写真:沢原 馨
地図を見る静岡県焼津市の最北部は、満観峰や高草山といった山々が重畳して海岸近くまで張り出し、静岡市と焼津市とを隔てています。その山々に分け入るように南側から細い谷筋が延び、花沢川に沿って30戸ほどの家々が寄り添うように建ち並んでいます。これが「花沢の里」として知られる、花沢の山村集落。焼津市の“名所”のひとつです。
写真:沢原 馨
地図を見る「花沢の里」の集落には江戸時代から明治期にかけての建物が今も残り、風情豊かな景観を見せてくれます。こうした昔ながらの町並みの景観に心惹かれる人なら、ぜひとも訪れてみるべきところですよ。
写真:沢原 馨
地図を見る「花沢の里」の集落に残る建物は江戸時代からの伝統を保ちつつ、明治期後半以降にはみかんの栽培などで栄えて増改築が行われてきました。山々が間近に迫る狭い谷筋、その道沿いに家々が建ち並ぶ景観は、他には無い、独特の味わいです。その歴史的景観の貴重さが認められ、平成26年(2014年)、静岡県で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
写真:沢原 馨
地図を見るその景観の風情を味わいながら、のんびりと散策を楽しむのが「花沢の里」観光のお勧め。緩やかに曲がりながら集落の奥へと続く道を歩けば、その景観は進むほどに違った表情を見せてくれて飽きることがありません。ときおり立ち止まって振り返ってみたり、ゆったりとした気持ちで「花沢の里」散策のひとときを楽しみましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る谷沿いの道脇に建ち並ぶ家々は、どれも見事な石垣の上に建てられています。石垣は集落全体で統一された石組みの手法があるわけではなく、それぞれに違った石組みです。その石垣を見てゆくのも、「花沢の里」散策の醍醐味。城郭の石垣を思わせる精緻な石積みから、自然石を積み上げた素朴なものまで、さまざまな石積みを見ることができますよ。
写真:沢原 馨
地図を見る集落の奥まったところには天台宗高草山法華寺が建っています。天平年間(729〜749年)創建という古刹ですが、武田信玄が駿河へ侵攻して今川氏と戦った際の、花沢城の攻防戦で寺は焼失、詳しい資料が残っていません。
写真:沢原 馨
地図を見るこの法華寺は、「乳観音」として近郷の母子に信仰されてきました。昔、乳の出が悪く悩んでいた隣村の嫁がこの寺の門前で祈っていると、大木から観音様が現れ、願いを叶えてくださったというのです。それ以来、その話が知られるようになり、法華寺は「乳観音」を祀って篤い信仰を受けてきたのです。結婚や出産を控えた女性はお参りしておくといいかもしれませんね。
写真:沢原 馨
地図を見る夏の暑さも退いた9月の下旬、「花沢の里」を彼岸花が彩ります。花沢川の岸辺や法華寺の門前に咲く彼岸花が初秋の風情を漂わせ、趣ある風景をさらに魅力的に見せてくれます。その季節ならではの味わいを楽しみたいですね。
写真:沢原 馨
地図を見る写真:沢原 馨
地図を見る花沢の谷筋から日本坂峠を越えて、古代東海道が通っています。平安時代以前、この道が静岡市側と焼津市側とを繋いでいました。集落の奥まったところから、日本坂峠方面へと向かうハイキングコースが続いています。平安時代の旅人になったつもりで、日本坂峠へと足を延ばしてみるのも一興。
写真:沢原 馨
地図を見る江戸時代からの面影を残す「花沢の里」、重要伝統的建造物群保存地区に選定されて観光に訪れる人も増えましたが、言うまでもなく、今も集落の人たちが日常の暮らしを営む場です。散策を楽しむ際にはご迷惑にならないよう、充分に注意しましょう。私有地に勝手に立ち入らないのはもちろん、写真を撮るときにも配慮を怠らないようにしましょう。
ゆったりとした気持ちで時間をかけて楽しみたい、「花沢の里」の風情、お勧めです。ぜひ訪ねてみてくださいね。
写真:沢原 馨
地図を見る住所:静岡県焼津市花沢
アクセス:
JR東海道本線焼津駅から焼津市自主運行バス「焼津循環線」で「高草山石脇入口」下車、徒歩約30分
東名高速道路焼津ICから約5km(約10分)、観光用無料駐車場有り
2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/19更新)
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