北海道苫前町は留萌市から国道232号を北へ進み、車で約1時間の場所にある町。苫前市街地にあり、道の駅に併設されている施設が「とままえ温泉ふわっと(写真)」です。海岸から少し離れた高台にあり、温泉、宿泊施設、売店、レストランがあります。
「とままえ温泉ふわっと」からは天気がよければ苫前漁港や日本海の眺めがきれいに見えます。北側には風力発電の風車(写真)や夏は海水浴場になる「とままえ夕陽ヶ丘ホワイトビーチ」などが見えます。なお名前の「ふわっと」は「風W(ワット)」で、風力発電の電力単位によります。
風車のほかに天気が良い時の景色として、隣町・羽幌町にある夫婦島の天売島と焼尻島が並んで見えます。また夕日がきれいに見える事もあり、特に5月中下旬と7月中下旬は写真のように天売島と焼尻島の間に日が沈む時期。このほか見通しが良い時は北西方向に利尻山が見えることもあります。
「とままえ温泉ふわっと」は塩分を含み、保温効果がある天然温泉で、神経痛や腰痛などに効果があります。内部は内湯、ジャグジー、サウナに、男女日替わりで2種類の露天風呂付。露天風呂には写真の屋外タイプと吹抜タイプがあり、屋外タイプから日本海の景色を楽しむ事が出来ます。
どちらが男風呂か女風呂かは事前に確認して下さい。また屋外の景色が露天風呂から見えなくても、休憩室やリラックスルームからは海が見えます。入浴時はタオルを持参するか、料金を払ってレンタルしましょう。
5月から9月限定で海側の屋外テラスには写真の足湯が登場します。ぬるめの湯と熱めの湯の2種類があり、こちらは無料ですが、足を拭くタオルなどは各自用意が必要。天気が良ければ足湯に入りながら海の景色を眺めるのは最高ですね。
「とままえ温泉ふわっと」では宿泊も可能。洋室のツイン、ラージツイン(写真)、和室、ロフト付きの和室、特別室の5種類。また研修室、会議室、ふわっとホール、客室近くには情報・図書ラウンジもあるので、団体での会合や研修などでの利用にも向いています。
売店710(写真)にはドライブ休憩に最適な飲料などもありますが、苫前町や周辺町村限定の土産や特産品も揃います。温泉饅頭や菓子「風航(かぜわたる)きんつば」、夏から秋には地元で収穫した野菜も販売されます。
中でもおすすめは「かすべのベーコン(写真)」です。かすべとはエイのことで、苫前沖で獲れたエイをくん製にしたもの。苫前町古丹別地区にある居酒屋「山海幸(かいさんこう)」の人気おつまみメニューを商品化しています。冷蔵品ですが苫前町限定販売なので、できれば保冷剤を用意して持ち帰りたい品。コラーゲンもたっぷりですので女性にもおすすめです。
レストラン「風夢」は苫前町の旬の食材が味わえる道の駅唯一のレストラン。苫前町で特に味わいたい海産物といえば甘えびです。甘えびのメニューには、写真のえびが入った汁付きの「甘えび握り寿司」と「甘えび丼」があるので、お腹の状況に応じて選んでみてはいかがでしょうか。このほか苫前産のうに丼やメロンが季節限定メニューで出される事もあります。
<道の駅とままえ温泉ふわっとの基本情報>
住所:北海道苫前郡苫前町字苫前119番地1
電話番号:0164-64-2810
営業時間(スタンプ押印時間):7:00〜22:00
日帰り温泉営業時間:10:30(冬季11:00)〜22:00(受付終了21:30)
売店営業時間:8:00〜18:00
レストラン営業時間:11:30〜15:00、17:00〜21:00
道の駅から少し離れ、国道232号を苫前郵便局との交差点から曲がると、苫前町郷土資料館があります。郷土資料館は昔の苫前町役場だった建物を利用。また資料館の入口には非常に怖い顔をした羆の資料館案内表示(写真左)があり、クマに関係した展示があることを想起させます。
苫前町郷土資料館の展示にある三毛別羆事件とは、1915年12月9日から14日にかけて、現在の苫前町中心部から約30キロ山に入った三渓六線沢で起こった事件。ヒグマが民家を襲い7名が死亡、3名が重傷を負いました。事件によって討伐隊が結成され、問題のヒグマを射殺して事件が解決しています。
問題のヒグマは最初農家にあったトウモロコシを食べただけでしたが、やがて人を襲って食べてしまいます。人の味を覚えたヒグマはまた人や農作物などを食べるようになるので、人間世界に出没したヒグマは森に返しても意味がありません。後に三毛別羆事件を題材に小説家・吉村昭が「羆嵐(くまあらし)」を発表。更に小説を題材に日本テレビ系で三國連太郎主演のTVドラマが作られ、こちらは資料館内部で放映中です。
三毛別羆事件の実際の現場は町によって当時の様子が再現されていますが、山林で今もクマ出没注意の場所。無対策の旅行者は行くべきではありません。訪れる場合は必ず現地の状況を調べて、必要な対策を講じて足を運んでください。
苫前町郷土資料館には三毛別羆事件関連のほかに、後に町内で捕獲した写真の「北海太郎」という体重500kgに及ぶヒグマのはく製、苫前町の農林水産業の歴史を解説したパネルや物品、昔の町長室などが展示されています。また「氷点」などで有名な作家・三浦綾子は父母が苫前町出身で、作品に苫前町が登場するものがあります。関連作品やパネルがありますので、三浦綾子ファンも訪れたい場所です。
苫前町郷土資料館に併設された「苫前町考古資料館」には1986年〜87年に町内の「香川三線遺跡」「香川6遺跡」の発掘調査で出土した資料と共に、旧石器文化期からアイヌ文化期までの実物資料と解説パネルで展示しています。なお写真のトドは1989年に苫前町力昼(りきびる)の海岸に打ち上げられたものです。
郷土資料館の裏側、考古資料館の近くには「古代の里」という古代の家を復元した公園になっています。平面が楕円形の縄文文化の家、平面が正方形の擦文文化の家、平面が長方形のアイヌのチセ(住居)が復元されています。
<苫前町郷土資料館・考古資料館の基本情報>
住所:北海道苫前郡苫前町字苫前393番地
電話番号:0164-64-2954
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日、夏休み中は休みなし)
開館期間:毎年5月1日〜10月31日
北海道苫前町は道の駅の中に天然温泉付の宿泊施設があり、ヒグマの怖さや町の歴史や産業が学べる町の資料館もある町。留萌と稚内を結ぶ国道232号の途中にある、景色がきれいでグルメも味わえる町です。風力発電の風車が町の景色に溶け込む町・苫前町への旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/14更新)
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