天下分け目の長浜 賤ヶ岳古戦場!花の絨毯を進むリフトに乗って行こう!

天下分け目の長浜 賤ヶ岳古戦場!花の絨毯を進むリフトに乗って行こう!

更新日:2014/05/13 11:22

きんぎょ 美歩のプロフィール写真 きんぎょ 美歩 温泉と歴史旅 Walker
天下分け目の合戦といえば関ヶ原を想像しますが、今回ご紹介する賤ヶ岳古戦場(長浜市)はそれ以前、信長の跡目争いに絡み、その後の権力・時勢を決定づけた秀吉と柴田勝家の戦いの場所です。
賤ヶ岳頂上・賤ヶ岳古戦場まではリフトを利用して行くことができます。リフトの下は野草の「シャガ」の群生地。まさに花のじゅうたんの上を進むリフトです。
頂上からは琵琶湖、余呉湖の眺望「琵琶湖八景」の絶景を満喫できます。

賤ヶ岳リフトは花盛り!

賤ヶ岳リフトは花盛り!

写真:きんぎょ 美歩

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賤ヶ岳(しずがだけ)古戦場は、滋賀県長浜市にあります。
古戦場に行く「賤ヶ岳リフト」乗り場へは、北陸自動車道木之本ICから「賤ヶ岳古戦場」の案内にしたがって国道8号線(塩津街道)を約5分程度進むと、迷うことなくリフト乗り場の広い駐車場に着くことができます。
駐車場周辺やリフト乗り場へ続く道の傍らに、少しずつ咲いている淡い紫のシャガの花。リフト乗り場の前方はこのシャガの花で埋め尽くされています!
実はここは野生の「シャガ」の群生地。シャガの花のじゅうたんが一面に広がります。
賤ヶ岳古戦場が目的地ですが、このリフトに乗るだけでも満足すること間違いなし!

リフトは一人用なので、幼児は抱いて乗ってくださいね。リフトに乗ったことが無い方や年配の方でも、係員がサポートしてくれるので安心して乗ることができます。また、リフトの高さは地面からさほど高くなく、ゆっくりした早さで進むので心配はありません。

リフト代金は片道410円。片道だけの購入がオススメです。もちろん往復も買えますが、
できれば帰りはゆっくり登山道を降りてみましょう。というのも、登山道は数カ所「シャガ」の花のじゅうたんを横切っているからです。写真を撮るには絶好のシャッタースポット!
ただし、リフトの下を横切るときには注意が必要です。でも、ちょっとしたワクワク、ドキドキ感も楽しい思い出になることでしょう。
駐車場までは歩いて降りても30〜40分です。

シャガ(著莪)の花

シャガ(著莪)の花

写真:きんぎょ 美歩

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それでは、この「シャガ(著莪)」の花について、少しご説明します。
別名:胡蝶花など(シャガの漢字表記も「射干」など諸説あり)
開花時期:平地だと3月〜5月中頃
生息場所:人家近くの森林周辺、日蔭、湿地に群生
特徴:根茎は短く横に這い草丈は50〜60p、朝咲いて、夕方にしぼむ、花の上から順に下へと咲いていく

このように、どこにでも咲いているような野生のシャガですが、東京都では、レッドリストの準絶滅危惧種にも指定されているようです。

余呉湖の水が真っ赤に染まった賤ヶ岳の合戦…

余呉湖の水が真っ赤に染まった賤ヶ岳の合戦…

写真:きんぎょ 美歩

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シャガの花に埋もれたリフトを降りると、ここからも眼下に広がる奥琵琶湖のきれいな景色が広がります。リフトの降車場には杖も用意されていますが、階段歩きに自信の無い方はここまででも、この景色に十分満足できます。
頂上までは階段を約300m。
少し急ですが頑張って登ると、賤ヶ岳頂上(賤ヶ岳古戦場)です。
階段の途中にある「賤ヶ岳合戦戦死者の霊地」の祠は、付近の野山に点在していた賤ヶ岳合戦の死傷者の霊を弔う石仏を集め、ここに移転したものです。

賤ヶ岳の合戦について少しご紹介しましょう。
この合戦は、羽柴秀吉と柴田勝家(勝家の妻は信長の妹・お市の方)の戦いです。柴田方の佐久間盛政が賤ヶ岳で秀吉の軍に敗れ、この敗北がもとで柴田軍の総崩れを誘発します。
実はこの時、前田利家・金森長近・不破勝光らの武将が、佐久間軍が追撃されるのを見ながら戦線離脱したことにより、柴田軍の敗北が決定的なものになったのだとか。この三人の戦線離脱は、関ヶ原合戦における小早川秀秋に匹敵するほど合戦の勝敗に影響を与え、結果、柴田勝家は北の庄へ退却し、勝家はお市とともに自害。そして秀吉の勢力はますます揺るぎないものとなっていきます。
この合戦では、他にも秀吉方の加藤清正、福島正則等『賤ヶ岳の七本槍』といわれた武将たちとその急襲が有名です。

激しい戦いで倒れた兵士たちの屍が重なり、武具の血を洗い流した余呉湖の水は真っ赤に染まったとも…。天下取りの凄まじい戦いが偲ばれます。

圧巻!頂上からは大パノラマ!

圧巻!頂上からは大パノラマ!

写真:きんぎょ 美歩

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リフトを降りて祠を見て階段を登りきると、賤ヶ岳頂上です。景色をながめながら休憩するにはちょうど良いベンチ・テーブルも用意されています。
週末には、賤ヶ岳合戦の無料ガイドの方がいて、周囲の山々に配置された兵士や各陣営のこと等、合戦の様子を聞くことができます。興味ある方はぜひどうぞ!

賤ヶ岳の頂上、古戦場から眼下に広がる奥琵琶湖の絶景、余呉湖の景色はまさに圧巻!
琵琶湖のその広さを痛感するような雄大な景色に、ため息がでるほどです。
南北に琵琶湖と竹生島、東に遠く伊吹山。
北には余呉湖が一望できるこの賤ヶ岳は「新雪ー賤ヶ岳の大観」として『琵琶湖八景』のひとつに数えられ、もちろん一押しのビューポイント!
一年を通し四季折々変化する湖面や周囲の山々の表情等、これらの絶景に魅了され、きっと満足することでしょう。
頂上には他にも、賤ヶ岳砦跡の看板や、合戦兵士の像等があります。

木之本は黒田官兵衛の生誕地

木之本は黒田官兵衛の生誕地

写真:きんぎょ 美歩

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賤ヶ岳リフト乗り場のあるのは、長浜市木之本町。
ここ木之本町黒田は、秀吉の軍事参謀であった黒田官兵衛の生誕の地。
黒田氏の祖先は近江國伊香郡黒田村の荘園領主で黒田判官とよばれたそうです。黒田には黒田家御廟所があります。
リフト乗り場のお土産処には写真の「軍師官兵衛の黒おかき」もあります。

奥琵琶湖は魅力が満載!

賤ヶ岳周辺には琵琶湖と余呉湖という2つの景観と、史跡をめぐるハイキングコースが整備されています。
余呉湖畔からの登山者も多く、尾根の途中には秀吉方の中川清秀の墓等もあり、また余呉湖畔には羽衣伝説、また木之本には黒田官兵衛にゆかりある場所も。
大河ドラマの舞台に登場するこの周辺は、歴史好きにはたまらない地域です。

高速からのアクセスもよく、幼児から年配まで自然と歴史を楽しむことができ、シャガの花をはじめ四季折々の草花も見事です。
奥琵琶湖は魅力が満載!ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/05/10 訪問

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