土庄 雄平

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そしてもう一つ驚くべきは、その「千畳敷カール」の景観でしょう!なんとロープウェイを降りると、そこには桁外れのスケールの大自然が広がります。シャープかつダイナミックな氷河地形と、その間に広がる緑が、一連の岩壁となって立ちはだかる姿には、思わず圧倒されること間違いなし!青空とのコントラストも美しく、そこには雪渓が残り花々も咲いています。まさに日常を逸した楽園と言うべき情景ですね。

花々やニホンザルも!「千畳敷カール」を上って雄大な自然を体感

花々やニホンザルも!「千畳敷カール」を上って雄大な自然を体感

写真:土庄 雄平

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眺めるだけでも素晴らしい「千畳敷カール」ですが、ここまで来たからには上って欲しいところ。というのも、中央アルプス「木曽駒ヶ岳」の世界観を味わえる要素が詰まっているから!

まず、最初に現れるのは“お花畑”!7月〜8月になると高山植物が一気に開花し、カールを彩ります。特にカール壁へと続くつづら折りの後半には、シナノキンバイが大群落を形成し、それが可愛らしく咲くハクサンイチゲと相まって、白と黄色の美しいコントラストを見せてくれます。まるでメルヘンの世界に迷い込んだような、何とも癒される情景です。

花々やニホンザルも!「千畳敷カール」を上って雄大な自然を体感

写真:土庄 雄平

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また、千畳敷カールには天然記念物のニホンザルが多数生息していて必見!特に夏には、春に生まれたばかりの愛らしい子ザルの姿もありますよ。子ザル同士でじゃれ合う様子、親に甘える様子、大自然で思いっきり遊び回る様子など、すくすく育っている子ザルの姿はいつまで眺めていても飽きません。

花々やニホンザルも!「千畳敷カール」を上って雄大な自然を体感

写真:土庄 雄平

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そしてカール壁の上部へ来たら、ぜひ来た道を振り返ってみて下さい!するとそこには、カールの鋭い岩肌に挟まれて、緑の高原を俯瞰する圧倒的なパノラマが広がります。この高度感と開放感!そして美しくも荒々しさを感じる山独特の威容。木曽駒ヶ岳へ登山に来なければ、決して見ることはできない唯一無二の絶景です!

もう一足先へ!「千畳敷カール」からの木曽駒ルートバリエーション

もう一足先へ!「千畳敷カール」からの木曽駒ルートバリエーション

写真:土庄 雄平

千畳敷カールを上り終えて、まだ体力のある方は、+αでさらに散策してみましょう!木曽駒ヶ岳山頂へ向かうも良し、ぐるっとお花畑を回るも良し、宝剣岳や伊那前岳、三ノ沢岳など別のピークを目指すのも良いでしょう。自分の体力や時間に合わせて、柔軟に組み合わせられるのが嬉しいところ。

もう一足先へ!「千畳敷カール」からの木曽駒ルートバリエーション

写真:土庄 雄平

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その中で特におすすめは、宝剣山荘の三叉路を左に分岐して登る「宝剣岳」です。その名の通り、ゴツゴツした岩山が特徴で、後半は鎖場が連続する中級者ルートですが、足運びや体重移動を慎重に行えば登頂することが可能!360度展望が広がる山頂からは、中央アルプスの全域を望むことができるほか、上から見下ろす「千畳敷カール」も一段と格好良いですよ!

もう一足先へ!「千畳敷カール」からの木曽駒ルートバリエーション

写真:土庄 雄平

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一方、技術に自信のない方は、山頂の「木曽駒ヶ岳」を目指すのが良いでしょう。緩やかなアップダウンで、岩場も厳しくなく、千畳敷カールを上り切れた人ならば、誰でも登頂可能です。木曽駒ヶ岳の手前にある「中岳」が半分の目印で、それを越えたのち山頂直下で道が二つに分かれます。一般的には幅の広い方の道を行きますが、ここで幅の狭い方を選んでください!なぜなら、木曽駒ヶ岳から木曽前岳の雄大な山脈が現れるから。まさしくアルプスらしい雄大な縦走路へ心躍ること間違いなし!

誰でも手軽にアルプスの山岳世界が楽しめる!名峰「木曽駒ヶ岳」

誰でも手軽にアルプスの山岳世界が楽しめる!名峰「木曽駒ヶ岳」

写真:土庄 雄平

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暑い夏にあって、天国のような涼しさと、圧倒的なスケールの山岳世界と美しい自然が待つ中央アルプス「木曽駒ヶ岳」。特に、高山植物に彩られる「千畳敷カール」は、一度見たら忘れられない絶景であり、多くの人の心を魅了して止みません。

その一方、そんな素晴らしい日本が誇るべき名山でありながら、日本一アクセスが楽という側面も持つこの山。必ずしも登山する必要はなく、誰でも高山の世界を堪能することができます。またロープウェイを降りて少し足を延ばすだけで、様々な山の風景に出会える点も魅力です。ぜひこの夏、木曽駒ヶ岳へ冒険しに行きませんか?

木曽駒ヶ岳の基本情報

住所:長野県木曽郡上松町大字荻原
電話番号:0265-83-3107(駒ヶ岳ロープウェイ)
アクセス:菅の平バス停〜しらび平駅までバスで30分、しらび平駅〜千畳敷駅までロープウェイで7分半、徒歩5分で「千畳敷カール」、徒歩1時間で「宝剣岳」、徒歩1時間30分で「木曽駒ヶ岳」

2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/07/26 訪問

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