ブルガリア「バラの谷」でぜひ見たい!周辺おすすめスポット5選

ブルガリア「バラの谷」でぜひ見たい!周辺おすすめスポット5選

更新日:2020/02/24 11:30

たぐち ひろみのプロフィール写真 たぐち ひろみ 大人の旅ソムリエ、魅力あるコスパ旅案内人
ブルガリア・バラの谷地方の町「カザンラク」は、バラ祭りであまりにも有名。市内にも名所が多数あるが、もしここを訪れるなら、周辺地域もぜひ併せて旅してほしい。ということで、今回はカザンラク周辺のあまり知られていないスポットを5つご紹介しよう。

その1:シプカ修道院

その1:シプカ修道院

写真:たぐち ひろみ

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カザンラクから北へ14kmほど車を走らせたところに、「シプカ修道院」という美しい教会がある。赤茶色の壁、白い柱、そして金色の玉ねぎ屋根が美しいコントラストを作るこの僧院は、19世紀後半、ロシア・ブルガリア軍とトルコ軍との間で繰り広げられた「シプカ峠の戦い」で戦死したロシア兵のために1902年に建てられた。正式名を「キリスト生誕記念教会」といい、17世紀モスクワ様式を踏襲した正統派の正教会建築だ。

その1:シプカ修道院

写真:たぐち ひろみ

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鐘楼の鐘は重さ12トン。戦争で使用した銃の薬莢を集めて鋳造されたもの。教会内には戦死したロシア・ブルガリア兵の名前を刻む34枚の大理石が、地下室には17名の兵士たちの棺が並ぶ。悲惨な戦いを背景にしながら、この教会はあまりに美しい。

<基本情報>
住所:Shipka Memorial Church, 6150 Shipka
アクセス:カザンラクより車で20分
開館時間:9:00〜17:00(年中無休)
電話番号:+359-889-902-368
入場料:無料

その2:ゴリヤマ・タコスマトカ古墳

その2:ゴリヤマ・タコスマトカ古墳

写真:たぐち ひろみ

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カザンラクから一歩郊外に出ると、小さな小山をあちこちで目にするようになる。まるで日本で見かける円墳と同じ。そう、これらは古代トラキア人の古墳なのだ。こうした小山、カザンラク周辺だけでもゆうに120、ブルガリア全体では10万以上も現存するというからすごい。

その2:ゴリヤマ・タコスマトカ古墳

写真:たぐち ひろみ

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中でもぜひ訪れたいのが、この「ゴリヤマ・タコスマトカ古墳(Goliama Kosmatka Mound)」だ。カザンラクから北に13km、前述の「シプカ修道院」からも近い。カザンラク市内にある「トラキア人の墳墓」は内部が非公開だが、こちらはしっかり内部も見学できるのが魅力だ。

その2:ゴリヤマ・タコスマトカ古墳

写真:たぐち ひろみ

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セテウス3世は、紀元前331年から300年までオドリュサイ王国を統治した古代トラキアの王。その権威を反映して壮大な造りとなっているこの墓からは、数多くの黄金製品も出土している。

中に入ると、長い廊下を経て3つの小部屋が続く。一番奥が棺の間で、石棺を収めるための石囲いの中に石棺のレプリカが置かれている。

<基本情報>
住所:Tomb of Seuthes III, 6150
アクセス:カザンラクより車で15分
開館時間:9:00〜17:00(年中無休)
電話番号:+359-882-399-028 または +359-431-63762
入場料:大人 6Lv(約365円)、学生 2Lv(約122円)

その3:ダマセナ民俗博物館

その3:ダマセナ民俗博物館

写真:たぐち ひろみ

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ブルガリアといえばバラ。そのバラを愛でつつ、さらに民俗文化に親しめる場所が、この「ダマセナ民俗博物館」だ。博物館と名前につくが、もともとはローズオイルの精製工場。私営工場として営業を開始後、レストラン、シアター、ローズガーデンなどを加えて、2007年、新たに博物館としてオープンした。

その3:ダマセナ民俗博物館

写真:たぐち ひろみ

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初夏のバラ摘み後1ヶ月間は、蒸留器がそれこそフル稼働、オイル蒸留の現場をじっくり観察できる。それ以外の時期に訪れたとしても、蒸留のしくみについてはガイドが丁寧に説明してくれる(英語)。

3トンのバラからたった1sしか採れない貴重なローズオイル。「バラの谷」産のオイルは中でも価値が高いことで世界的に有名だが、この工場では、さらにオーガニックなバラにこだわり、他に類を見ない高純度のオイルを精製している。

