写真:Chanos Maya
地図を見る「Big Easy(気楽にいこう)」というニックネームがぴったりのニューオーリンズ。のんびり、オープンな雰囲気は他のアメリカの街にはない独特さがあり、訪れる人誰をもを受け入れる温かいハートに包まれる街です。
アメリカ南部ルイジアナ州に位置するニューオーリンズは1700年代にフランス人によって築かれました。その後アメリカの手に渡ってからも、カリブで起きた黒人革命によりクレオール(フランス系のアフリカ人)が流入し、アメリカにありながらフランス文化、カリビアン、アフリカ文化が混ざり合う多様性のある街になりました。
フランス植民地時代の面影を残す中心部のフレンチクオーター、カリブ発祥のケイジャン料理、アフリカンアメリカンによって生まれたジャズ。文化的にも、街並みもニューオーリンズは「カラフル」「ミックス」という言葉がよく似合います。
写真:Chanos Maya
地図を見るニューオーリンズで一番にぎやかなエリア、フレンチクオーターのはずれにあるマリグニー地区。ミシシッピ川に近いこの地域は、かつてはミシシッピ川の港湾で働く労働者を中心にネイティブアメリカンからヨーロッパからの移民まで様々な人種が集まりました。
カラフルな民家や学校が建つ並木道。そんなかわいらしい街並みの一角に溶け込むようにピーター&ポールがあります。
写真:Chanos Maya
地図を見るマリグニー地区に集まった移民労働者のため、1860年に聖ピーター&ポール教会、1900年にピーター&ポールスクール、修道院、そして修道女たちの宿舎が建てられ、2000年はじめ頃まで120年以上にわたり愛されてきました。
戦後、ニューオーリンズではフランス系住民とアメリカ人が住む地域の開発だけが進む中、移民の多いマリグニー地区はインフラの整備がされることもなく、安い住まいを探す人々の受け皿となってきました。ニューオーリンズの中で、マリグニー地区ほど様々な民族や人種を受け入れ、人々が生活をしたエリアはなく、今も周辺には当時のボヘミアン調の建物やクラシカルなスタイルの家々が残され、多民族が集まったことを感じさせます。
写真:Chanos Maya
地図を見る時代の移り変わりとともに、聖ピーター&ポール教会での日曜礼拝の参加者や、宗教色の強い学校への入学希望者が激減し、学校は1990年に閉校、教会は2001年に閉じ、それ以来教会や学校の建物はイベント会場やヨガスタジオとしてコミュニティに開放されてきました。
低層の建物が多いマリグニー地区のなかで、ひときわ目立つそれらの建物がピーター&ポールホテルになったのは2018年秋。4年の月日をかけて、かつてのこの場所へ集まった人々の面影とその背景を大切に残しながら、温かみのあるブティックホテルへと生まれ変わりました。
写真:Chanos Maya
地図を見るレセプションは元学校だった建物にあります。チェックインを済ませ、ゲストルームへ向かう床のきしむ音を聞くと、昔ここが学校だったことを実感します。71室あるゲストルームのうち多くはこの学校だった建物の中に。学校の教室や体操室をそのままリノベーションしているから、お部屋の大きさやデザインに二つと同じものはありません。
ホテル内のインテリアなどに使われている、ピーター&ポールのトレードマークのミントグリーンのギンガムチェックはオリジナルでデザインされたもの。ギンガムチェックをベースに、ニューオーリンズの女性アーティストたちによってハンドペイントされたクローゼットや、ヨーロッパやトルコなどから買い付けた全部で800点以上あるアンティーク、木製の優しい風合いのインテリアでまとめられています。
写真:Chanos Maya
地図を見るピーター&ポールのゲストルームも優しい色調のインテリアで埋め尽くされています。ギンガムチェック、ロシアやギリシャ正教の古いイコン、ベッドにはパステルカラーの天蓋がついてとてもロマンチック。
バスルームも広々。手作りのタイルが一面に張られ、アラビックなハマムのような雰囲気。一番下のルームタイプ「スクールハウス・クラッシックルーム」はシャワーのみになりますが、カテゴリによっては猫足バスタブが付いたお部屋もあります。ホームページでお部屋の設備の詳細を見ながらお好みで選びましょう。
写真:Chanos Maya
地図を見るピーター&ポールでは教会を始めとするホテルの建物それぞれを見学できる、約30分のツアーが毎日行われています。
ホテルゲストだけが参加できるこのツアーではかつて生徒たちがパフォーマンスなどで使った学校のステージや、普段入ることのできない教会の内部も見学することができます。1800年代にニューオーリンズの著名な数々の建物をデザインしたヘンリーハワードによって建てられた教会は、当時のままステンドグラスや祭壇などが残されています。
この場所が学校であったこと、牧師さんの住まいであったことをほのぼのと感じさせる瞬間がたくさんあるツアー。ホテルとなった経緯やどのようにホテルのインテリアなどが揃えられたかなど、興味深いストーリーも聞くことができるので、泊まるならぜひ参加したいツアーです。
※ツアーは英語で行われます。イベント等によりツアーがない場合や、見学箇所が変わることがあります。
写真:Chanos Maya
地図を見るかつてピーター&ポール教会の牧師さんたちが住んだ赤レンガの建物の一角にはホテル内唯一のレストラン、エルシアンバーがあります。
このエルシアンバーは朝から午後3時まではカフェとして営業しています。ニューオーリンズで焙煎されたコーヒー豆を使ったコーヒーとペストリーとともにニューオーリンズの1日を始めましょう。朝から底抜けに明るいニューオーリンズの喧騒から少し離れて、レンガ造りの教会横の木陰で過ごす朝の時間は極上です。
写真:Chanos Maya
地図を見るニューオーリンズのローカルに愛されるユニークなバックヤードレストラン「バッカナル」(下記関連情報を参照してください)がプロデュースしているエルシアンバー。コーヒータイムが終わった夕方からはジャズを聴きながらおいしいワインをいただけるバーになります。
ガルフシュリンプ(ニューオーリンズ沖でとれるエビ)などニューオーリンズスタイルの地元の料理もいただけるので、バーというよりはレストランといってもいいでしょう。
あちこちからジャズの聞こえてくるニューオーリンズの街のレストランでは珍しく、静かな雰囲気の中でジャズと食事を楽しめる空間。もちろんホテルゲスト以外も利用が可能です。
ピーター&ポールの建物にはホテル名などが書かれた看板や表示はありません。元の建物の美しさをできるだけそのままにホテルへと改装されました。その存在感あるたたずまいはホテルというより、ニューオーリンズの街並みの一つになっています。
建物の中に一歩入れば、外観と同じようにその場所の歴史をそのままに残した美しいブティックホテル。ジャズの聞こえてくるニューオーリンズの街の一角で、街の歴史に思いを馳せながらあったかハートな滞在をしませんか?
2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/9更新)
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