ピレネー山脈の圧倒的な景観「ガヴァルニー圏谷」を歩こう!

ピレネー山脈の圧倒的な景観「ガヴァルニー圏谷」を歩こう!

更新日:2019/09/03 15:10

菊池 模糊のプロフィール写真 菊池 模糊 旅ライター、旅ブロガー、写真家
フランス側ピレネー山脈の象徴として古くから親しまれてきたのが「ガヴァルニー圏谷」です。3000m級の山々が、花が咲き乱れる美しい谷を半円形に取り囲み、スケールの大きい圧倒的な景観が見られます。まさに氷河がつくった絶景と言えるでしょう。自然好きの人なら感動すること間違いなし。簡単なハイキングコースですので、ぜひ行ってみましょう。

ガヴァルニー圏谷の概要

ガヴァルニー圏谷の概要

写真:菊池 模糊

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ガヴァルニー圏谷へは、聖地ルルドまたは温泉保養地コトレに宿泊してバス利用で日帰りハイキングが可能です。そのバスの途中で窓からローランの裂け目(Breche de Roland)を見ることができます。ここは、健脚向きのスペイン側に至る本格的トレッキングコースとなっており、その出発点がガヴァルニーなのです。

この一帯はユネスコ世界遺産であるとともにフランスのピレネー国立公園に指定されています。

ガヴァルニー圏谷の概要

写真:菊池 模糊

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バスの終点はガヴァルニー村で小さなホテルもあります。すでに雄大な山々が前方にそびえており、ここからハイキングがはじまります。川の両側に道がありますが、どちらを行ってもかまいません。往路と復路で道を変えると違った景色や花を見ることができます。

ハイキングコースは同じ道の往復なので分かりやすいもの。自分の予定する滞在時間の半分強まで進んで、そこから折り返せば良いだけですので、興味や体力に応じて楽しんでください。

ガヴァルニー圏谷の概要

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写真をご覧ください。ここが村から少し奥に行ったところにある橋の上から撮影したガヴァルニー圏谷。巨大なU字形の谷すなわち日本語で圏谷、ドイツ語でカール、フランス語でシルクと呼ばれる地形で、2万年以上前に氷河が作り上げたものです。

ここは昔から人々の驚愕の的で、ヴィクトル・ユーゴーは、『神』という詩で「途方もなく不可能な物体」「自然のコロセウム」と述べ絶賛しました。

ガヴァルニー圏谷は世界遺産の絶景!

ガヴァルニー圏谷は世界遺産の絶景!

写真:菊池 模糊

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フランス・ピレネー山脈の東部は、自然景観と山岳農牧民の生活様式を残す文化的価値が認められ、ユネスコの世界複合遺産に登録されています。そのユネスコのモニュメントのある標石がありますので、忘れず撮影しましょう。

なお、ガヴァルニーは「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の一部として二重に世界遺産に登録されています。

ガヴァルニー圏谷は世界遺産の絶景!

写真:菊池 模糊

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前方には谷を囲むように巨大な山々が連なっています。徐々に近づいてくる岩壁や氷壁は圧巻です。この迫力を生かすために、少し望遠気味の画角で写真を撮りましょう。

ガヴァルニー圏谷は世界遺産の絶景!

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小1時間ほど登ると広い河原を望む場所に到達します。3000m級の山々が半円形に谷を広く囲み、まさに自然の大劇場と言えるでしょう。ここは最高のビューポイントですので、ガヴァルニーに来たら少なくともここまでは進むべき。時間のない方は、この景色を写真に収めてから引き返してください。

滝と山の景観

滝と山の景観

写真:菊池 模糊

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広い河原を通過し、森を突き抜けさらに登ると岩の多い場所に出ます。ここからは、ヨーロッパでもっとも大きな滝、落差422mのガヴァルニーの滝が間近に見えます。ただ、滝の直下は危険で、かつて事故がありましたので、立ち入りは制限されています。

滝と山の景観

写真:菊池 模糊

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ガヴァルニーの谷を取り囲む山の中では、向かって右側奥に帽子のような形でそびえるのがラ・トゥール峰 La Tour(3,009m)です。この裏側に最初の写真にあるローランの裂け目があり、ピレネー山脈をフランス側からスペイン側へ横断する本格的なトレッキングコースとなっています。

滝と山の景観

写真:菊池 模糊

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ガヴァルニーの滝の上部には、非常に険しい景観の山があります。これはレポル峰 L’paul(3,073m)で、ほぼ垂直の岩壁が切り立つよう並んでおり、望遠レンズで撮影する格好の被写体です。

咲き乱れる高山植物

咲き乱れる高山植物

写真:菊池 模糊

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ガヴァルニー圏谷は高山植物の宝庫でもあります。初夏から晩夏まで様々な花が次から次へと咲き続けますので、見飽きません。ぜひ可憐な花たちを工夫して撮影してください。写真はミヤマオダマキ近縁種で日本でも見られる美しい造形の花です。

咲き乱れる高山植物

写真:菊池 模糊

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クリスマスローズの原種も咲いています。花弁が緑色で目立たず、下を向いて開く恥ずかしがり屋の花。そこで、なるべく下から撮影するのがコツです。

咲き乱れる高山植物

写真:菊池 模糊

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蝶もたくさん飛んでいます。ガヴァルニー圏谷は広く明るく、夏期は花が咲き誇りますので、草原に生息するヒョウモンチョウ類も多く見られます。蝶が花に止まったら、撮影のチャンスですのでぜひ撮影しましょう。

撮影のコツ

撮影のコツ

写真:菊池 模糊

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ガヴァルニー圏谷にそびえる巨大な山をバックに花を撮影してみたいもの。写真はセリ科の背の高い花で、絞りを開いて背景の山を少しアウトフォーカスにすると花が浮かび上がり印象的に撮影できます。

撮影のコツ

写真:菊池 模糊

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山と同じように川をバックに花を撮ってみましょう。写真は川のきらめきを背景に、黄色いキンポウゲ科とキク科の花々を撮影したもの。立体感が出ますので、おすすめの撮影法です。

撮影のコツ

写真:菊池 模糊

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最後は、ハイキングルートの情景に人を入れて撮ることです。ガヴァルニー圏谷では、有料で大人は馬、子どもはロバを利用して登山することができます。この馬たちが人を乗せて行く情景をスナップしてみましょう。

なお、馬やロバたちが落とす糞がハイキングルートに散らばっていますので、踏まないように注意して歩きましょう。

ガヴァルニー圏谷の基本情報

住所:Cirque de Gavarnie,Gavarnie Hautes-Pyrenees
アクセス:フランス各地から鉄道でルルドへ
ルルドからガヴァルニー村までバスで1時間45分
フランス各地からレンタカーでも可

2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/06/15 訪問

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