パンダだけじゃもったいない!北京動物園の隠れた魅力を紹介

パンダだけじゃもったいない!北京動物園の隠れた魅力を紹介

更新日:2019/09/20 14:01

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
北京動物園といえば、中国を代表する動物園としてご存知の方も多いでしょう。とりわけ、たくさんのパンダが飼育されている「大熊猫館」には世界各国から大勢の観覧者が訪れます。しかし、北京動物園の魅力は何もパンダにだけあるわけではありません。今回は「大熊猫館」を訪れるだけではわからない北京動物園の隠れた魅力をご紹介しましょう。

ご存知でしたか?北京動物園の前身を伝える石碑

ご存知でしたか?北京動物園の前身を伝える石碑

写真:乾口 達司

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北京動物園は中華人民共和国の首都・北京にある動物園。パンダを見るために「大熊猫館」にだけ足を運ぶ方も多いと思いますが、園内にはパンダをふくめて約600種、7000頭にのぼるさまざまな動物が飼育されており、中国国内でも最大級の規模を誇っています。

そんな北京動物園はいつ誕生したか、ご存知ですか?現在の北京動物園の一帯には、明代の貴族の邸宅があったとされます。清朝末期の1906年、当時の欧米や日本の農業技術を研究するため、そこに農事試験場が設立されます。試験場の一角には海外より輸入した珍獣を飼育する「万牲園」も設けられ、それが1955年に開園する北京動物園の前身となりました。

園内にはご覧のように農事試験場の痕跡を示す石碑も残されています。北京動物園の知られざる歴史の証といえるでしょう。

ご存知でしたか?北京動物園の前身を伝える石碑

写真:乾口 達司

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「宋教仁紀念塔」と刻まれたこちらの石碑は、革命家・宋教仁の活動を顕彰して建立されたもの。宋は革命家として清朝の打倒を企て、日本に亡命したこともあります。中華民国の建国後は臨時大統領となった袁世凱と対立。1913年3月、上海で暗殺されました。宋はかつて農事試験場に勤務したことがあり、それにちなんで紀念塔が建立されているのです。これもまた北京動物園の知られざる歴史であるといえるでしょう。

池や水路が広がる広大な園内

池や水路が広がる広大な園内

写真:乾口 達司

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貴族の庭園を改良し、清代には宮廷の園地としても活用されて来ただけあり、広大な園内にはさまざまな樹木が生い茂り、広い池が幾つもあります。動物を収容した檻はその広大な園内に点々と設けられている状態で、実際に園内を歩いてみると、その広さに驚きます。

池や水路が広がる広大な園内

写真:乾口 達司

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池と池とはご覧のような水路で結ばれており、水路に沿って遊歩道も整備されています。この風景だけでは、ここが動物園の園内だとは思えないでしょう。

池や水路が広がる広大な園内

写真:乾口 達司

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水路にかかる石橋も凝った意匠。お見逃しなく。

高木の並木などが見られる園内

高木の並木などが見られる園内

写真:乾口 達司

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動物だけでなく、さまざまな樹木を観察することができるのも北京動物園の魅力の一つ。たとえば、こちらは柳。日本でもよく見掛ける樹木ですが、日本で日常的に見掛ける柳よりもはるかに大きく、圧倒されます。

高木の並木などが見られる園内

写真:乾口 達司

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常緑樹の並木もご覧のとおり。写り込んでいる人物と比較すると、いかに背の高い並木であるか、おわかりいただけるでしょう。

高木の並木などが見られる園内

写真:乾口 達司

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水路脇の並木も背が高く、圧倒されます。

建築ファン必見!園内に点在する歴史的建造物

建築ファン必見!園内に点在する歴史的建造物

写真:乾口 達司

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宮廷の庭園として使われたという経緯もあり、園内には当時の貴重な歴史的建造物も残されています。

たとえば、こちらの建造物は「暢観楼」と呼ばれており、かの西太后が離宮の「頤和園」へおもむく途中に立ち寄り、休憩していた施設。園内に現存する建造物のなかでは、清代に建造された唯一のバロック風建造物です。

建築ファン必見!園内に点在する歴史的建造物

写真:乾口 達司

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こちらは動物園の正面ゲート。実はこの正面ゲート、農事試験場の正門として建てられたものなのです。意外なところに農事試験場時代の遺構があるものですね。

建築ファン必見!園内に点在する歴史的建造物

写真:乾口 達司

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写真の「鬯春堂」も農事試験場に関連した建物。1908年に建造されましたが、その後、焼失。現在の建物は当時の姿を復元したものです。

動物も見よう!大熊猫館のパンダや野鳥

動物も見よう!大熊猫館のパンダや野鳥

写真:乾口 達司

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もちろん、動物園ですから、さまざまな動物もご覧ください。なかでも大人気なのは、やはりパンダ!中国でも四川省などのごく限られた地域にしか生息していない希少動物で、その愛くるしい姿を一目見ようと、たくさんの人が訪れます。

動物も見よう!大熊猫館のパンダや野鳥

写真:乾口 達司

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サービス精神に富んでいる北京動物園のパンダ。しばしば私たちのすぐ前までやってきてくれますよ。

動物も見よう!大熊猫館のパンダや野鳥

写真:乾口 達司

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こちらの野鳥は、動物園で飼育されているものではありません。広大な敷地を有する北京動物園にはさまざまな木々が生い茂り、豊かな水に恵まれていることもあり、自然の野鳥もたくさん飛来します。そういった自然の生き物が見られるのも北京動物園ならではの魅力ですよ。

北京動物園がいかに多様な魅力に富んだところであるか、おわかりいただけたでしょうか。動物を見てまわるのもよし、園内をのんびり散策するのもよし、歴史的建造物を見て歩くのもよし、それぞれの目的に応じて北京動物園を散策してみてください。

北京動物園の基本情報

住所:北京市西城区西直門外
電話番号:+86-10-6831-4411
アクセス:地下鉄4号線「動物園」駅より徒歩約5分
開園時間:7:30〜18:00(4月1日-10月31日)/7:30〜17:00(11月1日-3月31日)

2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/11/07 訪問

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