写真:bow
地図を見る日本最南端の有人島で知られる波照間島は、ハテルマブルーの異名を持つ美しい海で知られています。そんな波照間島に「コート盛」と呼ばれる観光スポットがあります。
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地図を見る集落のはずれに位置する、琉球石灰岩を積み上げた石垣のようなもの、これが「コート盛」です。その正体は八重山諸島でよく見られる遠見台のひとつで、古くは「そひら盛」と呼ばれていたもの。かつてここには村の番所があり、そこに併設された遠見台だとされています。
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地図を見るコート盛はその高さが約4メートル。直径は約10メートルほどで、二層で渦巻き状に琉球石灰岩が積み重ねられた形状をしています。創建当時のままその姿を残しているといわれるこのコート盛、実は国の史跡に指定されているのです。
平成になってから「先島諸島火番盛(さきしましょとうひばんむい)」として、先島諸島(宮古諸島と八重山諸島)の14の島にある19か所の遠見番所群が国の史跡に指定されましたのですが、コート盛はその内のひとつだったのです。
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地図を見るコート盛にのぼってみると標高約60メートルの高台に設置されただけあって、島をぐるりと一望できるだけでなく、海の向こうには西表島の姿を見ることができます。
このコート盛は西表島の南風見にある番所の遠見台へと烽火(のろし)を上げて連絡をする役割を担っていました。そして西表島からは小浜島、竹富島を経由して石垣島にある蔵元(琉球王朝の役場)へと烽火をあげて異変を伝えたといわれています。なお烽火の数は船の船籍によって数が決まっていたそうです。
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地図を見る2007年には竹富町教育委員会が国の史跡に指定された記念に、実際に町内の7つの島にある火番盛でのろしを再現する「のろしリレー」を開催。このコート盛はそのリレーの始点のひとつとなったのです。そして実際に多くの島で肉眼で烽火を確認することができたそうです。
<コート盛の基本情報>
住所:沖縄県竹富町波照間
アクセス:波照間港旅客ターミナルから徒歩約15分
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地図を見る波照間島には国の史跡には指定されていない、小型の遠見台もいくつか現存しています。かつては数か所ある集落それぞれに遠見台があったとされ、島北部にある集落跡にも遠見台の痕跡があるとされています。
そして近年になって造られた遠見台もあります。それが島の南部にある「底名溜池展望台」です。形もコート盛をイメージして作られているように見えるため、「新コート盛」という別名も。
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地図を見る大きさはコート盛よりも一回り大きい底名溜池展望台。のぼってみると、島の南側の海が一望できてなかなかの絶景!そして夜の星空観測にも適した場所であることもポイント。ただし案内板などもなく、少し場所がわかりにくいので注意が必要です。
<底名溜池展望台の基本情報>
住所:沖縄県八重山郡竹富町字波照間
アクセス:波照間港旅客ターミナルから徒歩約45分、自転車約15分
波照間島のコート盛に代表される先島諸島の火番盛群ですが、これらは江戸時代に入ってから琉球王府が薩摩藩の要請のもとに設置したもの。ヨーロッパからの異国船が度々来航するなど、緊迫した時代の中で先島諸島が担っていた役割を今に伝えているのです。
そんなコート盛も今ではすっかり観光客向けの展望台と化しています。その上に立ち最南端の島で最果ての地を守り、海を見つめていた人たちがいたことに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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