長崎県松浦市、松浦党発祥の地と元寇の海底遺跡を知る旅

長崎県松浦市、松浦党発祥の地と元寇の海底遺跡を知る旅

更新日:2019/10/31 13:38

塚本 隆司のプロフィール写真 塚本 隆司 ぼっち旅ライター
長崎県の北部に位置する松浦市。歴史好きなら、ピンと来た人もいるだろう。九州西北部から朝鮮半島をまたにかけ、縦横無尽に駆けめぐった水軍「松浦党」のふるさとだ。
松浦氏ゆかりの今福神社や元寇の遺産が眠る鷹島海底遺跡から引き上げられた遺物を展示する松浦市立埋蔵文化財センターなど、海に生きた武士集団の歩みを色濃く残す地・松浦市を旅してみよう。
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松浦党始まりの地、今福神社

松浦党始まりの地、今福神社

写真:塚本 隆司

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平安時代後期、延久元(1069)年に摂津国から検校(長官)として源久(みなもとのひさし)が肥前国宇野御厨(みくりや)に着任する。彼とその子たちの子孫は着々と勢力を広げ、後に松浦党(まつらとう)と呼ばれる武士集団を形成し、長崎県の北部一帯を中心に唐津や伊万里、五島列島までを領する一大勢力を作り上げた。

源久が最初の滞在場所としたのが、今福(いまふく)神社だ。MR鉄道の今福(いまぶく)駅から徒歩3分のところにある。古くは、滋賀の多賀大社から分霊したため多賀社と呼ばれていたが、源久はこの地を「平和で穏やかにする」という決意から「今より福の生ずる処」と称したことで今福神社と呼ばれるようになった。なんとも幸せになれそうな名前だ。実際に福を呼ぶパワースポットとして、参拝者が訪れている。

地元では源久がここで年を越したことから「歳の宮」と呼ばれ親しまれている。近くに、源久が後に根拠地とした梶谷城跡がある。

松浦党始まりの地、今福神社

写真:塚本 隆司

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今福神社では、正式参拝予約時に「松浦の歴史について聞かせて欲しい」と依頼すれば、予定次第だが宮司が話を聞かせてくれる。境内で鎮座する狛犬も願いをかなえてくれるそうだ。

松浦党始まりの地、今福神社

写真:塚本 隆司

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<今福神社の基本情報>
住所:長崎県松浦市今福町東免68
電話番号:0956-74-0722

元寇の遺物を保存展示「松浦市立埋蔵文化財センター」

松浦党は、源平合戦など幾度も歴史の舞台に登場し、その都度活躍が語られてきた。
最大の激戦といえば2度目の元軍の襲来、1281年の弘安の役だ。対馬・壱岐を攻略し博多を目指す元軍。しかし、日本軍が築いた石塁により上陸に失敗。再度体制を整えた4千4百隻14万人の大軍が伊万里湾に集結するなか、鷹島沖での停泊中に暴風雨にあい、一夜にして壊滅的な損害を受け撤退していった。

ただ神風に助けられただけでは無い。松浦党が夜駆け朝駆けで敵船団を苦しめ、暴風雨がトドメを刺したといっていいだろう。
松浦市立埋蔵文化財センターでは、元寇の遺物の保存展示や海底遺跡の調査研究がおこなわれている。

元寇の遺物を保存展示「松浦市立埋蔵文化財センター」

写真:塚本 隆司

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多くの元寇船が沈んだ沖合では、古くから遺物が漂着していたそうだ。昭和55(1980)年から調査が始まり、30年後に海底を掘ったところ船体が発見され、2012年に国内の海底遺跡では初の国史跡に鷹島神崎遺跡(たかしまこうざきいせき)が指定された。
2015年には2隻目の沈没船が確認され、調査は今も続いている。

元寇の遺物を保存展示「松浦市立埋蔵文化財センター」

写真:塚本 隆司

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松浦市立埋蔵文化財センターでは、長年の調査結果をわかりやすく展示してくれている。
上の写真は、元軍兵士の冑。下の写真は元軍が用いた「てつはう」と呼ぶ兵器。「蒙古襲来絵詞」に描かれていたものを想像するしかなかった物の実物が確認されたのだ。

