ポルトガル「ブラガ」歴史ある教会とバロック建築めぐり

ポルトガル「ブラガ」歴史ある教会とバロック建築めぐり

更新日:2020/07/03 12:34

Lady Masalaのプロフィール写真 Lady Masala 知られざる名所案内人、蚤の市マニア
ポルトガルの古都ブラガは、ポルトから列車で1時間ほどの距離にある日帰り旅行に人気の都市。国で最初に建てられたという大聖堂をはじめ、大小さまざまな教会や歴史的価値のある建造物が軒を連ねます。バロック様式の建築が多いことでも知られるブラガ旧市街は、街歩きをするにはぴったりの場所。美しい建物をめぐりながら、ゆっくりと散策してみませんか。

旧市街へと続く堂々たる「アルコ・ダ・ポルタ・ノヴァ」

旧市街へと続く堂々たる「アルコ・ダ・ポルタ・ノヴァ」

写真:Lady Masala

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ブラガ駅から市街に向かって5分ほど歩くと、堂々たる門「Arco da Porta Nova(アルコ・ダ・ポルタ・ノヴァ)」が見えてきます。旧市街への入り口として知られるこの門は、建築家で大司教に仕えたというアンドレ・ソアレスによって、18世紀に建てられました。ソアレスは、この門のほかにもブラガを代表する多くの建造物を手がけています。

旧市街へと続く堂々たる「アルコ・ダ・ポルタ・ノヴァ」

写真:Lady Masala

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アルコ・ダ・ポルタ・ノヴァ周辺にあり、同じくアンドレ・ソアレスによって建てられたという「Camara Municipal(市庁舎)」は、街のランドマークとして市民に親しまれています。

前庭にあるペリカンが特徴的なバロック式の噴水に注目しましょう。ペリカンは、胸に穴を開けてその血をヒナに与えて育てるという伝説があることから、中世ヨーロッパでは愛、そして、愛によって十字架に身を捧げたキリストの象徴であるとされてきました。ぽってりとしてかわいらしい噴水には、深い意味が込められているのです。

旧市街へと続く堂々たる「アルコ・ダ・ポルタ・ノヴァ」

写真:Lady Masala

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美しい装飾が施された建造物の多いブラガ市街にあって、レンガづくりのシンプルな建物が人目を引くこの一角は、かつてはブラカレンス共和国の首府があった場所。現在は「Largo do Paco(宮廷広場)」として知られています。大聖堂にほど近い広場周辺は、アンティークショップや土産物店が軒を連ね、とてもぎやか。中心にあるエレガントな噴水が広場全体のアクセントとなっています。

<基本情報>
住所:Praca Camilo Castelo Branco, 4700-415 Braga

「カルロス・アマランテ広場」周辺 エレガントな教会と宮殿

「カルロス・アマランテ広場」周辺 エレガントな教会と宮殿

写真:Lady Masala

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「Largo Carlos Amarante(カルロス・アマランテ広場)」には、ふたつの教会があります。キリストの受難を意味する「Igreja de Santa Cruz(サンタ・クルズ教会)」は、17世に完成したバロック・マヌエル様式。堂々とした外観とファサードを飾る趣向を凝らした彫刻は必見です。

広場の噴水と花々に映える白壁が美しい建物は、16世紀に建てられた「Igreja de San Marcos(聖マルコス病院教会)」。聖ジョアン・マルコスに捧げられた教会で、ファサードにはバロック建築の影響が見られます。現在は、中心部分が教会として、左右はそれぞれホテル、薬局として使用されています。また、ホテルの隣にある小さな礼拝堂「S.Bentinho(聖ベンティーニョ)」にも足を運んでみてください。

「カルロス・アマランテ広場」周辺 エレガントな教会と宮殿

写真:Lady Masala

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サンタ・クルス教会にほど近い場所に建つ「Capela dos Coimbras(コインブラス礼拝堂)」は、その名の通りコインブラス家付属の礼拝堂。上品な薄紫色のポルトガル式タイル、アズレージョが美しいマヌエル様式の建物です。

