富山・海王丸パークの帆船「海王丸」で海のロマンにふれよう!

富山・海王丸パークの帆船「海王丸」で海のロマンにふれよう!

更新日:2019/08/14 17:53

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
富山県射水市にある「海王丸パーク」は、年間約100万人が訪れる県内屈指の観光スポットです。その中核施設となっている“帆船海王丸”は1930年(昭和5年)に進水した、現存する最古の日本建造練習帆船です。そして2018年(平成30年)には、歴史的価値のある船関連の遺産として“ふね遺産”にも認定されました。59年間の長きわたって商船学校の航海練習船として活躍した帆船海王丸で海のロマンにふれてみませんか?

「帆船海王丸」の進水日は2月14日のセントバレンタインの日

「帆船海王丸」の進水日は2月14日のセントバレンタインの日

写真:モノホシ ダン

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海の貴婦人と呼ばれる「帆船海王丸」は、2月14日のセントバレンタインの日に進水したことから、2013年(平成25年)に海王丸パークが「恋人の聖地」に選定されました。モニュメント前にはフォトスタンドがあるので、カップルの方は、セルフタイマーで写真を撮ってみましょう。

ほかに記念碑としては、ユネスコが支援する「世界で最も美しい湾クラブ」への富山湾加盟記念モニュメントが、少し間をおいて建っています。こちらも記念撮影におすすめです。

「帆船海王丸」の進水日は2月14日のセントバレンタインの日

写真:モノホシ ダン

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さらに帆船海王丸は2018年(平成30年)に、日本船舶海洋工学会より「ふね遺産」の認定を受けました。“ふね遺産”とは聞きなれない言葉ですが、日本船舶海洋工学会の設立120年を記念して、2017年(平成29年)に創設された制度です。

内容は、歴史的価値のある船およびその関連設備を認定して文化的遺産として次世代に伝えるためのもので、海王丸は、ふね遺産第11号として認定されました。

「帆船海王丸」の進水日は2月14日のセントバレンタインの日

写真:モノホシ ダン

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海王丸は、全長約97m、総トン数約2240t、4本マストパーク型の帆船です。船首から「フォアマスト」「メインマスト」「ミズンマスト」「ジガーマスト」と4本のマストが連なっています。

現在の商船では、フォアマストは、おもに夜間の荷役作業の照明用や信号用の灯火などを取り付ける支柱として使われています。

もっとも高いのはメインマストで、海王丸の場合、海面から46mもの高さがあります。現在の商船では、メインマストに相当するのが、レーダーマストで、レーダーアンテナのほかに社旗、信号灯、無線用アンテナ、海事衛星用パラボラアンテナなどが集中して取り付けられています。

海のロマンを感じる船内の探検に出かけよう

海のロマンを感じる船内の探検に出かけよう

写真:モノホシ ダン

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富山新港の「海王丸パーク」で保存されている帆船海王丸は、“初代海王丸”で、1989年(平成元年)に引退し、現在内部の一般公開が行なわれています。帆船海王丸の内部見学では、はじめに「前部航海船橋」に行ってみましょう。港に出入りする時や、狭隘な海域などでエンジンを使用して走るときに操船をするところです。

海のロマンを感じる船内の探検に出かけよう

写真:モノホシ ダン

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前部航海船橋にある「操舵スタンド」は、エンジンを使用して走る際に使う操舵装置です。操舵は舵輪を操舵手が持ち、操船者(船長、航海士)の操舵号令で舵輪を回します。

操舵号令では、舵中央をミジップといい、取舵をポート、面舵をスターボードといいます。例えば、「取舵一杯」はハード・ポート、「面舵一杯」はハード・スターボートになります。操舵号令を受けた操舵手は復唱しながら操舵を行ないます。

ほかにも船橋では、レーダーやテレグラフなどの各種計器の詳しい解説板などもあり、なるほどと思わせます。

海のロマンを感じる船内の探検に出かけよう

写真:モノホシ ダン

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船の舳先から前方に突き出している棒が「バウスプリット」です。フォアマストをワイヤーロープで支え、帆走のバランスをとる働きをするヘッドセイルを張る場所です。

