写真:潮 佳澄
地図を見る宮沢賢治が詩“雨ニモマケズ”を書きつけたのと同じ手帳に“経埋ムベキ山”として岩手県内にある32の山が書かれています。その内の一つである胡四王山は、最もゆかりの深い山のひとつ。宮沢賢治記念館の展望ラウンジからは、宮沢賢治が愛した花巻の町並みを見渡せます。
紹介する「宮沢賢治記念館」と賢治ファンだからこそ訪れたい「宮沢賢治イーハトーブ館」には高低差があり、宮沢賢治設計の花壇がある「ポランの広場」で繋がっている位置関係となっています。
・「宮沢賢治記念館」→「ポランの広場」→「宮沢賢治イーハトーブ館」
・「宮沢賢治イーハトーブ館」→「ポランの広場」→「宮沢賢治記念館」
どちらかのコースで巡るようにすると、童話の世界の中に入っていくように楽しめる「宮沢賢治童話村」へのアクセスもしやすくなります。
写真:潮 佳澄
地図を見る「宮沢賢治記念館」は、1982年9月21日没後50回忌の“賢治祭”に開館しました。2015年にはリニューアルも行われ、国内外から多くの人が訪れています。
映像による紹介や音楽ライブラリーもあり、多彩なジャンルにわたる宮沢賢治の心象世界が感じられる施設です。また、宮沢賢治は没後に作品が広く知られるようになった作家のため、現存する初版本や資料を目にすることが珍しい作家でもあります。記念館には、ここでしか見られない愛用品・自筆原稿・関係資料も多くあります。
ギャラリートークやイベント、年3回入れ替わる特別展もあるので、事前にスケジュールを確認するのもおすすめです。
<基本情報>
住所:岩手県花巻市矢沢第1地割1番地36
電話番号:0198-31-2319
アクセス:
花巻空港ICより車で20分。
新花巻駅から路線バス 宮沢賢治記念館口下車後、急な上り坂または階段(約367段)を徒歩約15分
※ページ下部[関連MEMO]「花巻「宮沢賢治記念館」幻想に誘われるイーハトーブの世界」では、宮沢賢治記念館を詳しく紹介しています。
写真:潮 佳澄
地図を見る賢治の作品名から名付けられた「ポランの広場」は、緑が豊かで山の自然を感じられる散策路です。
“これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。”(童話集『注文の多い料理店』序文より)
生前に刊行された童話集『注文の多い調理店』序文に、宮沢賢治が書き記した言葉通り、鳥たちの鳴き声が聞こえたり、秋にはたくさんの木の実が落ちていたりする林の中を歩いていると、賢治童話の世界が思い起こされます。広場周辺には賢治の童話に関わるレリーフやモニュメントがあるので、探しながら歩いてみてくださいね。
写真:潮 佳澄
地図を見る広場にある南斜花壇と日時計は、賢治が花巻温泉のために設計したもの。設計図や手紙を手がかりに復元がされました。南斜花壇は南域の唐草模様を取り入れた異国を思わせる花壇です。
写真:潮 佳澄
地図を見る宮沢賢治は花壇設計にも力を注ぎ、たくさんの花壇を設計しました。農民教育や稲作指導などを行った羅須地人協会を立ち上げた頃に使われていたとして知られる手帳「MEMO FLORA」には“tearful eye(涙ぐむ眼)”という眼の形をした花壇の設計図も残されています。
花壇のスケッチは「宮沢賢治記念館」内の<農>のコーナーで見ることもできます。言葉だけでなく、芸術や植物の世界でも自身の世界観を表現したことが感じられる場所です。
<基本情報>
アクセス:バス停・宮沢賢治記念館口より徒歩約10分
入館料:無料
写真:潮 佳澄
地図を見る「宮沢賢治イーハトーブ館」は宮沢賢治に関する資料、情報、交流のセンターとして、さまざまなジャンルの芸術作品や研究論文が整理され、わかりやすく公開がされている施設です。展示場は1階フロアのみですが、賢治の世界に関心のある人にとって興味深い企画展が行われています。
また、ホールでは賢治作品のアニメの上映も行われています。売店では賢治に関わる多くの書籍が集められていて、タイトルを見ただけでどれを買おうか迷ってしまうほど。通常の書店ではなかなか見比べることができない絵本や各種作品集もそろっているので、ファン必見のショップです。装丁で選ぶもよし、好きな作品を改めて手に入れるもよし、ぜひお気に入りの一冊を探してみて。
<基本情報>
住所:岩手県花巻市高松1-1-1
電話番号:0198-31-2116
アクセス:バス停・賢治記念館口より徒歩約3分
入館料:無料
宮沢賢治ファン必見の花巻・胡四王山にある「宮沢賢治記念館」「ポランの広場」「宮沢賢治イーハトーブ館」を紹介しました。お得な共通券も販売されているので、行く場所にあわせてチケットを選びましょう。花巻・胡四王山を巡って、賢治の世界を旅してくださいね。
2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
潮 佳澄
図書館の人ってインドアだと思っていませんか?本を片手に旅する司書(図書館員)です。たくさんの本を知ると物語の先にある土地、文化、歴史、ありとあらゆるものに触れたくなります。そして、旅先で得たものを活か…
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