写真:乾口 達司
地図を見る奈良公園の一角にある奈良国立博物館は、東京国立博物館・京都国立博物館・九州国立博物館と並ぶ我が国有数の国立博物館。1895年(明治28)、帝国奈良博物館の名で設立され、仏像をはじめ、貴重な文化財が多数収蔵・展示されています。毎年秋に開催される正倉院展の会場として、その名を知る方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな奈良国立博物館の南側に庭園が広がっていること、ご存知ですか?普段は非公開のため、一般人の立ち入りは認められていませんが、毎年秋におこなわれるイベント「秋の庭園を散策しませんか?」の際に園内を散策することができます。
庭園公開は無料。ただし、入園は一般の入り口とは異なり、ご覧の露地門からとなるため、お間違えのないように。
写真:乾口 達司
地図を見る庭園公開の最大の目玉は、池の横に建つご覧の建物。「八窓庵(はっそうあん)」と呼ばれている茶室で、興福寺の塔頭・大乗院の庭園にあったものを明治時代になって当地へ移設したもの。「含翠亭(がんすいてい)」とも呼ばれており、江戸時代中期に建てられました。
江戸時代の茶人・古田織部好みの茶室でやはり興福寺の塔頭・慈眼院にあった「六窓庵」、東大寺の塔頭・四聖坊にあった「隠岐録」とあわせて大和の三茶室といわれるほどの名高い茶室です。その構造は茅葺の入母屋造で、一見、草庵のようなたたずまいを見せています。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は茶室への上がり口を撮影したもの。当日は外から内部をのぞくこともできるので、ぜひご覧ください。
写真:乾口 達司
地図を見る禅宗の円相を連想させるこちらの窓も風雅ですね。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は八窓庵の控室となる「寄付き待合(よりつきまちあい)」。客人はここで身支度を整え、亭主から声のかかるのを待ちます。
もとは正倉院御物の古裂整理などを目的として、1915年(大正4)に建てられた建物。その後は奈良国立博物館の事務所としても使われていました。
ここで必見なのは、紅葉!その美しさに魅了されること、間違いありません。
写真:乾口 達司
地図を見る露地を埋めつくす落ち葉もいいものです。
写真:乾口 達司
地図を見る園内には文化財クラスの石塔も点在しています。
写真は「般若寺型燈籠(はんにゃじがたとうろう)」と呼ばれている石塔で、火袋の下部には十二支の動物が刻まれています。最下部の基礎部分にはオスとメスのシカも刻まれており、野生のシカが数多く暮らす奈良にふさわしい造型となっています。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらはいわゆる「国東塔(くにさきとう)」と呼ばれている石塔で、鎌倉時代の作。大分県の国東半島に多く見られるタイプのものです。
ほかにも、「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」と呼ばれる中世の石塔などがあり、石塔好きにはたまらないスポットとなっています。
写真:乾口 達司
地図を見る八窓庵と寄付き待合とのあいだには、ご覧のような土橋も設けられています。こちらも風情がありますよ。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらはアラカシの巨木。よく見ると、幹の部分が空洞化しているのが、おわかりいただけるでしょう。しかし、樹木としての勢いはまったく衰えていません。その珍しい姿も必見です。
写真:乾口 達司
地図を見る園内にはボランティア解説員も巡回しています。わからないことがありば、気軽に訪ねてみましょう。
奈良国立博物館のイベント「秋の庭園を散策しませんか?」がいかに貴重なものであるか、おわかりいただけたでしょうか。お庭散策の門的で訪れるのもよし、茶の世界を堪能するのもよし、紅葉狩りを楽しむのもよし。特定の時期にしか公開されない庭園であるからこそ、この機会に奈良国立博物館を訪れ、庭園の多面的な魅力を見つけてください。
日時:2019年11月23日(土)〜11月24日(日)
午後1時〜午後4時(最終入園時間は午後3時30分)
入園料:無料
住所:奈良市登大路町50番地
電話番号:050-5542-8600
アクセス:近鉄奈良駅より徒歩約15分
2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2025/2/15更新)
- 広告 -