カティサーク号に天文台!世界遺産グリニッジお勧めスポット

カティサーク号に天文台!世界遺産グリニッジお勧めスポット

更新日:2019/10/12 13:07

小野 雅子のプロフィール写真 小野 雅子 わくわく探しの旅ライター
ロンドン市内にある4つの世界遺産の1つ、海事都市グリニッジ。街一帯が世界遺産となっているグリニッジの地名は、紀元1世紀にアングロサクソンが「緑の居住地」と名付けたのが由来です。

長い歴史があり見どころ豊富ですが、特に今回ご紹介する4つの博物館は必見。なおカティサーク号と王立天文台は入場料金がかかるものの、2か所セットのチケット購入で割引になる特典にご注目を。より満足度の高い観光を楽しめますよ!

中国から最速で紅茶を運ぶため誕生した「カティサーク号」

中国から最速で紅茶を運ぶため誕生した「カティサーク号」

写真:小野 雅子

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「日の沈まない帝国」と言わしめた大英帝国の最盛期を支えたのは、優れた海事力。そして安全かつ効率よく航海するためには天文学や気象学、航海術の発達が必須であり、中心地となったグリニッジには天文台や王立海軍大学などが設立されました。

そのグリニッジ河湾で象徴的な存在感を示すのが、カティサーク号。1850年代に中国からより早く紅茶を輸送するために開発されたティークリッパーと呼ばれる快速船のうち、唯一現存する貴重な「歴史の証人」として博物館になっています。

中国から最速で紅茶を運ぶため誕生した「カティサーク号」

写真:小野 雅子

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惜しくも補修工事中だった2007年に火災が発生したものの、工事のために解体保存して他の場所にあったマストやデッキの板材、船首部を含む装飾などの殆どが焼失を免れたのは不幸中の幸い。その後2012年に修復が完了し、晴れて一般公開が再開されたのです。

船底艙には中国からの積み荷だった茶箱のレプリカが積まれ、アヘン戦争など当時の世界情勢に関する解説を掲示。中甲板には当時の航海術の再現やシミュレーションゲームなどもあり、子供たちにも興味が持てるよう工夫されています。そして見学ルートの最後には主甲板に上がり、船員たちの生活や働きを想像しながら目前に拡がるテムズ川を見晴らします。

中国から最速で紅茶を運ぶため誕生した「カティサーク号」

写真:小野 雅子

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こちらはカフェ。かつて中国からお茶を運ぶために大活躍したカティサーク号の船底を見上げながら楽しむティータイムは、格別ですよ!

<カティサーク号の基本情報>
住所:Cutty Sark, King William Walk, Greenwich Peninsula, London SE10 9HT
電話番号:+44-20-8858-4422
アクセス:カティサーク・フォー・マリタイム・グリニッジ駅から徒歩2分、またはグリニッジ駅から徒歩5分

セット購入で15%〜23%引き!天文台とカティサーク号

セット購入で15%〜23%引き!天文台とカティサーク号

写真:小野 雅子

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ところで多くの人がグリニッジと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、天文台や子午線そしてグリニッジ標準時ではないでしょうか?

安全で効率的な航海をするために欠かせなかった天文学や気象学。ひいては観測した平均太陽時から定めた標準時や、世界で共有する緯度・経度の基準を求めてきた場所が、この王立天文台です。現在では観測所としての機能はなく、博物館として一般公開されています。

セット購入で15%〜23%引き!天文台とカティサーク号

写真:小野 雅子

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創設は1675年にも遡り、初期の観測機器はまるで中世の物語に出てくる挿絵のよう。古びた木製の天体望遠鏡から初期のクロノメーターなどが展示され、いにしえの科学者たちの功績を称えます。

中庭にある子午線を示す金属製のプレートは、もちろん外せない観光名所。1851年にジョージ・エアリーが設定したことからエアリー子午線とも呼ばれ、この線を踏んだり跨いだり飛び越えたり・・・と絶好のフォトスポットです。

セット購入で15%〜23%引き!天文台とカティサーク号

写真:小野 雅子

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ところでカティサーク号と王立天文台の入場料金は、当日券とオンライン事前購入で金額が違います。また2か所セットで買うと割引になる「デイ・エクスプローラー」という、お得なシステムもお勧めです。

簡略にご説明すると、カティサーク号と王立天文台それぞれを当日、大人料金で払うと15ポンドと16ポンドで合計31ポンド(オンライン事前購入だと合計27.90ポンド)。でもその2か所セットである「デイ・エクスプローラー」を選べば当日券でも約15%引き、オンライン事前購入なら約23%引きとなり更に安くなります。もし両方とも訪ねる予定ならば、ぜひ活用したいシステムですよね!

