長野八ヶ岳「国宝土偶」の縄文メッセージ。茅野市尖石縄文考古館

長野八ヶ岳「国宝土偶」の縄文メッセージ。茅野市尖石縄文考古館

更新日:2019/11/02 10:27

Ise Shinkurouのプロフィール写真 Ise Shinkurou
長野県から山梨県にまたがる八ヶ岳周辺は縄文黒曜石が出土する地域として知られています。ですので麓の村は、黒曜石が光る様から「星降る里」との言い伝えが。なかでも長野県茅野市は雲母を表面にまとった縄文土器・土偶が出土しています。国宝指定の土偶「縄文のビーナス」「仮面の女神」が持つ縄文メッセージを受け取りに、「尖石史跡公園」と「茅野市尖石縄文考古館」へ行ってみませんか?

四千年の眠りから目覚めた「縄文のビーナス」

四千年の眠りから目覚めた「縄文のビーナス」

写真:Ise Shinkurou

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豊かな森が広がる八ヶ岳の麓は、縄文文化の宝庫。そしてこの地域一帯から出土した縄文土器・土偶などが、「星降る中部高地の縄文世界」として日本遺産に認定されました。

縄文黒曜石鉱山がある八ヶ岳麓の里は、火山性ガラスの黒曜石がキラキラ光る様子から「星降る里」とも呼ばれてきました。

縄文土器・土偶では日本有数の出土数を誇る八ヶ岳エリアですが、中でも国宝土偶二点「縄文のビーナス」「仮面の女神」は、五千年昔の造形美で多くの人々を魅了し続けています。

そしてこれらの出土品を目にしながら、日本人のルーツとも言われる縄文文化を満喫できるのが「尖石史跡公園」と「茅野市尖石縄文考古館」なのです。

四千年の眠りから目覚めた「縄文のビーナス」

写真:Ise Shinkurou

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考古館周辺の広大な敷地は、「尖石史跡公園」として整備され、縄文中期の住居が復元されています。

ナラ、クリなどの落葉広葉樹の木々に囲まれた竪穴住居。これはまさに四千年以上前の縄文集落そのものです。

星降る中部高地に迷い込んだかのような、素敵な雰囲気を醸し出しています。日本人のルーツに思いをはせながらの散策に最高のロケーションとなっています。

日本の原点とも言える縄文時代の造形美

日本の原点とも言える縄文時代の造形美

写真:Ise Shinkurou

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「茅野市尖石縄文考古館」の館内には、国宝土偶「縄文のビーナス」「仮面の女神」を中心に八ヶ岳山麓から発掘された土器、石器、装飾品など、約2000点の資料が展示されています。

これらの縄文時代の出土品は、個性豊かで独創的。出土数としても日本最多。早速、縄文時代からよみがえったメッセンジャー土偶をご紹介しますね。

日本の原点とも言える縄文時代の造形美

写真:Ise Shinkurou

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考古館の目玉はやはり「縄文のビーナス」「仮面の女神」。本物の国宝土偶二点を360度どの方向からも身近に見られるなんてこの施設ならでは。

「縄文のビーナス」の表面は雲母がキラキラ輝き、五千年も土の中で眠っていたとは思えないほど光沢があり美しい。

さらにお薦めは、土偶内部の様子を映し出すCTスキャン画像。土偶に込められた祈りの世界を、五千年後の現在に、目る事が出来るのです。

また「仮面の女神」は黒く燻して焼かれている表面が素敵です。どちらも素晴らしい造形美で縄文の世界観を満喫できます。

日本の原点とも言える縄文時代の造形美

写真:Ise Shinkurou

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このコーナーには「仮面の女神」が出土したときの様子が再現されています。「仮面の女神」も国宝指定を受けています。縄文後期の土偶で、墓と考えられている穴から、副葬された状態で出土しました。

逆三角形の仮面をかぶり、とても神秘的な姿。発掘の様子を再現してあると、発掘に参加していなくても臨場感いっぱいですよね。

自分だけの土偶作りに挑戦

自分だけの土偶作りに挑戦

写真:Ise Shinkurou

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体験コーナーでは、粘土1sで土笛・ふくろう笛・土鈴などを作ることが出来ます。大きさにも寄りますが、2〜3個を約1時間ほどで完成。

時間があれば、15pほどの土偶縄文のビーナスか仮面の女神を作ることが出来ます。こちらは2時間ほどかかりますが、スタッフの説明や作り方のリーフレットがあるので大丈夫ですよ。

どちらも空席があれば予約なしでも体験できます。旅の思い出に自分だけのビーナスを作るのも素敵ですよね。

自分だけの土偶作りに挑戦

写真:Ise Shinkurou

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土器作りではなく、もう少し気軽に楽しめる面白い体験もあります。木の実(ドングリ)を石ですり潰す、火起こし、パズル、縄文編み物の編み方体験など。こちらは無料で参加できます。

実際に体験しながら、縄文時代の暮らしに思いをはせる。縄文人の衣食住を体感できる興味深い内容ですね。是非親子でカップルで日本人のルーツの生活を満喫して下さい。

自分だけの土偶作りに挑戦

写真:Ise Shinkurou

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体験の締めくくりはインスタ映えする写真撮影。縄文時代の衣服に関しては、完全な形では出土していませんが、「編布(あんぎん)」と呼ばれる布の一部が発見されています。

ですが館内には土偶と同じデザインが施された衣装が再現され、それを実際に着ることが出来ます。シンプルだけれどオシャレで、現代人の感覚にもぴったり。

縄を編む人形、イノシシやシカの剥製と一緒に記念撮影を楽しめます。お薦めの縄文人なりきりコーナーです。

茅野市尖石縄文考古館の基本情報

住所:長野県茅野市豊平4734-132
電話番号:0266-76-2270
アクセス:中央自動車道諏訪ICより車で約20分
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(休日の場合を除く)・年末年始・休日の翌日

2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/10/02 訪問

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