元寇の遺物を保存展示「松浦市立埋蔵文化財センター」

写真:塚本 隆司

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弘安の役の激戦地、神風に敗れた沈没船

弘安の役の激戦地、神風に敗れた沈没船

写真:塚本 隆司

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遺物の中には、鷹島の島民が海岸で発見したものもある。写真は青銅製の管軍総把印の複製。元軍の官職が所持していた貴重な遺物だ(県指定有形文化財)。

弘安の役の激戦地、神風に敗れた沈没船

写真:塚本 隆司

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松浦市立埋蔵文化財センター内の一番の見どころは、元寇船が用いた巨大なイカリだ。
イカリは海底に刺さったまま発見された。大風を避けるために、碇を降ろしていたと思われている。海底埋没物部分が3メートル弱あり、想定される長さは7メートルという。帆船の規模は、全長40メートル級とされている。想像以上に大きいので、現地で見ればきっと驚くはずだ。

館内では、海底遺跡の様子を映像でも見られる。また、CGで復元した元寇船の姿やVR技術で海底遺跡の探索を疑似体験できるスマホ用アプリ「AR蒙古襲来」もおすすめだ。松浦市立埋蔵文化財センターでは、専用のVR用ゴーグルをアプリをダウンロードした人に無料配布している。

弘安の役の激戦地、神風に敗れた沈没船

写真:塚本 隆司

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<松浦市立埋蔵文化財センターの基本情報>
住所:長崎県松浦市鷹島町神崎免146番地
開館時間:9時〜17時
閉館日:毎週月曜日(ただし、月曜日が休日に当たる場合は、その翌日以降の最初の休日でない日)、年末年始(12/29〜1/3)
入館料:一般310円、小中高生150円
電話番号:0955-48-2098

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松浦市一の棚田の風景も楽しもう

松浦市一の棚田の風景も楽しもう

写真:塚本 隆司

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松浦市を訪れたのなら、美しい棚田の風景も見逃してはならない。鷹島の隣りの福島には、日本の棚田百選に選ばれた土谷(どや)棚田がある。
4月末から5月初旬にかけ、400枚ある棚田の田植えが行われ、夕日に照らされた景色は美しく、絶景を求め多くの人が訪れる。

毎年9月には「土谷棚田の火祭り」が行われる。初日は棚田のあぜ道にペットボトルの中にろうそくを立てた灯籠が3000個並べられる。翌日からの1週間は6000個のLED照明がならべられ、幻想的な光景があたりを包む。
一時期休止期間があったが2020年には15回目を迎える。全国の棚田を利用した火祭りイベントの元祖だと地域の人が胸をはる一大イベントだ。

松浦市一の棚田の風景も楽しもう

提供元:長崎県観光連盟

https://www.nagasaki-tabinet.com/地図を見る

<土谷棚田の基本情報>
住所:長崎県松浦市福島町土谷免
電話番号:0956-72-1111 (松浦市地域経済活性課)
土谷棚田の火祭り:毎年9月

アジフライの聖地として注目の松浦市の観光スポット

松浦市を旅するなら一番のおすすめはグルメかもしれない。1年を通して水揚げされるアジ。新鮮なアジを使ったアジフライのおいしさを伝えるため、アジフライの聖地として売り出し中だ。他にも新鮮な魚介、養殖生産量日本一のトラフグ、青島のかまぼこなどおいしいものに事欠かない。(グルメについては別記事で紹介しているので関連MEMOから参考にして欲しい)

グルメ目的の旅でも、松浦市の歴史にふれずに帰るのはもったいない。今より福の生じる縁起がいい今福神社、日本の将来を左右した元寇の遺跡、美しい棚田の風景。松浦市には、ここにしかない歴史がある。

2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

取材協力:長崎県

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/07/31 訪問

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