日本唯一!岐阜「高山陣屋」で江戸時代のお役所施設を見学しよう

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日本唯一!岐阜「高山陣屋」で江戸時代のお役所施設を見学しよう

日本唯一!岐阜「高山陣屋」で江戸時代のお役所施設を見学しよう

更新日:2019/08/25 19:00

いなもと かおりのプロフィール写真 いなもと かおり 城マニア・観光ライター

岐阜県高山市は、江戸時代の古い町並が残る歴史の町。昔ながらの町家の風景は、まるで歴史を旅するかのような気分を味わわせてくれます。江戸時代、大名ではなく幕府が直接支配するようになった高山では、町人地が拡大。町人文化が花開き「飛騨の小京都」と称される独特な景観を形成しました。そんな町の中心には、日本で唯一主要建物が現存する江戸時代の役所「高山陣屋」があります。江戸時代のお役所仕事を見学してみましょう!

高山の歴史がつくった日本唯一の宝

高山の歴史がつくった日本唯一の宝

写真:いなもと かおり

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江戸時代のはじめ、高山のある飛騨一国(現在の高山市、飛騨市、下呂市、白川村のあたり)は金森長近という人物が治めていました。金森氏は高山城を拠点に藩政を行っていたものの、東北に移封になってしまいます。1692年には飛騨が幕府の管轄領となり、金森氏に代わって飛騨を管理したのは、幕府から派遣された代官・郡代たち。明治時代を迎えるまで25代の代官・郡代が務めました。高山城は廃城となり、代わりに統治の拠点となったお役所が「高山陣屋」です。

そもそも陣屋とは何でしょうか?

江戸時代の陣屋には2種類あります。一つは、石高が足りなく城を持つことのできなかった無城大名が政務を行うために設けたもの。もう一つは、高山陣屋のような幕府直轄領を管轄する役人が派遣されたお役所です。

高山の歴史がつくった日本唯一の宝

写真:いなもと かおり

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高山陣屋で特筆すべき点は、ズバリ江戸時代の陣屋の主要建物が残っているところ! 表門、玄関、御役所、大広間、畳廊下、御蔵など、当時の貴重な陣屋遺構を見学することができるのは、高山陣屋だけなのです。

この陣屋が、江戸幕府による飛騨統治の拠点であった176年間に、2回の大規模改修が行われ、現在に見る姿は、1816年に18代目の郡代が改修した時のもの。明治以降は、高山県庁舎などに使用されたため取り壊されることなく残り、1970年より整備開始。1996年には江戸時代の姿がほぼ再現され、見学できる施設となりました。

お役所仕事見学。裁くのもお仕事なの?

お役所仕事見学。裁くのもお仕事なの?

写真:いなもと かおり

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高山陣屋の中に入ると、玄関の右手に現れる部屋が「御役所」。代官・郡代や「手代(てだい)」または「手付(てつき)」と呼ばれる下級役人…つまりは、幕府が派遣した役人が働いた部屋です。その隣には、高山の地で採用された役人「地役人」が務めた「御用場」もあります。

現在、私たちは玄関から簡単に入れますが、江戸時代は詰所で身元確認をするなど、手続きが必要でした。

お役所仕事見学。裁くのもお仕事なの?

写真:いなもと かおり

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御役所・御用場の前には「北の御白州(おしらす)」があります。土地の境界争いや金銭の貸し借りなど、人々の揉め事を取扱った法廷がありました。言うなれば、今でいう民事裁判所です!

ちなみに、御白州とは一般に白い砂が敷かれていたことが名前の由来となっています。

お役所仕事見学。裁くのもお仕事なの?

写真:いなもと かおり

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北の御白州から玄関を挟んで反対側には「南の御白州」があります。こちらは軽犯罪の刑事事件を扱う場所で、足元にはゴツゴツとしたぐり石が敷かれ、ムシロの上に乗って取り調べが行われました。

時には、拷問器具も使用していたようです。三角形の角材上に正座をして、足に重石を乗せられるだなんて……ひゃー想像するだけでも痛い!

