チュニジア「マトマタ」はスターウォーズの異世界!穴倉ホテルも

チュニジア「マトマタ」はスターウォーズの異世界!穴倉ホテルも

更新日:2019/09/20 10:42

菊池 模糊のプロフィール写真 菊池 模糊 旅ライター、旅ブロガー、写真家
チュニジア南部の半砂漠地帯にスターウォーズのロケ地となったマトマタがあります。地面を円形に掘った巨大穴側面に居住用横穴をあけて生活する世界は、まさに映画スターウォーズの惑星タトゥイーンにおけるルーク・スカイウォーカーの家そのもの。本格的な穴居ホテル(穴倉ホテル)もありますので、ぜひ宿泊して魅惑の砂獏惑星体験をしてみましょう!

マトマタ展望台

マトマタ展望台

写真:菊池 模糊

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チュニジア南部を内陸部に入ると、それまでオリーブ畑ばかりが連なっていた平坦な大地が、荒涼とした砂漠のような風景に変わります。その中にマトマタの展望台(Matmata Welcome Sign)があり、いよいよ地の果てに来たんだなあという思いにとらわれるでしょう。ここは絶好の撮影ポイントなので、忘れずに写真を撮りましょう。

マトマタ展望台

写真:菊池 模糊

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マトマタはアラブ人に追われた先住民族ベルベル人の避難地で、確かに展望台から見ると、何も無い大地が広がっているばかりです。実際は、点々と穴倉住居があって、隠れて安全に暮らしてきたのです。そこで世界でも類を見ない不思議な住まいを見て、実際に宿泊体験もしてみましょう

マトマタ展望台

写真:菊池 模糊

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マトマタならではの見どころは砂漠の穴居住宅です。これは侵略してきたアラブ人に見つからないよう、地元のベルベル人が穴を掘って隠れた住居を工夫して作ってきたものです。確かに外から見ると地面に穴が開いているだけで、中に人が住んでいるとは思えない景観です。

地下住居は日差しが避けられ温度変化が少なく砂漠地帯の生活に適しています。そこで、この地下穴居住宅は近年まで多く使われてきました。マトマタは一見寒村で家が少ないのですが、実は地面の中に住んでいるわけです。穴だけが残った廃屋もあり、夜、知らずに外を漫然と散歩すると、写真のような穴に落ちてしまいますので注意しましょう。

スターウォーズ第1作のロケ地シディ・イドリス

スターウォーズ第1作のロケ地シディ・イドリス

写真:菊池 模糊

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マトマタでまず見学すべき場所が、映画スターウォーズの第1作目に登場する惑星タトゥイーンの撮影現場のシディ・イドリス(Sidi Idriss) です。もともとあった穴居住宅を利用して、ルーク・スカイウォーカーの家として撮影された場所でしたが、洪水で廃墟になり、その後復旧されたもの。現在はスターウォーズの聖地として観光スポットおよびカフェとなっています。夜はホテルとしても営業していますが、多くの観光客が始終見学に来るので、宿泊はあまりおすすめできません。

スターウォーズ第1作のロケ地シディ・イドリス

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シディ・イドリスにある部屋の中で一番の人気は、映画撮影時の雰囲気を完璧に残しているスターウォーズバー。映画では異星人がたむろする飲み屋で、モスアイズリー宇宙港近くのチャルマンの酒場という設定でした。ここで、ルークはハン・ソロと出会うのです! 今は異星人ではなくチュニジア人のお兄さんがたむろして、昼間から酒を飲んでいます。

ラーズおじさんの家のダイニングとしても撮影され、スターウォーズのファンなら興奮すること間違いなし。ルークはここで育ったわけですから、スターウォーズ聖地巡りの出発点といえる場所です。

スターウォーズ第1作のロケ地シディ・イドリス

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ホテルとして使用される部屋も見学できます。掘り込まれた穴にベッドが置いてあるだけのドミトリー形式。なんともシンプルで、生活感がありません。

穴居住宅を見学する

穴居住宅を見学する

写真:菊池 模糊

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現在もベルベル人が住んでいる穴居住宅があり、それを見学できるツアーがあります。見ず知らずの家を訪問するわけですから、こうしたツアーを利用するのがベター。観光案内所かホテルから申し込むことができます。