その3:ダマセナ民俗博物館

写真:たぐち ひろみ

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民俗文化関連の展示も充実しているのが、この博物館の特徴。さまざまな民芸品、家具や調度、生活用品を眺めたり、実際触って楽しむことができる。

館内のショップにもぜひ立ち寄りたい。ローズオイル、ローズウォーター、ローズはちみつなど、ローズを原料としたオリジナル商品が数多く販売されている。

<基本情報>
住所:Ethnographic Complex Damascena, 24 Parvi mai Str, Skobelevo, Pavel bania
アクセス:カザンラクより車で30分
開館時間:4月〜9月 9:00〜19:30、10月〜3月 9:00〜17:00(年中無休)
電話番号:+35-886-777-681
入場料:大人 12Lv(約730円)、学生・小人 6Lv(約365円)、7歳以下 無料

その4:シプカ岳

その4:シプカ岳

写真:たぐち ひろみ

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バラの谷の「カザンラク」から古都「ヴェリコ・タルノヴォ」へ通じる道は、バルカン山脈越えの山道。その途上にあるのが標高1326mの「シプカ岳」だ。一帯はシプカ国立博物公園となっていて、「シプカ峠の戦い」で命を落としたロシア兵・ブルガリア兵のためのさまざまな記念碑や戦いにまつわるものを展示している。

その4:シプカ岳

写真:たぐち ひろみ

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ハイライトは「自由のモニュメント(Monument of Freedom)」。「シプカ峠の戦い」を記念して建てられた独立記念塔だ。駐車場から890もの段を上ってようやくたどり着けるこの塔は、高さこそわずか31.5mだが、山頂に建っているだけに見晴らしは格別。東西や北を眺めれば、ゆるやかなバルカン山脈の山並みがどこまでも続いている。

その4:シプカ岳

写真:たぐち ひろみ

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そして南側に広がるのは「バラの谷」だ。彼方に見える湖はコプリンカ貯水池。古代トラキア人が統治したオドリュサイ王国の首都セウトポリスが湖底に沈んでいる。

<基本情報>
住所:National Park Museum Shipka - Buzludzha, Shipka Peak
アクセス:カザンラクより車で35分
開館時間:4月〜10月 9:00〜19:00、11月〜3月 9:00〜17:00(年中無休)
電話番号:+35-943-162-495
入場料(自由のモニュメント):大人 2Lv(約122円)、学生 1Lv(約61円)

その5:エタル野外民俗博物館

その5:エタル野外民俗博物館

写真:たぐち ひろみ

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シプカ峠から、さらに北へ。山の木々の間をしばらく進むと、人里離れた場所に「エタル野外民俗博物館」が見えてくる。

この博物館には、美しい建物が数多く建ち並ぶ。もともとこの土地に建っていた家屋もあるが、近隣からこの地に移築してきたものも多い。中でも特に目を引くのが、この「ピーター・サーカの家(House of Peter Saka)」。18世紀半ばにガブロヴォの町に建てられた商家で、大きく張り出した2階部分と美しい装飾の施された窓が印象的だ。

その5:エタル野外民俗博物館

写真:たぐち ひろみ

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ただし、この博物館の最大のテーマは「水力」。近くを流れる川の水流を利用し、さまざまな機械や工具を動かし実演している。粉ひき機から、砥石、のこ、木工道具、洗濯機(写真)まで、その数10種類。水の力がここまで日常的に応用されてきた事実に驚かされる博物館だ。

その5:エタル野外民俗博物館

写真:たぐち ひろみ

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中でも思わず感心させれられるのが、この水力で高速回転する「木工旋盤」。削りたい木片を固定させノミで削る原理は電動旋盤と同じ。電気のない時代、こんな形でも人は水の力を利用していたのだ。

<基本情報>
住所:Architectural-Ethnographic Complex "ETAR", 5309 Gabrovo, Etara
アクセス:カザンラクより車で55分、カブロヴォより15分(路線バスあり)
開館時間:5月〜9月 9:00〜18:00、10月〜4月 9:00〜16:30(年中無休)
電話番号:+35-966-801-830
入場料:大人 5Lv(約304円)、学生 2Lv(約122円)、7歳以下 無料

じっくり周りたい、バラの谷周辺地域

バラの谷周辺の知る人ぞ知る見どころをいくつか紹介した。いずれも車以外でのアクセス方法がないため、レンタカーを利用するのがおすすめだ。

魅力たっぷりのブルガリア中部。ぜひ、ゆっくり、じっくり、周ってみよう。

2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

取材協力:ヒストリカル・パーク

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/09/09−2019/09/10 訪問

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