当時の国王の名前を冠したマヌエル様式とは、15世紀後半から16世紀のポルトガルで流行した建築様式で、大航海時代を背景として、船や海、インドや南アメリカの物や文化が装飾のモチーフとして取り入れられているのが特徴です。内部の公開は不定期ですが、国の文化財にも指定されている礼拝堂。その外観だけでも見ておきたいものです。

「カルロス・アマランテ広場」周辺 エレガントな教会と宮殿

写真:Lady Masala

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「Palacio do Raio(ライオ小宮)」は、カルロス・アマランテ広場から徒歩で数分の場所にある青が印象的なバロック様式の宮殿です。アルコ・ダ・ポルタ・ノヴァや市庁舎を手掛けた建築家アンドレ・ソアレスの手によって、1755年に完成しました。バロック様式とは、17-18世紀に流行した建築様式のことで、華麗で荘厳な装飾が特徴です。歴史的建造物が多いブラガにあっても、ひときわ美しいこの建物は、バロックの神髄を余すところなく表現しているといえるでしょう。

<基本情報>
住所:4700-308 Braga

街の中心「レプブリカ広場」と優雅な「アルカーダ」

街の中心「レプブリカ広場」と優雅な「アルカーダ」

写真:Lady Masala

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ブラガ旧市街の中心にあり、いつも多くの人々でにぎわう「Praca da Republica(レプブリカ広場)」にそびえる「Lapa Arcade(アルカーダ)」は、威風堂々たるアーケード。1階部分は、主にカフェやレストランとして使用されています。お天気がよい日には、アルカーダや噴水を眺めながら外のテーブルで食事をするのもよいでしょう。夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気が漂います。中央部分の「Igreja da Lapa(ラパ教会)」は、訪れる人々の祈りの空間となっています。

街の中心「レプブリカ広場」と優雅な「アルカーダ」

写真:Lady Masala

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レプブリカ広場のもうひとつのシンボルは「Congregacao dos Basilica(信徒教会)」。ブラガの街づくりに多大なる貢献をしたアンドレ・ソアレスによる設計で、完成したのは20世紀後半に入ってからのことでした。優雅で堂々とした外観と、彼の建築の特徴ともいえるファサードを彩るエレガントなカーブが印象的です。

街の中心「レプブリカ広場」と優雅な「アルカーダ」

写真:Lady Masala

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「Igreja Dos Terceiros(テルセイロス教会)」は、1730年代に完成したアルカーダ横にある小ぢんまりとした教会。黄色いアズレージョが特徴で、外観が美しいのはもちろんのこと、内部の壮麗さには目を見張るものがあります。主祭壇を装飾する黄金、そして、上品な淡い緑とピンクが見事に調和し、壁を彩る青と白を基調とした伝統的アズレージョも教会内のきらびやかさを際立たせています。

<基本情報>
住所:Praca da Republica 77, 4700-328 Braga

美しい花々の競演「サンタ・バルバラ庭園庭園」

美しい花々の競演「サンタ・バルバラ庭園庭園」

写真:Lady Masala

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ブラガ旧市街、街歩きの最後には、ぜひとも「Paco Arcebispal dos Bragancas(ブラガンザ大司教邸宅)」の東側にある「Jardim de Santa Barbara(サンタ・バルバラ庭園)」へ行きましょう。色とりどりの花々が咲き乱れる庭園は、市民の憩いの場所。道行く人々を和ませてくれます。どの角度をとってみてもフォトジェニックな庭園のベンチに腰かけて、歩き疲れた足を休めてください。美しい花々が旅の疲れを癒やしてくれることでしょう。

<基本情報>
住所:R. Dr. Justino Cruz 127, 4700-314 Braga

祈りの街「ブラガ」を散策

ポルトガルには「リスボンは楽しみ、コインブラは学び、ポルトは働き、そしてブラガは祈りの街である」という言葉があるように、古都ブラガには、大小さまざまな86もの教会が建ち並びます。こぢんまりとした旧市街は、散策するにはちょうどよい大きさ。美しい歴史的建造物を眺めながら、ゆっくりと街歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

※関連MEMOには「ブラガ」で訪れることのできる施設と、お勧めのホテルを紹介した記事を掲載しています。よろしければそちらもご覧ください。

2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/08/13−2019/08/17 訪問

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