イタリア中部「ヴォルテッラ」歴史的見所がたっぷりの城塞都市

イタリア中部「ヴォルテッラ」歴史的見所がたっぷりの城塞都市

更新日:2019/08/19 15:12

中山 久美子のプロフィール写真 中山 久美子 日伊通訳&コーディネイター、ライター
イタリア中部・トスカーナ州の三大観光地、フィレンツェ・ピサ・シエナの、ちょうど真ん中に位置するヴォルテッラ。有名観光地以外のトスカーナの小さな村として人気ですが、実際はシエナと同等、規模の大きな旧市街があります。歴史的モニュメントや人の賑わいなどの観光地の魅力と、何気ない路地や住民の日常という小さな村の魅力と、同時に2つの魅力が味わえるので、1日ゆっくり散策してみましょう。

旧市街の南側:エトルリア門からプレオーリ広場とサン・ジョヴァンニ広場へ

旧市街の南側:エトルリア門からプレオーリ広場とサン・ジョヴァンニ広場へ

写真:中山 久美子

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フィレンツェなどからバスで来る場合、到着するのはマルティーリ・デッラ・リベルタ広場。その広場の下にはヴォルテッラの顔であるエトルリア門があるので、回り道になりますが、ぜひ先に見ておいてください。ヴォルテッラは旧市街が完全に城塞に囲まれており、7つの門が存在しますが、エトルリア門はその1つ。名前のように紀元前3〜4世紀のエトルリア時代に開けられた門で、3つの人面が飾られています。

旧市街の南側:エトルリア門からプレオーリ広場とサン・ジョヴァンニ広場へ

写真:中山 久美子

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エトルリア門から直進すると、左側にヴォルテッラの中心となる2つの広場があります。1つは宗教の中心であるサン・ジョヴァンニ広場で、ドゥオモと洗礼堂が並んでいます。どちらも13世紀の建設ですが、特にドゥオモは内部の度重なる改修によって当時の姿をあまりとどめていません。面白いのは通り抜けができることで、ドゥオモの奥の扉から出ると、今度は政治の中心であったプリオーリ広場に出ます。

<ドゥオモ(サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂)の基本情報>
住所:Piazza S. Giovanni
電話番号:+39-0588-88261
アクセス:マルティーリ・デッラ・リベルタ広場(バスターミナル)より徒歩3分

旧市街の南側:エトルリア門からプレオーリ広場とサン・ジョヴァンニ広場へ

写真:中山 久美子

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歴史的な建物で囲まれたプリオーリ広場ですが、やはり中心となるのがプリオーリ宮。現在は市役所となっていますが、1階ロビーにたくさん掲げられた、中世フィレンツェ代表官の紋章が圧巻です。また、プリオーリ宮の右横の建物はツーリスト・インフォメーションとなっており、ヴォルテッラや周辺の観光資料や、ツアーの案内がたくさん揃っていますよ。

<プリオーリ宮の基本情報>
住所:Piazza dei Priori, 1
電話番号:+39-0588-86050
アクセス:マルティーリ・デッラ・リベルタ広場(バスターミナル)より徒歩2分

旧市街の北側:ローマ劇場跡と中世の塔からのパノラマを楽しむ

旧市街の北側:ローマ劇場跡と中世の塔からのパノラマを楽しむ

写真:中山 久美子

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プレオーリ広場から北へ行くと、東西に長い旧市街の端っこへ着きます。ここにはヴォルテッラのもう1つの見所である、ローマ時代の半円形の劇場跡があるんです。上方にある道沿いから、または入り口付近からも見られますが、古代歴史好きの方はぜひ中も散策してみましょう。単独チケットもありますが、数日滞在される方や施設に複数入場する予定の方は、エトルリア博物館、絵画館など全7カ所の施設共通パス、ヴォルテッラ・カード(72時間有効)がお得です。

<ローマ劇場跡の基本情報>
住所:Via Francesco Ferrucci
電話番号:+39-0588-86347
アクセス:マルティーリ・デッラ・リベルタ広場(バスターミナル)より徒歩7分

旧市街の北側:ローマ劇場跡と中世の塔からのパノラマを楽しむ

写真:中山 久美子

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また、プリオーリ広場からローマ劇場跡の間には、トスカーナ塔というパノラマポイントがあります。このトスカーナ塔をはじめ、数本あるこのタイプの塔はかつての塔を家として再利用されていたもの。あまり高くないので上るのもあっという間ですが、旧市街が間近に見えて、とても迫力があります!

<トスカーナ塔の基本情報>
住所:Piazzetta S. Michele, 2
アクセス:マルティーリ・デッラ・リベルタ広場(バスターミナル)より徒歩3分

旧市街の東側:牢獄となった要塞と考古学公園

旧市街の東側:牢獄となった要塞と考古学公園

写真:中山 久美子

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旧市街の東側には、ディ・ソット通り、ドン・ジョヴァンニ・ミンツォーニ通りを歩いて行きましょう。途中にある9月20日広場は、公園や博物館、レストランなどもあり、観光客と地元住人の両方が繰り出す、憩いの広場となっています。

旧市街の東側:牢獄となった要塞と考古学公園

写真:中山 久美子

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ドン・ジョヴァンニ・ミンツォーニ通りの終わり・南側には、15世紀後半にメディチ家の命により建設された要塞があります。現在は刑務所として使用されているため内部見学はできませんが、すぐ横のア・セルチ門の内外からその外観を見ることができます。

そこから中心に戻るのは、来た道でなく要塞横のカステッロ通りを歩いてみて下さい。要塞の石壁に沿う路地で、左手には大きな考古学公園があります。広い原っぱの中に遺跡も点在していますよ。

<要塞の基本情報>
住所:Rampa di Castello, 4
電話番号:+39-0588-89111
アクセス:マルティーリ・デッラ・リベルタ広場(バスターミナル)より徒歩8分

旧市街の西側:小さな2つの教会と住民の生活を垣間見る

旧市街の西側:小さな2つの教会と住民の生活を垣間見る

写真:中山 久美子

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時間に余裕のある方は、観光客がほとんど行かない西側のエリアにも足を運んでみましょう。有名なモニュメントはないですが、小さなサン・フェリーチェ教会と同じ名前のついた門、そしてそこから見えるチェチナ渓谷の絶景が楽しめます。

旧市街の西側:小さな2つの教会と住民の生活を垣間見る

写真:中山 久美子

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旧市街の西の門、サン・フランチェスコ門の手前には、同じ名前のついた教会が。外観はいたって地味ですが、中の礼拝堂は息をのむ美しさです。

またこの周辺は、一般家屋も多いエリア。建物には洗濯物がはためき、ご近所さん同士が立ち話をする、そんなイタリアの日常も垣間見られますよ。

<サン・フランチェスコ教会の基本情報>
住所:Via S. Lino, 26
アクセス:マルティーリ・デッラ・リベルタ広場(バスターミナル)より徒歩6分

1日ゆったりがベター、時間のない方はサン・ジミニャーノと組み合わせても

日本ではまだ余り馴染みのないヴォルテッラ、いかがでしたか?冒頭に書いたように、小さな村として扱われることが多いですが、実際はかなり広く、何よりもアップダウンにとんだ旧市街。見所も多いので、せっかく来られたのなら1日ゆったり過ごしましょう。残念ながら時間がない方は、世界遺産の塔の町・サン・ジミニャーノと組み合わせても良いですね。

2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/28 訪問

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