写真:下川 尚子
地図を見る慈恩禅寺は慶長11年、当時の八幡城主遠藤但馬守慶隆公が開基となり、京都から勧請した半山禅師によって創建されました。
最盛期には100人ほどの僧が修行を積む道場でしたが、明治26年に起こった集中豪雨により裏山が崩壊し、多くの伽藍が埋没。敷地は3分の1ほどとなりました。その後、明治29年には本堂と書院が再建され、今も厳かなたたずまいで郡上八幡の町に溶け込んでいます。
写真:下川 尚子
地図を見る山門をくぐり境内へ入ると、参道の左手に鐘楼があり、その奥に本堂が見えます。拝観料は500円。受付を済ませたら、順路に従って参拝へ向かいましょう。
写真:下川 尚子
地図を見る慈恩禅寺の大きな見どころが、奥庭の「てっそう園」。受付後に順路を進むとすぐに大きな広間があらわれ、その向こう側に美しい庭園が広がります。
自然の地形である岩山と流れ落ちる滝を背景として、池の周辺にはもみじが枝を広げ、池には鯉が泳いでいます。作庭は初代の半山禅師。その禅の心境を表したのがこの庭園とされています。
写真:下川 尚子
地図を見る禅宗のお寺では「日頃の生活そのもの」を大切にする教えがあり、目の前のものに一生懸命向かう、ということが大切にされてきました。日々の掃除や庭の手入れもそのひとつ。そんな日々の「作務」のもとに守られてきたのがこの庭園なのです。
ちなみに「てっそう」とは、つる草のひとつで強い繁殖力を持ちます。庭園内にも見られるほか、門のそばにもありますよ。
慈恩禅寺は紅葉の名所としても知られ、秋には鮮やかな景色が見られます。その他、初夏には柔らかな新緑、冬は雪景色など、その季節ならではの彩りが感じられるのが魅力。最近ではフォトジェニックなスポットとしても注目を集めており、郡上八幡の観光をする際には、ぜひ立ち寄りたい場所と言えるでしょう。
写真:下川 尚子
地図を見るてっそう園の一画には水琴窟もあります。水琴窟とは、庭園に設置された甕に水滴を落とすことで反響して澄んだ音を奏でる、日本庭園の優れた技法。とてもひそやかな音ですが、静かにして近くに寄り、耳を澄ましてみると聞こえるはず。ぜひ時間をとって、耳を傾けてみてくださいね。
写真:下川 尚子
地図を見る奥庭だけでなく、中庭にも注目を。こちらは白い砂で流れを表した枯山水の庭園。
写真では、手前が亀、奥が鶴を表し、鶴と亀が向かい合う姿を表したとてもおめでたい庭園です。坪庭のように周囲の回廊から見られますので、それぞれの角度から眺めてみるといいでしょう。
写真:下川 尚子
地図を見る慈恩禅寺の参拝は、順路に沿って進むと奥庭、中庭を回って最後に本堂でお参りをするという順序になっています。ご本尊は釈迦如来。堂内には薬師如来もいらっしゃいますので、心を落ち着けてお参りを。
写真:下川 尚子
地図を見る慈恩禅寺というとてっそう園が有名なのですが、もうひとつおすすめしたいのが念寿(念珠)づくり体験の「お薬師様のご祈祷お念寿」。自分で好きな珠・中に通す紐を選び、ぴったりのサイズを選んで念珠をつくる体験です。
和尚さんから直接手ほどきを受けながら、好みの石や色、願いことを相談しながら、自分だけの一品を作ることができます。
写真:下川 尚子
地図を見る珠を選び、サイズに合わせて結んでもらったら、その後は自分の念珠のためだけに薬師如来の前で祈祷を行っていただけます。
念珠というとその宗派によって仕立てや扱い方に多少差があるため、あくまで「公式な場では自分の宗派のものを」が基本。そんな中この体験をされているのは「お守りやアクセサリー感覚で、思い入れのあるものをつくってもらえたら」というお寺の思いから。石の組み合わせはアドバイスをいただきながら作れますので、知識がないから…と怖がることはありません。
なお「お薬師様のご祈祷お念寿」は基本的に事前予約が必要となります。体験してみたい方は、まず問い合わせをしてみてくださいね。
住所:岐阜県郡上市八幡町島谷339
電話番号:0575-65-2711
アクセス:郡上八幡インターから7分
念寿(念珠)づくり体験:6000円〜(要予約)
2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:岐阜県
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(2025/2/15更新)
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