ボートでしか参拝できない!山形・三淵渓谷通り抜け参拝は絶景の宝庫

ボートでしか参拝できない!山形・三淵渓谷通り抜け参拝は絶景の宝庫

更新日:2019/09/05 14:33

浮き草 ゆきんこのプロフィール写真 浮き草 ゆきんこ トラベルライター、プチプラ旅専門家、LCC弾丸トラベラー
山形県長井市にある長井ダム湖(ながい百秋湖)には、高さ50mの断崖絶壁が200m以上も連なる秘境、三淵渓谷(みふちけいこく)があります。この渓谷へは、ながい百秋湖ボートツーリングを利用していくことができますが、なぜ見学ではなく、通り抜け参拝なのか?千年以上前の悲運の伝説を知れば、その謎が解けます。

三淵渓谷はなぜ通り抜け参拝と言うのか?

三淵渓谷はなぜ通り抜け参拝と言うのか?

写真:浮き草 ゆきんこ

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高さ50mの断崖絶壁が200m以上も連なる三淵渓谷は、気軽に行くことができない秘境中の秘境でした。2011年に巨大な長井ダムが完成したことで、三淵渓谷がダム湖の一部となり、水で満たされ、湖面からボートで行くことができるようになったのです。

三淵渓谷はなぜ通り抜け参拝と言うのか?

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三淵渓谷は、悲恋の物語「卯の花姫伝説」が伝わる聖なる地でもあります。千年以上も前、この地を治めていた安倍貞任を討つため、源頼義とその長男、義家が攻め入りました。しかし、安倍貞任の娘、卯の花姫は義家に恋をしてしまいます。その恋心を利用し、義家は、卯の花姫から貞任の戦略を聞き出し、見事勝利。その後、卯の花姫への連絡は途絶えました。卯の花姫は、だまされたことに気づき、父を殺した自分を責め、この三淵渓谷に身を投じたのです。卯の花姫は、龍神となり、三淵神社の水神様として祀られています。

三淵神社は、三淵渓谷の上にあり、渓谷はいわば、参道。ゆえに、三淵渓谷を通り抜けするときは、三淵神社に参拝することになるのです。

ながい百秋湖ボートツーリングの予約〜受付〜乗船

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写真:浮き草 ゆきんこ

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4月下旬〜11月中旬の週末をメインに運航していますが、運航日は不定期のためHPでご確認ください。予約は電話のみ。1日4便あるうちのどれに乗船するか、決めてから連絡をしてください。空きがあれば当日の参加も可能です。

乗船時間の30分前に、乗船場所から7.5km離れた野川まなび館にて受付。乗船場所までのアクセスをレクチャーしてくれます。野川まなび館には、長井ダムの歴史などが学べるので、少し早めに到着して、ダムの予習をすれば、ボートツアーをより楽しむことができます。

ながい百秋湖ボートツーリングの予約〜受付〜乗船

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野川まなび館で、乗船引換券をもらったら、ボート乗り場へ。ボート乗り場を示す「湖面広場」の看板がところどころにあるので、迷うことはありません。

ながい百秋湖ボートツーリングの予約〜受付〜乗船

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湖面広場に到着したら、乗船券をもらい、自分が乗船するボートの名前を確認。ライフジャケットを着て、乗船を待ちます。1艘6名が定員で、ガイドが一人乗船します。電動ボートはとっても静か。湖面を這うように進んでいきます。

境目がわからない!湖面に映る絶景を見るなら夏!

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三淵渓谷の入り口までは、長井ダムや卯の花姫伝説の解説を聞きながら、ゆっくりと進んでいきます。ガイドの声が途切れると、一瞬にして静寂の世界へ。目の前に広がる湖面には、美しい緑が映りこみ、まるで自分が浮いているような錯覚を起こすかも?!

境目がわからない!湖面に映る絶景を見るなら夏!

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立ち枯れた木が映りこむさまは、神秘的。渓谷に入る前から絶景を堪能できます。雪解け水や梅雨の長雨の影響で水が満たされる5月〜6月、湖面がキラキラ輝く7〜8月、紅葉が美しい10月前後など、季節ごとにさまざまな景色をみせてくれます。断崖がそそり立つ様子を見るなら、水が少ない夏がおすすめ。迫力ある絶景が楽しめます。

また、天気が悪くても落ち込むことはありません!快晴時より曇りのほうが、光が反射しない分、神秘的な写真がとれるんです。

境目がわからない!湖面に映る絶景を見るなら夏!

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乗船から20分後、左手に断崖絶壁、右手奥に立ち枯れ木がそそり立っている様子を見ることができます。この立ち枯れ木こそ、三淵神社の元のご神木。ダム建設の前は、ここに神社があり、現在は、三淵渓谷の上に移設されています。

ここから三淵渓谷を参道にみたてた、参拝が始まります。そっと手を合わせましょう。

迫りくる断崖絶壁とどこまでも続く静寂

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写真:浮き草 ゆきんこ

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幅3〜5mの川幅は、どんどん狭くなり、断崖絶壁の岩肌をすぐ近くで感じられます。奥に進むごとに、空気がひんやりとし、神聖な雰囲気に。時折、岩肌を縫うようにさ〜っと流れる冷気に、神々しさを感じることでしょう。

迫りくる断崖絶壁とどこまでも続く静寂

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ボートが進むごとにどんどん狭くなり、黒い岩肌が湖面に映り、独特の世界観が広がります。迫りくる暗闇に圧倒されつつも、その先に見える木々の緑や光を目の前にすると、心が震えるほど。

迫りくる断崖絶壁とどこまでも続く静寂

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視界が大きく開けたら、折り返し地点。ボートはゆっくり旋回し、同じルートを引き返します。

同じルートでも景色が違う!

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同じルートを引き返すからといって景色が同じとは限りません。同じはずなのに、復路は絶壁がより迫ってくる感覚を味わうことができます。

同じルートでも景色が違う!

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三淵渓谷を抜けるすぐ手前、左側に不思議な形をした木が見えます。これは、2本のブナの木が、合体している珍しい木。2本の木が岩肌で、支えあっているうちに、吸収合体し、このような形になったのだそうです。お互いを支えあって、合体したということで、縁結びにご利益があるとかないとか。

同じルートでも景色が違う!

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ボート乗り場にある合地沢橋が見えてきたら、終了です。ボート乗り場は、簡易な設備で何もありません。トイレもないので、お手洗いは、受付した野川まなび館で済ませましょう。

ボートツアーの乗り場なのに、なぜ何もないのか。実は100年に一度の災害に備えて、合地沢橋の下くらいまで満水にする試験を行うことがあり、ボート乗り場が湖に沈んでしまうからです。

知る人ぞ知る東北の奇跡の絶景、ボートで参拝する珍しい体験ができる三淵渓谷通り抜け参拝は、限られた日、限られた人数だけしか入れない神秘の秘境。一度は訪れたい場所です。

ながい百秋湖ボートツーリングの基本情報

問い合わせ先・申し込み:最上川リバーツーリズムネットワーク
予約電話番号:0238-87-0605
催行日:5月初旬〜11月中旬 週3〜4日 1日4便
集合場所:野川まなび館 山形県長井市平山2743-4​
参加協力金:大人2000円、小学生以下1500円

2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。

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