手に汗握る大捕り物!奈良の秋を彩る恒例行事「鹿の角きり」

| 奈良県

| 旅の専門家がお届けする観光情報

手に汗握る大捕り物!奈良の秋を彩る恒例行事「鹿の角きり」

手に汗握る大捕り物!奈良の秋を彩る恒例行事「鹿の角きり」

更新日:2019/09/15 19:02

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
秋になると、奈良ではさまざまな行事や祭礼がもよおされます。とりわけ、ご覧いただきたいのが、春日大社の境内の一角でもよおされる「鹿の角きり」。逃げまわる鹿を捕まえ、その角を切り落とすさまは迫力満点です。今回は奈良の秋を彩る恒例行事「鹿の角きり」をご紹介しましょう。
LINEトラベルjpなら、その旅行代LINEポイントで戻ってきます!対象はこちら

鹿苑でもよおされる「鹿の角きり」

鹿苑でもよおされる「鹿の角きり」

写真:乾口 達司

地図を見る

「鹿の角きり」は、毎年10月にとりおこなわれる奈良の恒例行事。その名のとおり、奈良の顔というべき鹿の角を切り落とす様子を観覧する行事です。

「角きり」の起源は江戸時代にさかのぼります。春日大社の門前町として栄えた奈良において、鹿は神さまの使いとして大切にあつかわれて来ましたが、そのことが災いして、奈良に暮らす人が角を生やした雄鹿に危害を加えられるといった事故が多発。事故を未然に防ぐため、1672年(寛文12)、奈良奉行・溝口信勝の命によって「角きり」がはじめられました。当時は街中でおこなわれていましたが、1929年(昭和4)以降は春日大社の神域にある現会場の鹿苑でもよおされています。

写真はその会場となる鹿苑内の「角きり場」。鹿苑は春日大社の参道脇にあり、普段は傷を負った鹿の保護や治療などをおこなっている施設。ここで13時以降、入れ替え制で一日数回、「角きり」がおこなわれます。当日は入場料を支払って鹿苑に入ることになりますが、大勢の観客が来場するため、ときには入場制限がなされることもあります。時間に余裕をもって訪れましょう。

鹿苑でもよおされる「鹿の角きり」

写真:乾口 達司

地図を見る

観客は西側に設置された観覧席にすわり、眼下の「角きり場」を見下ろす形で観覧します。

入場する勢子や鹿

入場する勢子や鹿

写真:乾口 達司

地図を見る

時間になると、「角きり場」にまず「勢子(せこ)」が現れます。勢子とは、鹿を追い込んだり、捕まえたりする人たちのこと。鉢巻きを巻き、法被を着ています。良く見ると、手にしているものに違いがあることがおわかりいただけるでしょう。持ちものの違いが役割の違いを示しています。

入場する勢子や鹿

写真:乾口 達司

地図を見る

こちらの勢子が手にしているのは「十字(じゅうじ)」。「十字」は、その名のとおり、割られた竹を十字に組み合わせ、そこに縄を掛けた道具。「十字」を鹿の角目掛けて投げつけ、角に引っ掛けて鹿を捕獲します。

入場する勢子や鹿

写真:乾口 達司

地図を見る

さあ、いよいよ鹿の登場です。角をはやしているのは雄鹿。繁殖期に当たる秋は雄鹿の気性が特に荒く、角によって危害を加えやすい時期なのです。「角きり場」に入って来た雄鹿は、当然、興奮状態。「角きり場」を猛スピードで走りまわります。

大興奮の大捕り物!鹿が捕獲されるまでの過程

大興奮の大捕り物!鹿が捕獲されるまでの過程

写真:乾口 達司

地図を見る

鹿が入場すると、太鼓が響きわたり、いよいよ角きりのスタートです。赤旗を持った追い込み役の勢子たちが隊列を組んで、興奮して暴れまわる鹿を確実に追い込んでいきます。まさに大興奮の大捕り物です。観客も歓声をあげてその大捕り物を見守ります。