航海の安全を願って、バウスプリットの根元から船首にかけて、フィギュアヘッド(船首像)という装飾彫像が取り付けられることもあります。

帆船海王丸では現在でも「海洋教室」を開催中

帆船海王丸では現在でも「海洋教室」を開催中

写真:モノホシ ダン

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「訓練生宿泊室」は、通路をはさんで2段ベッドが4つ並ぶ、定員8名の部屋です。現在は、海洋教室に参加する子供たちの宿泊室としても利用されています。

ちなみに商船学校の練習帆船として誕生した海王丸は、59年余の間に地球を約50周を航海し、11190名もの訓練生を育てました。

帆船海王丸では現在でも「海洋教室」を開催中

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現役時代の「調理室」では、調理専門の乗組員10人程度で、約200人分の食事を作りました。航海中は夜食もありますので、1日4回作ることになります。

帆船海王丸では現在でも「海洋教室」を開催中

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帆船海王丸では現在でも「海洋教室」を行なっています。船内で宿泊し、船の生活を体験するとともに、団体生活の基本を培えます。海洋教室の詳細につきましては、関連MEMOをご覧ください。

気品あふれる「船長室」と「士官サロン」

気品あふれる「船長室」と「士官サロン」

写真:モノホシ ダン

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「船長室」は、船長私室、船長浴室、船長公室の3つの部屋に分かれていて、船長公室(写真)は、船長が来客者と面会したり、航海士から報告を受けたり、会議をおこなう部屋です。

気品あふれる「船長室」と「士官サロン」

写真:モノホシ ダン

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「士官サロン」は士官(高級船員)たちが食事をするところで、ときには会議室になります。一番奥の真ん中に船長が座ります。

気品あふれる「船長室」と「士官サロン」

写真:モノホシ ダン

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「診察室」は、長い航海に出る時に必ず船医(ドクター)が乗船します。ここで怪我や病気の治療や、時には盲腸の手術も行われました。

鳴らしてみよう 幸せの鐘「海王丸タイムベル」

鳴らしてみよう 幸せの鐘「海王丸タイムベル」

写真:モノホシ ダン

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「愛むすび/愛鍵部屋」は海王丸パークが“恋人の聖地”に選定され、カップルの乗船記念と誓いを形にした愛鍵をこの部屋にかけることができます。

「愛鍵」の販売は、日本海交流センター窓口、帆船海王丸乗船券自動販売機で販売しています。値段は1個1000円(税込)です。また「愛鍵」にメッセージを残したいカップルは、帆船海王丸乗船窓口でペンを借りてください。

鳴らしてみよう 幸せの鐘「海王丸タイムベル」

写真:モノホシ ダン

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最上甲板後部にある大きな「大舵輪」は、帆走中に帆の状態を見ながらここで舵をとります。船の最後尾に舵が置かれているのはそのためです。通常は2名で行いますが、海が時化てくると舵が重たくなるため4名で行います。

乗船・下船などの公式行事はこの前面のスペースがよく活用されます。記念撮影のスポットとしても人気です。

鳴らしてみよう 幸せの鐘「海王丸タイムベル」

写真:モノホシ ダン

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「タイムベル(時鐘)」は、叩く回数で船内に時を知らせました。建造時からのもので、毎日訓練生の手で磨かれ、刻印も消えかかっていますが、真鍮色に光り輝いています。

このタイムベルを鳴らすと「幸せを呼ぶ」と乗船者の間で話題になっています。「幸せのベル結婚式」もできます。大切な人と幸せの鐘を鳴らしてみてはいかがでしょうか。

このように帆船海王丸は、1989年(平成元年)に海王丸(二世)の竣工にともない退役したのちも、現役時代の面影を残し、海事思想の普及に貢献しています。海王丸パークを訪れた際には、ぜひ乗船して大海原のロマンを感じてみてはいかがでしょうか。

帆船海王丸の基本情報

住所:富山県射水市海王町8番地
電話番号:0766-82-5181
公開時間:9:30〜17:00 ※季節によって変動あり
非公開日:水曜日(水曜日が祝日の場合は翌日)、年末年始、船体整備期間中(年2回)
乗船料金:大人(高校生以上)400円 小人(小・中学生)200円
アクセス:高岡駅より万葉線電車で約40分、「海王丸駅」下車徒歩約10分 車利用の場合は、北陸自動車道 小杉ICより約20分

2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/08/03 訪問

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