写真:土庄 雄平
地図を見る鹿児島県から南へ60kmの海上に位置する世界遺産「屋久島」。中央部には、"洋上のアルプス"と呼ばれる大きな山脈を有し、日本有数の多雨地帯であるこの島は、その独特の地理条件から、唯一無二の大自然が育まれてきました。
写真:土庄 雄平
地図を見るそれを象徴するのが、樹齢数千年を誇る「屋久杉」の存在でしょう。特に屋久島の顔となっている「縄文杉」は樹齢3000年以上と言われています。その孤高な佇まいと、どこか神秘的なこの巨木からパワーを分けて貰おうと、今でも屋久島を訪れる人が後を絶ちません。
写真:土庄 雄平
地図を見るまた縄文杉の周辺へ視野を広げていけば、ジブリの名作"もののけ姫"の舞台になった「白谷雲水峡」の苔むす森が広がり、そして縄文杉の奥には、九州最高峰の「宮之浦岳」がどっしりと佇んでいます。
縄文杉をルートに組み入れてプランを組むことで、日帰りから2泊3日まで、屋久島ならではの大自然を満喫するトレッキングや登山を満喫することができますよ!登山愛好家は勿論のこと、ネイチャーガイドも充実しているため、初心者でもハードル低くチャレンジすることが可能です。
写真:土庄 雄平
地図を見る前述したように、トレッキングが面白い屋久島ですが、実は縄文杉周辺以外にも魅力的な山域が他に二つあります。皇族・愛子さまの名前を冠することで、密かに人気の愛子岳(標高1235m)と、大展望の山「モッチョム岳」です。これらの山を目指す人は少ないものの、屋久島ならではの圧倒的な大自然に触れるアドベンチャーを楽しむことができます。
写真:土庄 雄平
地図を見るこのうち今回紹介する「モッチョム岳」は、地元の登山愛好家が好んで止まない名山です。その理由は、一度登れば分かるはず!なぜなら、スタートから最後まで破格のスケールの景色が連続するから。
まず登山口には屋久島有数の名瀑「千尋の滝」が現れます。屋久島の中央部を水源に、落差60mにわたって豪快に轟く滝は見応え抜群!多雨地帯ならではの大量の水が圧巻です。
写真:土庄 雄平
地図を見る千尋の滝展望台の駐車場に車を止めたら、げじべえの里 千尋販売所の奥へ進んで登山開始です。登山口からモッチョム岳の山頂までは往復約5.5km、標準タイム6時間〜8時間の道のり。距離に比べて時間が長いのは、登山道の傾斜が急であるためです。しかし、ゆっくり行けば初心者でも十分日帰りが可能!
登山道は基本的に、写真のように木の根や岩の上を歩くルートなので足元に注意しましょう。屋久島は多雨地帯のため、苔で滑りやすくなっています。なるべく手を使いながら登るのがポイントです。
写真:土庄 雄平
地図を見る深い緑と繁茂する苔。登山道には木の根が張り巡らされ、時折姿を見せる屋久シカ。このモッチョム岳にも屋久島らしい、手つかずの自然が根ざしています。道のりは少し険しいものの、美しい景色を横目に、情緒抜群の登山を楽しむことができますよ!
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな登山道の醍醐味は、モッチョム岳の名物となっている二株の屋久杉と出会えるということ。特に、モッチョム岳登山口から1時間半登った場所にある樹齢3000年「万代杉」の存在感は圧倒的!縄文杉の中でも、ここまで近くに寄れる杉は珍しく、杉の包容力を思いっきり感じることができますよ。
また万代杉から40分ほど進んだ場所にある「モッチョム太郎」も太古の歴史を伝えてくれる老木。蝕まれながらも朽ちずに立ち誇る、その生命力も必見です。
写真:土庄 雄平
地図を見るモッチョム太郎を越えると、幾つかアップダウンが出てきて少々難所!ロープが設置されている場所もあるので、慎重にいきましょう。そしてモッチョム太郎から約45分ほど進んだ地点から、徐々に視界が開けてきます。いよいよ稜線区間に突入です!
危ない程ではないものの、狭い道を進むこと約30分。巨石に遭遇すれば、これが山頂の目印です!少し大変ですが、ロープをしっかり持ち登坂しましょう。このラストの難所を登り切れば、そこにはモッチョム岳が名山と呼ばれる理由になっている大パノラマが広がります。
写真:土庄 雄平
地図を見る岩上の山頂からは、屋久島南部の町と海岸線を思いっきり俯瞰することができます。その開放感とスケール感は屋久島随一!山と島が相対するような構図に、思わず引き込まれるようです。クライマックスには、最高の達成感と感動が待っています。
写真:土庄 雄平
地図を見る天候が変わりやすい屋久島では、山頂で必ずしも晴れとは限りません。しかし、雨が長く降り続くことは少なく、雨と晴れが断続的に入れ替わるのが特長的!しかしそれ故に、虹も発生しやすく、これもまた屋久島ならではの風情と言えるでしょう。
雨が降った際は、下山の足元はより気をつけてくださいね!また屋久島のトレッキングや登山ではカッパ等の雨具は必須なので、準備は怠らないようにお願いします。
写真:土庄 雄平
地図を見る屋久島観光ではメジャーではない「モッチョム岳」ですが、実は山頂は屋久島随一の大展望を有していること。そして途中の登山道には、苔むす森や屋久シカ、そして万代杉・モッチョム太郎という二株の屋久杉が現れ、屋久島ならではの世界観を大いに味わう登山を行うことが可能です。ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町尾之間
アクセス:宮之浦港からモッチョム岳登山口まで車で1時間半、モッチョム岳登山口から山頂まで往復6時間〜8時間
【備考】
・屋久島でのトレッキング/登山においては雨具が必須です。
・靴はスニーカーかトレッキングシューズを用意しましょう。
・十分な食糧・水分をもち、余裕を持った登山計画を立てましょう。
・登る前に天候を見極めて、実行するかよく判断してください。
・なお個人で行くのが不安という方は、ネイチャーガイドにお願いすることも可能です。(関連MEMOを参照)
2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
土庄 雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。山岳雑…
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