富山“日本のベニス”新湊内川でレトロな港町散歩を楽しもう!

富山“日本のベニス”新湊内川でレトロな港町散歩を楽しもう!

更新日:2019/08/07 16:23

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
富山県射水市の新湊地区にある内川は、かつての放生津潟(現在の富山新港)から奈呉の浦まで東西約1850mを結び、海から海へと続く珍しい川です。内川は、中世において栄えた放生津湊を結ぶ舟運河として人々の生活に深く溶け込んでいて、水辺の景観と生活空間が密接につながる風景はまさに「日本のベニス」。また内川では、運河に架かる個性豊かな橋をめぐるのも楽しみのひとつ。新湊内川で港町の散歩を楽しんでみませんか?

内川散歩の拠点「川の駅 新湊」

内川散歩の拠点「川の駅 新湊」

写真:モノホシ ダン

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内川散歩の拠点としておすすめなのが「川の駅 新湊」です。射水市の観光パンフレットや特産品を販売するショップやカフェがあり、レンタサイクル(300円)の貸し出しもあります。

内川散歩の拠点「川の駅 新湊」

写真:モノホシ ダン

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さらに毎年10月1日に開催される曳山まつりの「曳山」の常設展示も。新湊曳山まつりは、放生津八幡宮の祭礼で、13基の曳山が昼は「花山」、夜は「提灯山」にしつらえて町中を練りまわる絢爛豪華な祭りで、富山県無形民俗文化財になっています。

内川散歩の拠点「川の駅 新湊」

写真:モノホシ ダン

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2階のカフェでは、リーズナブルな値段で、本日の日替わりランチ(500円税別)がいただけます。ほかに“富山湾の宝石”といわれる「白えび」を使った白えびかき揚げ丼(700円税別)や白えびカレー(600円税別)などもおすすめ。

なお、ランチタイムの時間帯でも食材が売り切れの場合は提供終了となりますので、予約して訪れるのがベストでしょう。

<川の駅 新湊の基本情報>
住所:富山県射水市立町1番26号
電話番号:0766-30-2552
開館時間:9:00〜21:00 ※季節により変動あり
ランチタイム時間:11:30〜14:00
休館日:毎月第4水曜日(祝日の場合は翌日)
アクセス:万葉線「新町口駅」より徒歩約8分
車利用の場合、北陸自動車小杉ICより約20分 海王丸パークより約5分

川沿いの遊歩道を歩いてみよう

川沿いの遊歩道を歩いてみよう

写真:モノホシ ダン

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内川には個性あふれる12の橋が架かっています。その中でも昔からの運河の風情をもっとも感じることができるのが「中の橋」。山王橋、新西橋とともに約300年の歴史を持つ古い橋のひとつで、橋上からは川沿いに停泊するたくさんの漁船や、川をなぞるように建ち並ぶ家々を眺めることができます。

橋の高欄には、新湊出身の画層牧宥恵氏の描いた三昧画、橋の由来を描いた墨絵など8枚がパネルに装飾されています。

川沿いの遊歩道を歩いてみよう

写真:モノホシ ダン

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さらに中の橋のたもとからの眺めは、どことなく小樽運河の風景のような雰囲気を醸し出しています。

川沿いの遊歩道を歩いてみよう

写真:モノホシ ダン

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二の丸橋の近くにある万葉線の内川橋梁(約86m)では、橋を渡る可愛らしい万葉線アイトラムの姿が。ここからは季節によって、純白の立山連峰をバックに走る電車や、内川緑地公園から桜を入れた電車の写真を撮ることもできます。

個性溢れる橋めぐりを楽しもう

個性溢れる橋めぐりを楽しもう

写真:モノホシ ダン

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内川に架かる橋の代表格で、ランドマーク的な存在なのが「神楽橋」。射水市出身の工芸作家、大伴二三弥氏の製作による72枚のステンドグラスがはめ込まれています。

ステンドグラスが奏でる光と色のハーモニーと街路灯の光が映す水辺の色彩はファンタスティック。

個性溢れる橋めぐりを楽しもう

写真:モノホシ ダン

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「東橋(あずまはし)」は、スペインの建築家、セザール・ボルテラ氏によって設計された切妻屋根の歩行者専用の橋。橋の両端にはベンチが設置され、シティーリバー休憩所としてもくつろげる。

個性溢れる橋めぐりを楽しもう

写真:モノホシ ダン

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「新西橋」は、金属造形作家、蓮田修吾郎(はすだしゅうごろう)氏のデザインによる金属とコンクリートがマッチした現代感覚あふれた橋。

