写真:スズキ ミズエ
地図を見るメキシコでの「死者の日」とは、元々先祖を敬う先住民の習慣にスペイン統治時代からのカトリックの「死者の日」が混ざったものをさします。彼らはカトリックの体をなして、自分たちの文化を守り続けてきました。お盆のようなこの日は11月1日は子供の、2日は大人の魂が戻って来るとされています。
この季節、メキシコ中にガイコツのオブジェが飾られますが、どれも人間臭くて、ユーモラスなものばかり。メキシコ人にとって昔からガイコツは身近なものであり、決して怖いものではありません。死後の世界は体が骨になっただけで、現生と変わらず楽しく時に辛く切ない世界。
お祭り好きなメキシコ人と一緒に「死者の日」を楽しみましょう。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る「死者の日」で一番盛り上がる街の一つがやはりメキシコシティ。9月16日の独立記念日が過ぎると、街はすぐに死者の日の飾り付けに取り掛かります。通りは死者の日の花である「センパスチル(マリーゴールド)」に植え替えられ、市場では大量のセンパスチルが売られ、街全体が黄色一色になります。
それぞれの家庭ではこの日のために特別な祭壇「アルタール」を作って出迎えます。その際、センパスチルで飾り立てます。あの世ではこの花が唯一のこの世への道標。だから家族はアルタールやお墓、時には通りなどにたくさんのセンパスチルを飾ります。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るそして「死者の日」が近づくにつれて、夜は大人も子供も仮装して街は完全にお祭りムード。メキシコシティでは少しハロウィンと混同してホラーメイクをする人もいますが、やはりガイコツの仮装をする人が圧倒的。女性は特に死者の貴婦人“カトリーナ”が人気で、地下鉄でもカトリーナのメイクをした人をよく見かけます。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るこの季節、メキシコシティのセントロ(歴史地区)では様々なイベントが催されます。
カテドラル前の広場「ソカロ」には毎年、趣向を凝らした死者の日にちなんだオブジェが展示されます。広大な広場を使って展示される作品は圧巻。夜はライトアップされるので、昼とは違った景色が楽しめます。
<ソカロの基本情報>
住所:Plaza de la Constitucion S/N, Centro Historico de la Cdad. de Mexico, Centro, 06010 Ciudad de Mexico, CDMX, メキシコ
アクセス:地下鉄ソカロ駅徒歩1分
写真:スズキ ミズエ
地図を見る次に紹介するイベントは、レフォルマ通りからソカロに向けて行われる「死者の日」グラン・パレード。2015年の映画「007 スペクター」の冒頭でメキシコシティの死者の日のパレードのシーンがありましたが、実はそのパレードはありませんでした。しかし映画の影響で翌年からこのパレードがスタート。映画が先というのが少し笑えますね。パレードはガイコツだけでなく歴史物もあり、見ていて飽きません。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る別世界という意味で共通する「巨大アレブリヘ」のパレードも、この季節に行われます。パレードはグラン・パレードとは逆に、ソカロからレフォルマ通りにある独立記念塔へと進みます。「アレブリヘ」とは空想上の生き物で、作者それぞれの想像によって創られます。参加者は全員アマチュアですが、その色使いや独創的な形はメキシコ人のアートセンスを痛感させられます。
アレブリヘはお土産としても有名ですが、パレードのアレブリヘは高さ3メートル近い巨大な作品ばかり。間近で見ると、本当に動き出しそうなほどの迫力です!
写真:スズキ ミズエ
地図を見る死者の日が近づくにつれて設置されるアルタールの数も増えていきます。広場はもちろん、レストラン、アパートのエントランス、はたまたコンビニにも置かれたり。そんな中、芸術的なアルタールを展示することで有名なのが「ドローレス・オルメド博物館(Museo Dolores Olmedo)」です。
この博物館はドローレス・オルメドの住居に、彼女が所有する数多くの歴史的なコレクションを展示した博物館です。特に親交の深かったフリーダ・カーロとディエゴ・リベラの作品は世界中の美術館の中で最多の所蔵を誇ります。
ここでは伝統的なアルタールではなく、もっと芸術的にアレンジした作品や独創的な死後の世界観を創りだしています。
最初の部屋には、青の世界にセンパスチルの森、奥にはドローレスが大好きだったディエゴとフリーダのアルタールが。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る隣のスペースでは死者の世界を等身大の大きさで表現。動きだけでなく表情も豊かで、とてもメキシコのガイコツらしくついつい笑ってしまいますね。こんな世界を見ていると、死後の世界も全く怖くありませんね。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る別のスペースではアルタールにお供えする「死者のパン」とキャンドルアートでできたガイコツで埋め尽くされた部屋。可愛いパンとリアルだけど綺麗な花を乗せたガイコツのコントラストがとてもおしゃれです。
街で見かける「死者のパン」はスペイン統治時代以降のもので、元々はタマレスというトウモロコシの粉でできた食べ物を人型にしてお供えしていました。だからこの人型のパンも「死者のパン」なんですね。
この展示は11月1日から3日までの三日間のみ開催です。この三日間のために、一ヶ月以上の歳月を費やして準備を行っています。それだけメキシコ人にとって「死者の日」とは特別な日だと言うことがわかります。
<ドローレス・オルメド博物館の基本情報>
住所:Av Mexico 5843, La Noria, 16030 Ciudad de Mexico, CDMX, メキシコ
電話番号:+52-55-5555-0891
アクセス:路面電車ラ・ノリータ駅から徒歩7分
開館時間:10:00〜18:00(月曜日:閉館日)
写真:スズキ ミズエ
地図を見る最後にご紹介する場所は「死者の日」の本来の姿を見せてくれる場所です。「死者の日」はお祭り騒ぎがメインではなく、故人と向き合う日です。是非お墓にも足を運んでみてください。そこには本来の「死者の日」の姿があります。
今回ご紹介する墓地は「パンテオン・ショコ(Panteon Xoco)」というメキシコシティ南部、コヨアカン地区にある墓地です。
墓地の周りにはお供え用の花がたくさん売られて、朝からかなりの大にぎわい。お参りに来る家族はここでお花を買って、先祖が眠るお墓を綺麗に掃除して…だけではないんです!やはりここでもセンパスチルや鶏頭(この花も死者の日に飾る花の一つ)でお墓をデコレーション。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るそしてこの世の家族、あの世の家族と一緒に過ごす時間。お墓の前で家族みんなで一夜を過ごしたり、食事をしたりする家族もいます。そしてこの日には墓地にはマリアッチ(楽団)までいて、お墓の前で演奏してみんなで聴く、なんて光景も目にすることができます。お墓にマリアッチ、なんともメキシコらしいですね。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る墓地にもちゃんとアルタールが作られています!
いかがでしたか?メキシコ中が盛り上がる「死者の日」。一番メキシコらしさが感じられる季節に訪れてみませんか?
<パンテオン・ショコの基本情報>
住所:Av. Mexico Coyoacan 375, Xoco, 03330 Ciudad de Mexico, CDMX, メキシコ
開門時間:9:00〜16:30
アクセス:地下鉄コヨアカン駅から徒歩10分
写真を撮る際には、周囲へのご配慮をお願いいたします。
今回ご紹介した場所は治安は特に問題ありませんが、人も多いので貴重品の管理、スリなどに十分注意してください。タクシーを使う場合は、ウーバーなどのオンラインタクシーを使うことをお勧めします。言葉の問題もなく、ボラれることもありません。
2019年10月現在の情報です。最新の情報などは公式サイトなどでご確認ください。
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