写真:鮎川 キオラ
地図を見る巨大な石を目の前にすると、そのパワーに圧倒されます。だからこそ、古来より人は巨石に神の姿を映し、ご神体として崇拝してきました。それは誰もが持つ自然への畏敬の念。数千年の時を経て生きる森の中に佇む巨石は、しっとりと濃い緑色の苔に覆われています。いったいだれが、いつから、この巨石をここに置いたのでしょう。
巨石のある丹内山神社は、弘法大師の弟子(日弘)によって平安時代に創建されたと伝えられています。平泉の藤原氏が篤く信仰し、近世には盛岡藩主の祈願所として大切に保護されていた神社です。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る「巨石」と言われても、その大きさは写真ではなかなか伝わりません。そこで、どれだけ巨大か実感していただくために、写真の子供(身長130cm)と比較してみてください。この巨石の大きさを実感していただけたでしょうか。
その大きさは、高さ4.5m、幅11.6m、奥行9.3mとなります。石のすぐ後ろに力強く伸びる巨木は、驚くことにこの石の上に生えています。まるで巨石から強力なパワーを吸って成長しているかのようです。
よく寝室の観葉植物は枯れやすいと言われます。それは、人の疲れた気を吸い込んでしまうからなのだそうです。それとは逆に強力なパワーやエネルギーが集まる場所では植物が生き生きとするのでしょう。
写真:鮎川 キオラ
地図を見るこちらの巨石は、「アラハバキ大神の巨石」として1,300年以上前からご神体として祀られてきました。実のところ、「アラハバキ大神」は、風土記などにいっさい名前が登場しない「謎の神」なのです。研究している学者の間でも諸説あり、歴史ファンの一部からはパワーがありすぎて歴史上消されたなんて説まであります。そんな謎のパワー宿した巨石は、胎内石とも呼ばれています。巨石のわずかな隙間を壁面に触れずにくぐり抜けると大願成就と伝えられているのです。
それでは、大願成就を願って胎内石くぐりをしましょう。入口には、鈴がありますので鳴らすことで身を清めてからお入りください。
胎内石の入口は幅50cmほどと、男性でも身をかがめれば楽々中に入れます。しなしながら、入ってすぐに難関が!!わずかな隙間の真ん中に、これまた大きな石が鎮座しているのです。石を避けて横を通過するより、石の上をよじ登って通過すると壁面に触れずにこの難所を通過できます。
でも、ここで安心してはいけません。最後の出口が見た目よりも低く狭いのです。この胎内石くぐりは、まるで人生のようだと思いませんか。簡単に入れるけど、難所が待ち受け、最後まで気が抜けないのです。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る丹内山神社は、花巻市街地から遠野方面へ向かう途中、のどかな里山が広がる集落の中にひっそりと佇んでいます。藤原氏や南部藩主をはじめ、時の権力者をひきつけてきた独特の雰囲気を持っています。
胎内石くぐり以外にも、この神社にはおもしろい七不思議が残っています。「境内には竹が生えない」「日照りが続いても枯れない手水鉢」「雪が積もらない石」などその多くが、石や木など自然に関係する伝説です。厳し自然条件の東北にあって、自然を神様同様に大切に思っていたことが伺えます。
神社の本殿は、文化7年(1810)に再建され、見事な彫刻で飾られています。参拝の後は、ぜひぐるっと一周回ってその名工の技術を鑑賞するのをお忘れなく。
【丹内山神社】
岩手県花巻市東和町谷内2-303
0198-44-2623(小原宮司宅)
狭い洞窟や割れ目を通り抜ける「胎内くぐり」は、修験者が身を清め、新しく生まれ変わるという考えから生まれた行動のひとつです。丹内山神社の胎内石は、何か新しく始めたい人、次のステップへ進みたい方にぜひお勧めしたいパワーストーンです。
森の香り、土の香り、境内に湧く清らかな湧水。この場所を聖地と見た、古の人たちの信仰心に触れることができるはずです。大きなものに包まれているような巨石との出会いは、きっと頑張る方の背中をそっと後押ししてくれますよ。
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(2023/12/6更新)
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