歴史ロマンを感じさせるスポットも

歴史ロマンを感じさせるスポットも

写真:モノホシ ダン

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放生津橋の親柱には、室町幕府第10代将軍「足利義材(あしかがよしき)」のブロンズ製騎馬像が。足利義材は、1490年(延徳2年)7月将軍となりましたが、明応の政変(1493年)で細川政元の反乱により京都の龍安寺に幽閉。同年6月に脱出に成功、越中放生津(射水市)の神保長誠(じんぼうながのぶ)を頼り下向。

以来、約5年間にわたり越中公方、足利義材政権として各地に将軍の命令書を発し、放生津は政治・文化の中心地として栄えました。義材はその後、1508年(永正5年)6月に念願の上洛を果たし、1521年(大永元年)3月将軍職を退き、1523年(大永3年)4月阿波の撫養で亡くなりました。享年58歳でした。

歴史ロマンを感じさせるスポットも

写真:モノホシ ダン

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新西橋の近くにある「専念寺(せんねんじ)」の庭には大きな「傘松」(富山県指定天然記念物)が。クロマツとアカマツの突然変異によって傘状になった全国的にも珍しいものです。

<専念寺の基本情報>
住所:富山県射水市本町3丁目6-9
電話番号: 0766-84-8066
アクセス:万葉線「新町口駅」より徒歩約5分

歴史ロマンを感じさせるスポットも

写真:モノホシ ダン

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敦賀気比神宮の末社の「気比住吉神社」には、木造狛犬(射水市指定文化財)があります。拝殿正面の狛犬一対は、松林の寄木造りで1846年(弘化3年)に地元の奈呉町の釣方漁師連中によって奉納されたものです。

材料の松は、1845年(弘化2年)の大火で焼けた放生津八幡宮の境内の松を利用したと伝えられています。放生津八幡宮の狛犬と同じく天才的彫刻家・矢野啓通(やのたかみち)の手によるもので、素朴ですが力強さが感じられる狛犬です。

<気比住吉神社の基本情報>
住所:富山県射水市放生津20-20
アクセス:万葉線「新町口駅」より徒歩約5分

映画『人生の約束』のロケ地にもなった「番屋カフェ」

映画『人生の約束』のロケ地にもなった「番屋カフェ」

写真:モノホシ ダン

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ゆったりと流れる穏やかな内川を眺めながら、のんびりとしたひとときを過ごすことができるのが「番屋カフェ」。藏をリノベーションしたカフェ・ギャラリーです。美味しい飲み物とスイーツやランチをいただくことができます。

映画『人生の約束』のロケ地にもなった「番屋カフェ」

写真:モノホシ ダン

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番屋カフェは、2016年公開の映画『人生の約束』でロケ地のひとつとなったところで、江口洋介さん演じる「渡辺」ら漁師たちの番屋(休憩場所や作業小屋のこと)として登場します。「内川今昔写真展」もありますのでお見逃しなく。

映画『人生の約束』のロケ地にもなった「番屋カフェ」

写真:モノホシ ダン

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スイーツでは、抹茶白玉あずきセット(700円)が美味しい。日本茶は3種(福むぎ茶・ほうじ茶・わらべうた)より選ぶことができます。ランチメニューでは、白エビカレー、番屋オリジナルプレートなどがおすすめです。

<番屋カフェの基本情報>
住所:富山県射水市放生津町17-5
電話番号:0766-75-7477
営業時間:9:00〜17:00
定休日:水曜日
アクセス:万葉線「新町口駅」より徒歩約6分 車利用の場合は、内川周辺市営駐車場を利用

「日本のベニス 新湊内川」で12の橋をめぐってみよう

いかがでしたか。内川ではご紹介したほかにも、まだまだ個性的な橋があります。「山王橋」は、通称“手の橋”と呼ばれ、射水市出身の竹田光幸氏による大理石の手の彫刻が飾られています。「藤見橋」は、13基の新湊の曳山をモチーフに高欄部は、曳山の車輪をイメージし、親柱には灯籠状の装飾を施しています。

また大火で多くの犠牲者が出たため架けられた「湊橋」河口の防波堤には、約80mのアート壁面「内川アート」があります。

水と暮らす美しい町並み「日本のベニス 新湊内川」を歩いて、どこを切り取っても絵になる風景を満喫してください。

2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/08/03 訪問

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