写真:島塚 渓
地図を見る広島県福山市の沼隈半島(ぬまくまはんとう)の先端に位置する鞆の浦。瀬戸内海のほぼ真ん中に位置し、ここを境に潮の流れが変わることから、古来より重要な港として利用されてきました。
特に航海技術が未熟だった時代は、潮流を利用して船が進んでいたため、潮の流れが変わるのを待つ「潮待ちの港」として栄えてきたんです。
写真:島塚 渓
地図を見るそんな鞆の浦の町には、歴史ある神社仏閣、町並みなどが大切に保存されています。見晴らしのいい高台に残る古刹やお寺を集めた通りが、当時の趣をいまに伝えているんです。
写真:島塚 渓
地図を見るまた、安政6年(1859年)に建てられた常夜灯は、船の出入りを誘導してきた鞆の浦のシンボル。海中に設置された基礎から宝珠までは、約11メートルもあり、現存する江戸時代の常夜灯として、日本一の大きさを誇っているんです。
写真:島塚 渓
地図を見る鞆の浦の歴史ある寺社の1つが、今回紹介する「福禅寺(ふくぜんじ)」。平安時代の天暦年間(950年頃)、阿弥陀信仰と念仏を広めた空也(くうや)によって創建されたと伝えられています。
写真:島塚 渓
地図を見る一般的には福禅寺という名称よりも、対潮楼という呼び名がよく知られています。対潮楼は、本堂に隣接する客殿として、元禄年間(1690年頃)に建てられました。瀬戸内海を臨む抜群の立地にあることから、文人・墨客らの交流の場として利用されてきたんです。
写真:島塚 渓
地図を見るまた、対潮楼は江戸時代、将軍の代替わりごとに、国書(信書)を持って来日した「朝鮮通信使」の迎賓館としての役割も担っていました。
この使節団には、医師や画家なども含まれていたため、学問や文化の交流にも寄与することになります。さらに、この対潮楼という名称も、通信使の高官によって命名されたんですよ。
写真:島塚 渓
地図を見る対潮楼の最大の魅力は、「日東第一形勝」と称賛された眺望。
建物内にある座敷の一角は、窓が全て解放されていて、まるで額縁で切り取ったような風景が広がっています。手前には緋毛氈が敷かれ、対岸の景色やたまに通りかかる船をゆっくりと眺められるようになっていますよ。
写真:島塚 渓
地図を見る対岸に見えるのが「弁天島(べんてんじま)」とその奥にある「仙酔島(せんすいじま)」。
弁天島には、ランドマークになっている朱塗りのお堂があり、漁師たちの守り神である弁財天が祭られています。また、仙酔島も外周5キロメートルほどの小さな島。小さいながらも美しい景勝を誇り、「仙人も酔ってしまうほど美しさ」という意味が込められているんです。
写真:島塚 渓
地図を見る正徳元年(1711年)に対潮楼に訪れた、朝鮮通信使の李邦彦(イパンオン)が、ここを「日東第一形勝」、つまり「朝鮮より東で一番美しい景勝地」と激賞します。そのときにしたためた書を板に彫った貴重な木額が、いまでも展示され、見学することができるんです。
日本のみならず、その周辺にも名声が轟く、超絶絶景スポットとして、古くから親しまれていたことが分かりますね。
住所:広島県福山市鞆町鞆2
開館時間:8:00〜17:00
休日:なし
観覧料:大人200円、中高生150円、小学生100円
2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
島塚 渓
絶景スポット、神社仏閣やご当地グルメなど五感を刺激してくれる体験を求めて、日々情報収集に余念がありません。頭のなかをいっぱいにした後は思いっきって一歩踏み出してみましょう!感動的な出会いはいつも僕たち…
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