鈴虫寺の正式な名前は「妙徳山華厳寺」。名前からも想像がつくように元は華厳宗のお寺でしたが、現在は臨済宗のお寺になります。
ところが、一年中鈴虫が鳴いていることからいつしか「鈴虫寺」と呼ばれるようになり、今ではその名前の方が有名になりました。
この鈴虫はお坊様が説法をしてくれる書院にある大きなケースで飼育されていて、現在は7000匹ほどが鳴き声を競っています。室内は鈴虫の為に?空調されているとか…。
そのため秋に限らず、春でも夏でも冬でも鈴虫が「リーン、リーン」と鳴いていて、秋以外に来ると季節感が何か違うような…ちょっと不思議な気分になります。
アクセス
電車:京都駅・嵐山駅・三条京阪前・四条烏丸・映画村〜京都バス鈴虫寺行き終点下車
車:名神高速道路(名古屋方面から)京都南IC〜R1号〜R9号〜府道29号経由約11km
(大阪方面から)大山崎IC〜R171号〜R9号〜府道29号経由約13km
拝観時間
9時〜16時30分(最終受付)、17時閉門
お寺に行くと、拝観料を払って境内に入りお参りして…というのが一般的な流れ。しかしここ鈴虫寺では、拝観料を払うとそのままお坊様の説法を聞くために、上の写真の書院へと通されます。この書院は1度に100名くらいは入ろうかという広さ。しかも一人一人にお茶とお茶菓子が用意されています。説法は30分ほどで、人の入れ替えやお茶の準備もあるため1回の時間はだいたい40分。
「リーン、リーン」と鈴虫の鳴く中、お坊様の説法が始まりますが、これが漫才師顔負けの面白さで間の取り方も見事。
基本的にはお寺についてのことや日々の在り様について話しているのですが、押しつけがましい所は一切なく、ユーモアや時事ネタなどを交えながら、笑いを取りつつ話してくれます。
説法を聞く前は何となくモヤモヤしたような気持ちであっても、話の後はスッキリしたような心持になるのが不思議。説法の内容も、すっと心の中に入ってきます。
笑いと、鈴虫の鳴き声の効用なのでしょうか…。
ここで詳しい話の内容を書いてしまうとネタバレになってしまうので、控えたいと思います。ぜひ実際に聞いてたくさん笑い、スッキリした気持ちになってください。
参道の階段の上に「幸福地蔵」がいます。このお地蔵様がどんな願いでも、願い事を1つ叶えてくれるというお地蔵様。特に恋愛に効力が強いとか…そのため「パワースポット」と評判にもなっています。
お願いの仕方のコツ?を説法で教えてくれますし、お坊様の説法を聞いた後で心のノイズが無い状態でお願いすることも、重要なポイントかもしれません。
お願いの方法はちょっと変わっていて、以下のとおり。
1、お坊様の説法を聞いた後に「幸福御守」を購入。
2、手を合わせた中に「幸福御守」を持ち、お地蔵様の前で住所・名前・願い事を心の中で唱えます。
3、お地蔵様が後日願いを叶えにわざわざ家まで来てくれます。
4、願いが叶ったらお守りを返しに来てお礼をしてから、次のお願いをすることができます。
このお地蔵様は草鞋を履いているので、願いを叶えに行脚することができるとか…。住所を言い忘れたり直後に引越したりしてしまうと、お地蔵様が家に行くことができない…なんてこともあるようです。一軒一軒歩いて回るので、願い事が叶うまで時間がかかるというのもなんだか現実的。草鞋を履いたお地蔵様が夢に現れることがあったら、それは願いを叶えに来てくれた証でしょう。
先にも書きましたが、ここは休日や観光シーズンには行列ができるお寺。長いときは2〜3時間待ち。
お寺の方によるとお勧めは平日。しかも台風だとか大雪だとか人が外出したくないような時、とのこと。さすがにそれは大げさだと思いますが、桜や紅葉・お祭、GWといった観光のトップシーズンを外した平日ならそんなに待つこともないでしょう。
土日祝日なら朝一がお勧め。
また長時間並ぶ覚悟は必要ですが、桜や紅葉の時期には境内にある木々が美しく彩りを添えるので、この鈴虫寺の良さを満喫することができます。
鈴虫寺は他のお寺と比べると、ちょっと変わった印象を受けます。
しかし幸福地蔵へのお願いの仕方もそうですが「本来はこうあるもの」というのを、今もなお続けているのではないでしょうか。
日常のストレスで心にさざ波が立っている時にこそ、訪れてみてください。忘れていた何かに気づくきっかけになるかも知れません。
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(2024/10/14更新)
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