写真:島塚 渓
地図を見る旧堀氏庭園とは、銅山の経営で財を成した堀氏が、江戸時代から大正時代にかけて整備した一連の庭園。
この堀氏は、鎌倉時代に津和野に土着した一族で、戦国時代のころから鉱山開発を行っていました。その後、江戸時代には幕府直轄となり、次々に鉱脈を発見して隆盛を極めました。
その後、明治から大正にかけて、数十カ所の鉱山経営を行っていたため、「中国の銅山王」とまで呼ばれるようになったんです。
写真:島塚 渓
地図を見る旧堀氏庭園のなかで、最も古い建物が、天明5年(1785)に建てられた主屋です。
内装にも卓越した意匠が随所に施されており、例えば、格式の高い座敷の欄間には、鳳凰が天空を舞う姿がデザインされています。銅山経営で栄えた堀氏の栄華を感じさせてくれる空間になっていますね。
写真:島塚 渓
地図を見る主屋の南には、小規模ながら枯山水の庭園が備え付けられています。この主庭は、母屋の書院前に位置しており、江戸時代に広く普及した様式。周りは漆喰の土塀によって囲まれ、そのなかに石組みや置燈籠が配置されているんです。
写真:島塚 渓
地図を見る主屋の奥にあるのが、明治33年(1900年)に建築された「楽山荘」。2階建ての瓦葺で、開放感あふれる造りが特徴的。内部には茶室もあり、洗練された非日常的な空間としての役割を備えています。
写真:島塚 渓
地図を見る楽山荘庭園は、背後の岩山と鮮やかな植栽とのコントラストが印象的。園内には、モミジやツツジ、サツキなどの植物が植えられており、落着きと潤いを与えてくれます。また、十三重の石塔やその前方にある笠の大きな雪見灯籠など、大小17の灯籠や祠が配置され、庭園にアクセントを加えているんです。
写真:島塚 渓
地図を見る楽山荘庭園は、池を中心に庭を鑑賞する「池泉回遊式庭園」となっており、実際に園内を散策することが可能。いろいろな角度から、自分のお気に入りの風景を探すことができます。
また、高低差のある地形を活かすため、銅山の坑口から引いた水を、2段の滝として利用しています。滝の水音が心地よく、視覚だけではなく、聴覚からもお庭の雰囲気を感じることができる仕組みになっているんです。
写真:島塚 渓
地図を見る楽山荘庭園と道路を挟んだ向かいにあるのが、大正4年(1915年)に作庭された「和楽園」。傾斜のある土地を利用した、あずま屋や庭園の広がりを持たせるための石組が、随所に配置されています。自然の岩盤を活かしたこの石組は、滝などの自然景観を表す手法として、たびたび日本庭園で見ることができます。
写真:島塚 渓
地図を見る和楽園には、大小4つの池があり、その間を園路が巡っています。比較的小さな四角形の池は、鯉や鮒、鰻を養殖するためのもので、鑑賞の対象としてだけではなく、実用性も兼ね合わせていたんです。
住所:島根県鹿足郡津和野町邑輝795
開館時間:9:00〜16:30
入場料:一般500円、中高生300円、小学生200円
2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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