甲斐武田氏発祥の地!茨城「武田氏館」で武田信玄のルーツに触れる

甲斐武田氏発祥の地!茨城「武田氏館」で武田信玄のルーツに触れる

更新日:2019/09/18 10:28

服部 旅城のプロフィール写真 服部 旅城 歴史スポットライター
茨城県ひたちなか市は、戦国武将で有名な武田信玄を輩出した甲斐武田氏の発祥の地であることをご存知でしょうか?「武田氏館(たけだしやかた)」は、鎌倉時代の武士の館を再現した建物で、内部には甲斐武田氏発祥に関する資料、甲冑、刀、出土品などが展示されています。武田信玄のルーツに触れられる「武田氏館」をご紹介します。

甲斐武田氏の歴史

甲斐武田氏の歴史

写真:服部 旅城

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平安時代後期の武将で八幡太郎(はちまんたろう)としても知られる源義家の弟義光は、常陸国(現在の茨城県)への進出を図り、三男・義清(よしきよ)を那珂郡武田郷(現在のひたちなか市武田)に住まわせました。

義清は、地名の武田を氏とし、武田氏の始祖となります。義清と清光(義清の子)は、支配地域を拡大するため周辺の勢力と争っていましたが、行き過ぎた行為があったため朝廷に訴えられ、義清親子は甲斐国(現在の山梨県)へ配流(はいる)となってしまいます。その後、義清親子は甲斐で勢力を拡大していき第19代当主の武田信玄へと続いていきます。

甲斐武田氏の歴史

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ひたちなか市教育委員会所蔵の「武田氏館」は、絵巻物などを参考に母屋や厩(うまや)、納屋、門、塀などを再現したもので、母屋の建築様式は鎌倉時代の武士の館を参考にした主殿造りと呼ばれるものです。屋根を再現すると、わら葺屋根になりますが、防火のためにわら葺風銅板葺きになっています。

母屋の室内は、展示室になっており見学することができます。

甲斐武田氏の歴史

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こちらは、厩を再現した建物です。厩とは、馬を飼うための小屋で、馬も再現されています。

大昔から人が住んでいた!

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義清が住んでいた館は、那珂郡武田郷の南端にある那珂川を見下ろす武田台地と呼ばれる台地の突端部にあったと考えられており、この近くに「武田氏館」が再現されました。

武田地域内の発掘調査では、先土器時代から平安時代にかけての様々な建物の跡や遺物が発見されています。

発掘された石器・石材が、ランキング形式で展示されています。石器とは、石を材料として加工した道具のことで、石器の材料となる石の種類のことを石材といいます。石器ランキング1位の剥片(はくへん)は、石材からはぎ取った薄いかけらからつくった石器で、鋭い刃物・武器として使用されました。

大昔から人が住んでいた!

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石材ランキング1位のガラス質黒色安山岩は、硬くて均質に割れやすいので剥片の材料として使用されました。石器をつくるための材料が最も多く発掘されていることから、剥片など生活に必要な石器がたくさんつくられていたと考えられます。

また、県内で最も古いと考えられる先土器時代(約2万5千年前)の石器群が出土していることや古墳時代から奈良・平安時代にかけての数百基の住居跡が発見されていることから、武田地域では大昔から大勢の人が暮らしていたことがわかります。

大昔から人が住んでいた!

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奈良時代から平安時代の住居跡から出土した貴重な遺物も展示されています。
食器として須恵器(すえき)と呼ばれる窯で硬く灰色に焼き上げた土器が使用され、土師器(はじき)と呼ばれる褐色の土器が煮焚きに使用されました。

貴重な古文書や武者人形!

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義清は、地名の武田を氏とし、武田冠者(たけだかじゃ)と名乗っていました。展示されている享保5年(1720年)刊行の武田三代軍記よく見てみると義清・武田冠者刑部三郎と書かれており、歴史を確認することができます。

貴重な古文書や武者人形!

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こちらは、義清と清光の姿を再現した武者人形です。戦いの際は、このような武器・武具を用いていました。

義清親子は、周辺の勢力と争っていましたが、甲斐国へ配流(はいる)となってしまいます。甲斐国への移動ルートとして、武田から那珂川をさかのぼって茨城県御前山村、栃木県小山市、埼玉県狭山市付近を進んで行ったと考えられています。甲斐国に移った後も義清親子は戦い抜き、甲斐武田氏の基礎を築きました。

貴重な古文書や武者人形!

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人をのせるために馬の背に置く鞍(くら)には、武田菱(たけだびし)が描かれています。武田菱とは、武田家の家紋で横長の四角形が4つあり、四割葵(よつわりびし)とも呼ばれています。

「武田氏館」では、武田地域や武田家の歴史について知ることができ、ご紹介した展示品以外にも甲冑や刀、天文図解などの古文書も展示されています。甲斐武田氏発祥の地にある「武田氏館」で、武田信玄のルーツに触れてみてはどうでしょうか。

武田氏館の基本情報

住所:茨城県ひたちなか市武田566-2
電話番号:029-276-2525
開館時間:9時〜17時(入場は16時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合はその翌日) ,12月28日から1月4日
入館料:無料
駐車場:あり(無料)
アクセス:JR常磐線勝田駅から「茨城交通バス」水戸行き武田本町下車、徒歩約10分
北関東自動車道「ひたちなかIC」から車で約20分
常磐自動車道「那珂IC」から車で約25分

2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/08/11 訪問

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