ベルベル人お宅訪問ツアーで案内される住居は外から見ると大きな穴が開いているだけ。その穴から10mくらい離れた場所に入り口があり、門の外側上にファティマの手の魔除けの印があります。なるほどこれなら、門あたりに枯れ木などをかぶせれば、外敵に見つからない住居になりますね。

穴居住宅を見学する

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穴を上から見るとシディ・イドリスと同じ構成なのが分かります。ただ、こちらは現在も住んでいる家なので、生活感があり、麦を轢いてパンをつくったり、竈があったり、狩猟道具が置いてあります。まさに今もほぼ自給自足の生活をしていることが分かります。

穴居住宅を見学する

写真:菊池 模糊

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中央の中庭(穴)の周囲には横穴が掘られており、家族の部屋になっています。電灯はなく明かりはランプ。部屋の中には装飾されたベッドや椅子があり、あたかも窓にカーテンをかけたように見えるタペストリーが奥壁にかかり、生活を楽しんでおられる様子がうかがえます。

衣食住ほとんどが手作りで、インフラの整った都会生活とは全く違った暮らしですが、住人の年配の主婦の方は、ここの生活が好きだと言っておられます。ただ、現金収入がないので、こうして穴居生活を見学してもらうことで観光収入を得ているのです。

洞窟風ホテルに泊まる

洞窟風ホテルに泊まる

写真:菊池 模糊

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スターウオーズの砂の惑星のような世界に来たのです。せっかくなので滞在は穴居生活の疑似体験ができる洞窟風ホテルに泊まってみましょう。おすすめは「Le Diar el Barbar」というマトマタでは高級な部類に入るホテルです。

建屋入り口は斜面に建てられた小さな平屋土蔵かミニ店舗のよう。ところが内部は地下に深く広く掘り進められており、三階建て穴居部屋が数多く並ぶ大きなホテルなのです。

洞窟風ホテルに泊まる

写真:菊池 模糊

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このホテルは巨大な竪穴を中心に、その側面を部屋が取り囲む形のエリアがつながった空間の連続構成です。中庭の空しか外部世界に開けておらず不思議な感じで、慣れないと迷うことがあります。まずはしっかりと構造をつかんでください。

洞窟風ホテルに泊まる

写真:菊池 模糊

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各エリアの連絡は洞窟トンネルになっており探検しているようでワクワクします。これはある程度エリアごとの距離を保つためです。最初は自分の部屋がどこか探すのに苦労しますが、構造がわかるときわめて安全でシステマチックな部屋構成。ちょっと日本では味わえない体験ですので、積極的に楽しんでみましょう。

ホテルの部屋と食事

ホテルの部屋と食事

写真:菊池 模糊

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部屋に入ってみると、奥に穴倉が削られ白色に塗られています。部屋によりベッド構成は違いますが、どこも穴倉部屋で窓がないため圧迫感があります。

ホテルの部屋と食事

写真:菊池 模糊

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近代的なホテル設備を期待している方はがっかりするかもしれません。水の少ない環境なので風呂もシャワーが基本。ロビーのみWiFiがつながるもののTVも娯楽設備もなく、洞窟部屋には当然ながら窓がありません。しかし、中庭から見上げる夜の星空は素晴らしく、部屋構造は野趣満点といえるもの。

写真のようにインテリアもシンプルながら凝っています。トルコの洞窟ホテルやモロッコの砂漠ホテルに匹敵しますので、ここはプラス思考でユニークさを存分に楽しんでみましょう。

ホテルの部屋と食事

写真:菊池 模糊

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食事はロビー近くにあるレストランでいただけます。名物としてはチュニジア風トマトソース料理であるオジャがありますが、一番のおすすめはブリック(写真参照)というチュニジア餃子。これは揚げているので春巻、あるいは卵を加えた生地を巻いているので揚げオムレツともいえる不思議な料理。なかなか美味しく日本人の口にも合います。ぜひ注文して食べてください。

マトマタの基本情報

住所:Matamata Ancienne,Matmatat-Al-Qadimal,Wilayat Qabis,Tunisia
アクセス:チュニジア各地から鉄道でガベズへ
ガベズからバスまたはルアージュ(乗合タクシー)で約1時間

2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/01/20−2019/01/20 訪問

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