<王立天文台の基本情報>
住所:Royal Observatory Greenwich, Blackheath Ave, Greenwich, London SE10 8XJ
電話番号:+44-20-8858-4422
アクセス:グリニッジ駅から徒歩10分

海の英雄たちの軌跡を追う 国立海事博物館

海の英雄たちの軌跡を追う 国立海事博物館

写真:小野 雅子

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いっぽうイギリスを黄金期に導いた海事史をつぶさに展示しているのが、国立海事博物館です。豊富な資料はもちろんのこと今も英雄として尊敬されるネルソン提督のトラファルガー海戦や、キャプテン・クックと慕われる海軍士官かつ探検家ジェームズ・クックらの航海を辿ったり、ストーリー性のある展示が充実しています。また航海シミュレーションなどゲーム感覚で学べるものは、子供たちにも人気です。

海の英雄たちの軌跡を追う 国立海事博物館

写真:小野 雅子

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館内ショップの品揃えも、船舶や航海にまつわるアイテム揃いです。アンティークな方位磁石のレプリカなど、ちょっと素敵なインテリア小物になりそう。エコバッグや可愛らしいキャラクター商品もあり、海事都市グリニッジならではのお土産を探せますよ!

海の英雄たちの軌跡を追う 国立海事博物館

写真:小野 雅子

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また地下一階の特別展示フロアーでは、2019年7月19日から2020年1月5日までの限定期間で「ザ・ムーン」を開催しています。アポロ11号の月面着陸50周年に合わせ、古代から我々人類を魅了してやまない「月」に関して、科学やアートなど様々な視点から考察。ちなみに国立海事博物館は常設展示だけならば入場無料ですが「ザ・ムーン」は特別展につき大人10ポンド、小人6.50ポンド(オンライン事前購入だとそれぞれ9ポンドと5.85ポンド)となります。

<国立海事博物館の基本情報>
住所:National Maritime Museum, Park Row, Greenwich Peninsula, London SE10 9NF
電話番号:+44-20-8858-4422
アクセス:グリニッジ駅から徒歩5分

ヘンリー8世らチューダー朝の遺産「クィーンズハウス」

ヘンリー8世らチューダー朝の遺産「クィーンズハウス」

写真:小野 雅子

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小高い丘の上にある王立天文台から見下ろすと、左右対称の特徴的な旧海軍大学とともに眺められるクィーンズハウス。その彼方にある新興金融街カナリーウォーフの高層ビル群を背景にした、世界遺産グリニッジのユニークな風景です。

そこで最後に、今や美術館として名高いクィーンズハウスをご案内しましょう。ここも国立海事博物館と同じく常設展示場は入場無料ですので、時間があれば是非お寄りください。

ヘンリー8世らチューダー朝の遺産「クィーンズハウス」

写真:小野 雅子

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最初にこの建物の建設を命じたのはジェームズ1世王で、設計を申しつかったイニーゴ・ジョーンズによるチューダー様式の傑作が完成したのは1636年。その後200年以上にも渡り王室の居城でしたが、1805年にジョージ3世の大英断により海難事故で海軍兵士の父親をなくした子供たちのための孤児院になりました。やがてその施設がサフォーク州に移転したため、クィーンズハウスは国立海事博物館の一部となったのです。

17世紀以降の巨匠たちによる絵画コレクションはゲインズボロー、レイノルズ、ターナーやホガースなどの作品を含む充実ぶり。また室内の装飾も華美すぎず素敵で、時代の変遷を経ても衰えない美しさを味わえます。

ヘンリー8世らチューダー朝の遺産「クィーンズハウス」

写真:小野 雅子

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展示品の中には、17世紀から18世紀を中心にした古伊万里コレクションもあります。世界遺産グリニッジにある旧王室居城で日本の芸術に出会うのも、良い旅の思い出になるでしょう。

<クィーンズハウスの基本情報>
住所:Queen’s House, Romney Rd, Greenwich, London SE10 9NF
電話番号:+44-20-8858-4422
アクセス:グリニッジ駅から徒歩5分

見どころいっぱい!世界遺産の海事都市グリニッジ

他にもセントポール大聖堂で有名な建築家クリストファー・レンが設計した旧王立海軍大学や、その大広間・ペインテッドホールに描かれた壮大な絵巻物のような絵画群。また聖ピーターおよび聖ポールの礼拝堂など、数多くの見どころがひしめくグリニッジ。テムズに面した河湾や広々とした公園での散策もかねて、ゆっくり堪能してくださいね!

2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/09/26 訪問

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