写真:藤 華酉
地図を見る中世晩餐会の舞台、ボンラッティ城は、アイルランド第三の都市リムリックの郊外にあります。首都ダブリンからは新幹線で2時間弱なので、車を持たない旅行者にも行きやすい立地です。
写真:藤 華酉
地図を見る現在のボンラッティ城は、アイルランド各地の歴史的な家々が集められたテーマパーク、「ボンラッティ民芸村」に囲まれています。日本でいうなれば明治村のようなテーマパークで、中世の民家や豪農の家、近世に入ってからの街並みなどが移設されており、こちらも見ごたえのある場所です。
また、ボンラッティ民芸村には、驚く程広い畑や放牧地があり、多様な野菜が植えられ、動物がのびのびと暮らしています。
中世晩餐会のチケットを持っている方は民芸村の入場料が半額になりますので、是非昼間の内にご満喫ください。何故なら、ここで育てられている動植物が今夜あなたの口に入る事になるのですから……。
写真:藤 華酉
地図を見る日が暮れてボンラッティ民芸村がいったんクローズすると、お城は晩餐会の始まる45分前から再オープンします。
まずはバイオリンやハープの前奏を聞きながら、中世の伝統的な蜂蜜酒、甘いミードを頂きます。続々と招待客がやって来ますが、ホストの方々はとっても親切。一人ひとりに、「どこからいらしたの?」「名物のソーダブレットはいかが?」と会話を持ちかけてくれます。
すっかり魂が中世にタイムスリップしたゲストたちの中には、「ヴァイキングの国から」や「〇〇の領土から」なんてユーモアたっぷりに応えている人々も。どんなネタも快く拾ってくれるようなので、寛いだ雰囲気です。
写真:藤 華酉
地図を見る食卓の準備が整うと、ゲストたちは早速お城の居間へと通されます。
長テーブルに長椅子、様々なグループとの相席と、雰囲気は至ってフランク。晩餐会に心が浮き立つのは全世界共通なのか、参加者同士の会話も弾んでいます。
写真:藤 華酉
地図を見る中世料理って何?泥とか?と心配になるかも知れませんが、ボンラッティ城の料理は伝統を押さえつつも美味しいお味。お楽しみのお料理の時間です!
たっぷりの野菜は、城の裏庭=ボンラッティ民芸村の広大な農地で収穫されており、産地直送の旬の味。
自慢の野菜たっぷりのポタージュや、蜂蜜とマスタードのソースで味付けしたスペアリブ、鶏肉と根菜の炒め物、林檎を使ったデザートまで付いて、ボリュームはたっぷり。豚に鶏とメイン料理が二品あると言う訳で、中世人の強靭な胃袋が伺い知れます。是非公式ホームページで、今季のメニューをご確認ください。
更には壺で饗される白ワイン、赤ワインが呑み放題。どんどん出て来ます。
写真:藤 華酉
地図を見る「中世らしく」、カトラリーはナイフ一本のみ。最初は皆さん不安そうな顔になりますが、スペアリブも鶏肉も食べやすい大きさに切ってあるので、中世初心者でも安心です。
もはや「横の人が飲み始めたら、一緒に飲んであげるのが本当の礼儀」のような例えでしか出て来ない、指を洗う為の飲んではいけない水、フィンガーボウルも添えられています。
中世のテーブルマナーは、ナイフで「人を刺さない」から始まっていたようですので、むしろ現代アイルランドより寛容と言えるでしょう。
写真:藤 華酉
地図を見るボンラッティ城の晩餐会が年中無休で大盛況な理由は、料理が美味しい為ばかりではなく、ホスト達の会話が面白いからに他ならないでしょう。城の案内や料理の紹介も漫才調で、決して押しつけがましくなく、参加者たちを楽しい中世の登場人物にしてくれます。
いやあ、英語は得意ではなくて……と言った方もご安心を。ボンラッティ城の中世晩餐会の参加者はほぼ100%が外国人の観光客。我々日本人と同じく、英語は第二言語なんですよね…と言った方ばかりです。そんな人々にも分かりやすく笑いを提供するのがプロの中世人の仕事ぶり。
日本人は楽しんでいても大人しくてシャイという事も完全に知れ渡っていますので、無理に会話を振られる事もなく、安心して無言で聞いていられます。
写真:藤 華酉
地図を見る誕生日や特別な記念日を事前に連絡しておくと、「今日の王様/女王様役」に選ばれる事もあるようです。
他領土から訪れた王様という設定で、王冠を載せられ、「こちらのお料理は是非王様にお味見して頂きましょう!」「お気に召されなかったらどうしましょう……」「王様役をすげ替えればいいだけさ!ハッハァー!」というような漫才のネタにされながら歓迎して貰う事が出来ます。
写真:藤 華酉
地図を見るまた、素敵な晩餐会には音楽がつきものです。前奏のハープやバイオリン、お食事中のその生BGMの優雅さも素晴らしいのですが、晩餐会の最後には中世音楽の合唱まであります。
実質、フルコースの料理+プロによる愉快な漫才+生BGM+合唱で構成されている中世晩餐会。五感をフルにして楽しむ、古いようで新しい一大エンターテイメントです。
写真:藤 華酉
地図を見る詳しくてギネスビール、興味が無ければ、草と…芋と…ラグビーで日本が勝った…ぐらいの印象しかないかもしれない遠い国、アイルランド。
しかしその観光地は、ヨーロッパでも指折りの<中世>推しの国です。近世に一時開発が止まったからこそ残された中世の廃城の数々は、訪れた人々を中世ファンにすること間違いなし。ましてやボンラッティ城で、美味しい中世料理、楽しい中世漫才、フレンドリーな中世ホスト達にもてなされれば、中世インスピレーションは極限まで良くなる事でしょう。
ボンラッティ城では、子供の頃に出会ったきりの「晩餐会」が、現代に生きる皆さんを待ち受けています。
住所:Bunratty West, Bunratty, Co. Clare
電話番号:+353-61-711-222
<晩餐会に招待されるには>
・中世晩餐会に参加する為には、事前の予約が必要
・ボンラッティ城はほぼ一年中、毎日晩餐会が開催されている
・通常は一日二回、17時30分、20時30分から
・頻繁に団体客の予約があり、予約が出来ない日にち、時間帯も複数あり。早めの確認、予約が安心
2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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