大興奮の大捕り物!鹿が捕獲されるまでの過程

写真:乾口 達司

地図を見る

鹿は隊列を組んだ追い込み役の作った隙間から逃げようとしますが、次の瞬間、先ほどご紹介した「十字」が鹿を目掛けて投げつけられます。「十字」からはずれた綱が鹿の角に引っ掛かると、勢子たちはその綱を握り、写真の丸太の杭へ綱を巻き付け、鹿を次第に手繰り寄せていきます。この杭は「台付け」と呼ばれています。

大興奮の大捕り物!鹿が捕獲されるまでの過程

写真:乾口 達司

地図を見る

鹿は最終的に「台付け」の根元でねじ伏せられます。ねじ伏せられた鹿は勢子たちに手足や身体をつかまれ、地面に敷かれたゴザまで運ばれます。

LINEトラベルjpなら、その旅行代LINEポイントで戻ってきます!対象はこちら

角が切られる様子

角が切られる様子

写真:乾口 達司

地図を見る

鹿が筵に寝かされると、いよいよ角を切る役目の神官が登場します。

ここで注目したいのは、こちらのシーン。神官が押さえつけられた鹿の口元に瓶を近づけているのが、おわかりいただけるでしょう。瓶には水が入っており、水を飲ませることで、鹿の気を静めようとするわけです。こういった細かな演出もお見逃しなく。

角が切られる様子

写真:乾口 達司

地図を見る

水を飲ませた後はノコギリで角を切り落とします。先ほどまで暴れていた鹿も観念したのか、角を切られる段階では抵抗もせず、角が切り落とされるまでおとなしくしています。

ちなみに、角は毎年生え代わります。春に生えはじめた角も、この時期になると内部に神経や血管は通っておらず、出血も痛みありませんので、ご心配なく。

角が切られる様子

写真:乾口 達司

地図を見る

見事、左右両方の角が切られると、神官は角を高々と持ち上げます。鹿は解放され、何事もなかったかのように、角きり場の芝生をはんでいます。これで一連の過程は終了。同じことがもう一匹の鹿にほどこされ、角きりは終了します。

こちらもお見逃しなく!苑内の展示スペース

こちらもお見逃しなく!苑内の展示スペース

写真:乾口 達司

地図を見る

角きり場の横には展示ブースがあり、勢子の着る法被や「十字」を間近でご覧いただけます。

こちらもお見逃しなく!苑内の展示スペース

写真:乾口 達司

地図を見る

会場である鹿苑は鹿の保護や治療をおこなう施設であるため、奈良の鹿に関するさまざまな情報も展示されています。

写真はいったい何だと思いますか?実はこれ、鹿の胃袋から出て来たビニールの断片なのです。観光客が捨てたビニールを食べた鹿はビニールを消化することが出来ず、お腹にためてしまうのです。その結果、お腹を壊したり、最悪の場合、死んでしまうこともあるため、食事などで出たゴミは必ずゴミ箱に捨てるか、持ち帰りましょう。

こちらもお見逃しなく!苑内の展示スペース

写真:乾口 達司

地図を見る

ほかにも、奈良の鹿をモチーフにした特産品も販売されています。記念に買い求めてみてはいかがでしょうか。

「鹿の角きり」がどういった行事か、おわかりいただけたでしょうか。奈良ならではの行事であるため、この機会に奈良を訪れ、手に汗握る大捕り物をご覧ください。

「鹿の角きり」の基本情報

日時:2019年10月12日(土)〜14日(月)12:00〜15:00(開場11:30/最終入場14:30)
会場:春日大社境内「鹿苑」(奈良市春日野町)
観覧料:大人(中学生以上)1000円/小人(小学生)500円
電話番号:0742-22-2388(奈良市の鹿愛護会)
アクセス:近鉄奈良駅より徒歩約25分

2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

LINEトラベルjpなら、その旅行代LINEポイントで戻ってきます!対象はこちら
掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/08 訪問

- PR -

条件を指定して検索

LINEトラベルjpで一緒に働きませんか?

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ

- PR -