高山陣屋で見られるホッとポイント

高山陣屋で見られるホッとポイント

写真:いなもと かおり

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御役所や御用場の奥にあるのが「広間」です。ここは、年始をはじめとする年中行事等で使われました。

広間の横には「濡縁」と呼ばれる縁側があり、その奥に広がるお庭を見渡すことができます。仕事の合間に目に入る庭園の美しさは、どれほどの癒しを与えたことでしょうね。

高山陣屋で見られるホッとポイント

写真:いなもと かおり

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広々とした広間も高山陣屋を代表する見どころとなっていますが、細部にも注目してみてください。かわいいウサギがチラッ! これは「釘隠し」といって、文字通り、釘の頭を隠した装飾品です。高山陣屋には、ウサギの形をした釘隠しがなんと約150点もあります。なぜウサギをモチーフにしたのかはわかっていませんが、ウサギは子供をたくさん産む縁起のよい生き物で、また、火事から守ってくれる魔除けの力があるともいわれています。

代官・郡代のプライベート空間、役宅エリア

代官・郡代のプライベート空間、役宅エリア

写真:いなもと かおり

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この当時、幕府から派遣された代官・郡代の役人は、職場である役所の奥に家族と暮らす生活空間が設けられるスタイルが普通でした。職場と自宅が同じ場所にあるなんて、現代ではなんだか受け入れにくく感じてしまいますね。

役宅には代官・郡代が日中に執務をした居間や、客人を接待した座敷、四畳ばかりのスペースの茶室、そして奥方や女中が暮らす部屋などがあります。

代官・郡代のプライベート空間、役宅エリア

提供元:高山陣屋管理事務所

https://www.pref.gifu.lg.jp/kyoiku/bunka/bunkazai/…地図を見る

なかでも居間のある建物は3階建てとなっており、当時の建物としては珍しい造りです! 三階の窓は四方に切られて開放的な構造になっており、物見としても使われていました。

代官・郡代のプライベート空間、役宅エリア

写真:いなもと かおり

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役宅エリアの最も奥にあるのが台所や土間です。代官・郡代やその家族の食事は女中たちが作っていました。

役人は、陣屋設置時には限られた期間中に江戸より出張する形で高山を訪れていたようですが、18世紀中頃より常在するようになり、一家で移り住むようになりました。

高山城から移築した御蔵と伝統工法

高山城から移築した御蔵と伝統工法

写真:いなもと かおり

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高山陣屋にある御蔵は、高山城の三ノ丸にあった米蔵を移築した、陣屋内でも最も古い建物と伝わります。蔵の中には古文書や絵図、そして代官・郡代が仕事で取扱った書状など、江戸時代〜明治時代に至る高山の歴史がわかる史料が展示されています。

高山城から移築した御蔵と伝統工法

写真:いなもと かおり

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なかでも注目したいのは、屋根の展示です。高山陣屋のすべての屋根は「くれ板」で葺かれています。玄関の庇(ひさし)は杮葺き、蔵は石置き長くれ葺き、その他は半くれ熨斗葺きといった、日本古来の屋根工法で葺かれています。薄い板を幾度も重ねることで中に水が侵入しにくくなるのです。

また、水に強いサワラやネズコといった材木を使用していることからも、豪雪地帯の高山では、木が水で腐さらないように職人が策をこらしていたことがわかります。

高山城から移築した御蔵と伝統工法

写真:いなもと かおり

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高山陣屋は、江戸時代の代官・郡代が働いたお役所の主要建物が現存する日本唯一のスポット! 高山の古い町並と一緒に巡り、タイムスリップ気分を楽しんでください。歴史旅を楽しむならば、岐阜県高山市がおすすめです。

高山陣屋の基本情報

住所:岐阜県高山市八軒町1-5
電話番号:0577-32-0643(高山陣屋管理事務所)
開館時間:
・3/1〜10/31…8:45〜17:00(8月中のみ18:00まで)
・11/1〜2/28…8:45〜16:30
休館日:12/29、31、1/1
入館料:大人430円、高校生以下無料
アクセス:JR高山本線・高山駅より徒歩10分

2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

取材協力:岐阜県

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/06/14 訪問

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