写真:浦賀 太一郎
地図を見る下北半島の西岸に位置する仏ヶ浦。1000年以上の歴史を持つ日本三大霊場・恐山と深い関わりを持ち、極楽浄土は西方にあるとする信仰から、人々は恐山のほぼ真西にある仏ヶ浦を浄土、もしくは浄土への入口と考えたのです。古来は仏宇多(ほとけうた)と呼ばれていました。
写真は国道338号(海峡ライン)沿いにある「仏ヶ浦展望台」からの眺めで、仏ヶ浦の北方にあり展望台が設置されていて、よくパンフレットなどにも使われる構図です。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る奇岩群の多くには、信仰に基く名前が付けられており、例えば風雨で削ぎ落されたこの巨岩は、蓬莱山と呼ばれています。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る写真右側に連なっている巨岩は、天龍岩。他にも、五百羅漢、如来の首、蓮華岩など、巨大な奇岩が観る者を包み込むように点在しています。岩の高さは30〜50mもあり、遊歩道に沿って突出した岩は、ゴジラの背びれの様で迫力満点です。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る仏ヶ浦観光は、観光船などの航路が主となっています。車でアクセスの場合、下北駅からは約60km、1時間15分くらい掛かります。脇野沢の野猿公苑や牛ノ首岬から鯛島を眺めたい場合は約80km、移動だけで2時間程度を見込みましょう。
ちなみに、青森市街から下北駅までは約100km。海沿いの国道4号を走り、野辺地から無料の下北半島縦貫道路に乗るルートがおすすめです。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る国道沿いに設置された広い駐車場からは、木道や土で固められた遊歩道(1枚目の写真)を20分ほど歩いて降りる(ということは帰りは登る!)必要があるので、足腰に故障のある方や高齢の方は注意が必要です。
仏ヶ浦までやっと降りると、お地蔵様が祀られている地蔵堂に行き当たります。鬱蒼とした木々から、やっと開けた視界に飛び込んでくるのは、荒涼とした白い岩の浜と紺碧の海!視界が良好なら、津軽半島の龍飛崎もよく見えます。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る奇岩群と共に仏ヶ浦の一大特徴と言えるのが、まさしくエメラルドグリーンの海辺です。その色合いは、青空との相性はむしろ不自然とすら思え、その割に快晴でない限り、この緑の海は輝かないという、わがままぶりなんです。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る透明度も凄まじく、底まで緑に透け切っています。泳ぐ小魚たちも丸見えで、近付こうとすると気まずそうに逃げていってしまいます。水深は5mにもなり、一気に深くなるので慎重に覗いてください。
写真:浦賀 太一郎
地図を見るここが極楽浄土(の入口)と人々が信じたのも、思わず納得してしまう海の色です。近年は観光客も増えて来ていますが、もしこの場に一人でいたら、真っ昼間でも、ちょっと不気味すぎるくらいに緑で透明で静かな浦です。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る仏ヶ浦の成り立ちは、遥か約2000万年前に端を発すると言います。日本列島がユーラシア大陸から分離して日本海の形成が始まった頃、大規模で長期的な火山活動が興りました。日本海沿岸各所に火山灰を堆積させ、ぶ厚い凝灰岩の地層を形成します。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る仏ヶ浦は約1500万年前の海底火山による緑色凝灰岩の堆積により、原型が出来たと考えられています。海底に堆積した緑色凝灰岩は、今度は長い年月をかけ地表に隆起し、雨水や波浪による浸食を受け、これまた長い年月をかけて現在のような奇岩が連なる姿になり、これからも変化を続けていくのです。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る緑色凝灰岩はグリーンタフとも呼ばれていますが、水によって緑が際立つ特徴があります。そうなんです!仏ヶ浦の緑の海辺は、そのグリーンタフによって、緑色の輝きを放っていたのです。仏ヶ浦の成り立ちに欠かせなかった海底火山による緑色凝灰岩の噴出と堆積。
これが「仏ヶ浦グリーン」の正体だったのです。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る仏ヶ浦は、駐車場と浜辺にトイレが設置されています。遊歩道は地蔵堂から桟橋に整備されていますが、ほとんどは砂浜かゴツゴツした岩場や磯を歩くことになります。津軽海峡の厳しい海が間近に迫っていますので、充分注意して観光してください。
写真:浦賀 太一郎
地図を見るほとんど観光地化されていないので、売店、案内看板などはほぼありません。事前に下段のMEMO欄のHPを確認してください。パンフレットも見ることができますよ。船でアクセスを予定している方も、当日の運行状況は確認して出かけましょう。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る仏ヶ浦は、国の名勝・天然記念物に指定されています。また、下北ジオパークのジオサイトでもあります。他にも日本の秘境100選、地質百選にも選ばれています。写真の黒い点々はウニですが、もちろん獲ってはいけません。豊かな自然を大切に観光しましょう!
実は、青森駅徒歩10分の青森港からも定期便が就航しています。今回は秘境感を味わうために車でのアクセスを紹介しましたが、簡単アクセスをしたいなら、船便がおすすめです。
住所:下北郡佐井村長後
アクセス:下北駅から車約1時間30分(バス、船あり)
時間:常時見学可能
2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
浦賀 太一郎
ペリー来航の地・浦賀出身の太一郎です。普通のサラリーマンです。週末や連休に気の向くまま、やや綿密に計画を立て旅をします。一人旅、友達との旅、お嫁さんとの旅、家族との旅、出張という悩ましい旅。人生の様々…
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